花粉症の目のかゆみ、目薬でなく漢方薬で治せる!?
あなたの傾向とは似ている? 似ていない?
V美さんの初診問診票はこんな感じです。
丸山先生「V美さんには越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)を処方します」
V美「U子とはちがう漢方薬なんですね」
丸山先生「はい。越婢加朮湯は水毒と熱を取り除く薬です」
V美「水毒……? なんだか怖いですね」
丸山先生「水毒は、水滞ともいって簡単にいうと、体の中の水分の偏在のことです。たとえば、上半身に水が足りず、その分下半身に水が余計にあるような状態が偏在です。今回の場合は、目のまわりや鼻には水分が多いけれど、喉が渇くということは、喉には水分が不足している状態です」
V美「体の中に毒があるわけではなくて、水が偏ってるということなんですね」
丸山先生「そうですね。U子さんに出した『小青竜湯』も水毒を治す薬ですが、越婢加朮湯は、水毒にプラスしてさらに炎症が強いときに使うイメージです。また、含まれる生薬の特徴で、効果を感じるのも早いと思います。ただ……」
V美「ただ……?」
丸山先生「その生薬のために胃に負担がかかる場合があります。長い期間飲み続けるお薬ではないので、改善し始めたら服用回数を減らしましょう」
丸山先生の初心者講座1
漢方薬は、含まれる生薬の数が少ないほど効き方がシャープな傾向があります。越婢加朮湯に含まれる生薬は6種類、小青竜湯は8種類です。また、生薬の種類によっては胃腸への負担がある場合があり注意が必要です。今回は“麻黄”がそれに当たりますが、麻黄が多く含まれている薬はあまり長期間服用を続けるべきではありません。