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眠くてしょうがない! 生理中の眠気の対処法

今井愛

「生理中に異常に眠くなる」「生理中の強烈な眠気をなんとかしたい」……そんなふうに悩んでいませんか? 生理中の眠気のせいで、学校や社会生活に支障をきたしている人も多いでしょう。今回は、生理中に眠くなる原因とその対処法について産婦人科専門医・今井愛先生の解説を元に紹介します。

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<目次>

生理前や生理中に眠くなる原因

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そもそも生理前や生理中は、なぜ眠くなるのでしょうか? 眠気の原因について教えてもらいました。

(1)生理中は体温が高くなるため

私たちの体は、体温が低いほど睡眠が深くなるようにできています。しかし、生理前に多く分泌される女性ホルモンであるプロゲステロンには体温を上昇させる効果があります。そのため夜の眠りが浅くなり、昼間に眠くなってしまいます。

(2)プロゲステロンの働きによって

生理中は、「プロゲステロン」が分泌されます。このホルモンには①体温を上げる働きと②眠気を起こす働きがあります。体温を上げると日中の眠気につながるのは先ほど紹介したとおりです。

(3)催眠作用のある「メラトニン」が分泌されるため

生理中は、ホルモンバランスの急激な乱れにより、催眠ホルモンであるメラトニンの分泌が促されてしまいます。よって、「生理中は慢性的に眠い」といった現象が起こります。

生理中の眠気を解消する方法

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生理前や生理中に眠くなる原因がわかったところで、次はいよいよ生理中の眠気を解消する具体的な方法について見ていきましょう。

(1)睡眠環境をととのえる

日中眠くなる原因には、夜の睡眠の質が悪いことも関係しています。そこで、ぐっすり眠れるように、睡眠環境を整えましょう。具体的には、リラックス効果のあるアロマ(ラベンダーなど)をかいでみたり、ヒーリング音楽といわれる癒やし系サウンドで緊張をほぐしましょう。 部屋の電気を間接照明にするのもおすすめです。

(2)寝る前にブルーライトを浴びない

就寝前は、スマートフォンやパソコンの使用をなるべく控えましょう。これらの端末から発せられるブルーライトを浴びることで、メラトニンの分泌が抑制され、睡眠を妨げます。

(3)入浴する

夜の睡眠の質を上げるという意味で、寝る前に「湯船につかる」ことも大事です。さきほどお伝えしましたが、スムーズな眠りに導入するには、体温をゆるやかに下げる必要があります。その意味で、入浴後の湯冷めには、自然な眠りを誘う睡眠作用があるのです。

生理中の眠気を倍増させる行動&習慣

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ここまで生理中の眠気を解消する方法を紹介してきました。つづいて、生理中の眠気を倍増させてしまうNGな行動や習慣について紹介します。

(1)炭水化物から食べる

食後の急激な血糖値上昇は眠気につながります。そのため、血糖値をあげる食品は、食物繊維を摂ったあとに食べたり量を控えるなど、食べる順番や摂取量に気をつけましょう。

(2)日中多量のカフェインを摂る

日中、眠いからといって多量のカフェインを摂取するのはやめましょう。個人差はありますが、カフェインは摂取してから効果が完全になくなるまで、5~7時間ほどかかります。そのため、就寝時間の5~7時間前、少なくとも夕方の6時以降のカフェイン摂取は控えましょう。夜に眠れなくなってしまいます。

(3)アルコールの多量摂取

お酒が好きな人は、アルコールの多量摂取をやめましょう。アルコールには、レム睡眠を減少させ、中途覚醒を増やす作用があるからです。また、利尿作用もあるため、夜中にたびたび目を覚ますことになり、結果、睡眠の質を下げてしまいます。

もう眠くならない! 生理中に眠くならない方法

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生理前や生理中における眠くなる原因についてわかりましたが、そもそも「眠くならない」方法があるならそれも知りたいですよね? そこで最後に、生理中に眠くならないための方法について今井先生に教えてもらいました。

(1)イソフラボンや鉄分を摂取する

生理中に眠くならないよう、生理まえに摂取してほしいのがイソフラボンや鉄分、トリプトファンを含む食材です。イソフラボンには生理中に乱れがちなホルモンを安定させる作用が、トリプトファンは夜の睡眠の質を上げるセロトニンの原料となるアミノ酸です。また、鉄分不足は睡眠の質を下げる原因となるので、上記2つと合わせて積極的に摂取したいですね。

それぞれの成分を含む食材は以下のとおりです。

イソフラボン……豆腐・納豆・豆乳・みそ・おからなど大豆製品
鉄分……レバーや肉類、ほうれん草、小松菜、ひじき
トリプトファン……まぐろ赤身、あじ、卵、アーモンド、カシューナッツ

(2)覚醒作用のあるアロマをかぐ

アロマを使って脳をリフレッシュさせる方法もあります。アロマといえば、リラックス目的に使われるイメージが強いと思いますが、ペパーミントやローズマリー、ユーカリ、レモン、ジュニパーといったアロマには、眠気を覚まし、頭をスッキリさせる効果があります。

取り入れ方ですが、オイルを2~3滴ハンカチに垂らしてかぐだけでOK。オフィスでも気軽にできます。

(3)15~20分の昼寝をする

どうしても眠くてしようがない! そんなときは、思い切って「昼寝」をするのも手です。ただし、昼寝時間は「15~20分」に抑えるのがポイント。浅い睡眠(レム睡眠)をとることで、少ない時間ながらもスッキリと目覚めることができます。

また、昼寝をする時間帯にも注意しましょう。15時以降の昼寝は夜の睡眠に影響するため、昼の12時から15時までに済ませましょう。

まとめ

生理中に眠くなる原因や眠気の対処法について紹介してきました。いかがでしたか? 生理中の眠気はどうにもならない……と諦めていた人はぜひ、先生のアドバイスを実践してみてはいかがでしょうか。

(文:今井愛、構成:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.24)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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