生理前のニキビや便秘! 漢方薬で解消できる?
A子と同様、問診のあとは、舌の様子を見てから、ベッドで横になり腹部を診ます。
Point! 草鹿砥先生の初心者講座1
お腹の状態を見るのは、肌の乾燥具合、腹力、筋肉の張り具合、汗のかき方などから健康状態をチェックするため。健康な場合、適度に弾力があり、腹部全体に硬い部分や痛い部分がありません。
草鹿砥先生「B美さんには桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)と芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を処方します。桂枝茯苓丸を常用して、芍薬甘草湯は月経の数日前から月経がはじまって2~3日後まで飲んでください」
B美「あれ? A子が処方されたのは1種類だけだったって聞いたけれど……」
草鹿砥先生「まず桂枝茯苓丸から説明しますね。B美さんは血の巡りが悪いタイプなんです。紫色のにきびや痔があるなどというのが特徴的で、『瘀血(おけつ)』ともいわれる症状です」
B美「A子は血が足りないタイプって言われたみたいですが、私は血が足りているけれど、その巡りが悪いっていうことでしょうか?」
草鹿砥先生「そのとおり。血の巡りをよくしてくれるのが桂枝茯苓丸なんです。生理のときに子宮の筋肉が収縮して内膜がはがれてきますが、そのときの収縮が強いとひどい痛みとして感じられることがあります。芍薬甘草湯は筋肉の強い収縮を抑え、痛みを和らげる働きがあるのです」

左)桂枝茯苓丸 右)芍薬甘草湯
B美「それはいいですね。生理痛、よくなるといいな……」
草鹿砥先生「B美さんは、胃腸は丈夫ということなので、体は強いはず。お大事に」
B美「ありがとうございました」
検診終了後、A子とB美はお会計へ。
A子「いくらぐらいかかるかな? 先輩の話だとそれほど高くないって聞いたけれど」
B美「……あ、普通の診察料と変わらないね!」
Point! 草鹿砥先生の初心者講座2
基本的な診察の場合、内科などを受診するのと料金は変わりません。血液検査なども同様です。漢方薬自体も保険が効くものが多く、ひと月でおよそ2,000~3,000円程度のことが多いです。