お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

飲酒と薬の併用はNGだけど「忘年会や新年会どう乗り切る?」

年末年始にかけてお酒を飲む機会が増えますね。普段お酒を飲まない人もこの時期だけは解禁。でも当日、突然の風邪や頭痛、生理痛などが運悪く重なると困りますよね。ご存じの人も多いと思いますが、薬とアルコールを同時に飲むことは危険。

そこで、薬剤師さんにお酒を飲む時の注意点あれこれを伺いました。

まず、二日酔いってやはり体に悪いんでしょうか?

――アルコールは体内に入ると小腸で吸収され肝臓でアルコール分解酵素によってアセトアルデヒドに変わり、酢酸へと無毒化されます。その後、体の各組織へ運ばれて最終的に炭酸ガスと水になって体の外へ排出されます。

吐いたり、二日酔いになったりと悪酔いしやすい人はこのアセトアルデヒドが多く発生する人で、日本人は欧米人に比べてアルコール分解酵素が少ない民族、つまり二日酔いになりやすい人が多いわけです。悪酔いしながら我慢してお酒を飲むのは体にも肝臓にも負担がかかり実は危険なことです。

体質は個人差がありますので飲めば克服できるというものではないため、他の人のペースに併せて飲むのはやめましょう。

二日酔いになった時に効果的な薬はありますか?

・五苓散:尿量を増やして出しやすくし、早くアルコールを排出。
・ウコン:クルクミンが肝臓の働きを活発にしてアルコールの分解を助ける。
・ハイチオールC: L-システインがアルコールの分解を助ける。
・ヘパリーゼ:素早くアセトアルデヒドを分解

これらの他にスポーツドリンクなどでアルコールを早く体から出してしまうことも効果的。要はアルコールを体外へ早く出してしまうこと。アルコールが体内に残っている限り、二日酔い自体をスパッと治す薬はありませんね。

吐き気や頭痛などの症状がひどい時はその時の症状に特化した薬を併用することも効果的です。

アルコールと薬を同時に飲むことはいけないと言われていますが…

――薬もアルコールも体内に入ると通常は肝臓で毒性を処理して体外に代謝します。アルコールの方が先に処理がはじまるため、アルコールの処理で手いっぱいとなり薬の方に手が回りません。そのため、薬が長時間、肝臓で代謝されずに滞留することとなり、薬効が強く出たり、副作用がより強く出たりして危険です。

アルコールとの併用は絶対にNGという薬はありますか?

絶対にNG

抗酒薬

アルコール依存症の薬はアセトアルデヒド脱水素酵素の働きを阻害します。服用中にはほんの少量のアルコールでも摂取すると酩酊状態になることもあるため大変に危険です。(上記以外の薬も基本的にNGですが、どうしてもという時は、薬によっては薬の量を変えたり時間をずらしたりして医師、薬剤師が指導することもあります)

睡眠薬

睡眠薬はアルコールと併用すると、意識がもうろうとなり、記憶障害や呼吸抑制などが起こったり翌日まで異常に眠気が持ちこされて転倒したり事故につながる危険性があります。

抗生剤

風邪などにより病院で処方される薬の中には抗生物質を含むものが多くあります。抗生剤の種類にもよりますが、アルコールとの併用でアルコールの代謝が遅くなってアセトアルデヒドが増えてしまい、ひどい二日酔い症状を引き起こすことがあります。

精神安定剤

心療内科で処方される薬のなかには精神安定剤が多く含まれていますが、
これもアルコールとの併用で薬の効果が強く出過ぎますので、ふらつきや激しい眠気、幻視、幻聴などが現れることがあります。

解熱鎮痛剤

頭痛薬や生理痛の薬、解熱のための薬を解熱鎮痛薬と言いますが、アルコールと併用すると胃が荒れてしまい、腹痛、吐き気、動悸、人によっては失神することもあります。市販の風邪薬にも含まれていますので、服用には注意が必要です。

上記以外の薬でもアルコールとの併用は×ですよね。しかし、接待やおつきあいでどうしても飲まなければならない場合はどうすればいいのでしょう。

――アルコールの分解速度は成人で1時間に7~8gと言われていますが、ビールなら中ビン1本、日本酒1合、チュウハイ(7%)350mL缶は1本、ウィスキーならダブル1杯、ワインはワイングラスに1杯ならだいたい3時間程度でアルコールを分解できます。

この3時間内はアルコールと薬を同時に飲んだ時と同様の危険性があり、薬を服用しないようにします。例えば1日3回の風邪薬を飲む場合は普段よりお酒を飲む量を極力少なくして、飲酒の前後3時間以上は服用を空けた方がいいとお話しています。

また、男性より女性の方が副作用が出やすく、お酒に弱い人も副作用が出やすいので注意が必要です。もともと、体調不良ですので十分に気をつけてください。

(取材協力:河としえ/えびす薬局 薬剤師、文:安藤のり子)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.08.17)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2013年12月28日に公開されたものです

SHARE