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【妊娠出産のウソ&ホント】初産は時間がかかるってホント?

尾西芳子(産婦人科専門医)

ヨダヒロコ/六識

将来妊娠したい、したくないに関わらず、妊娠・出産は未知の世界。出産未経験の女性たちが感じている妊娠・出産にまつわる素朴なギモンについて、産婦人科専門医の尾西芳子先生がわかりやすく教えてくれます。ウソかホントかわからない情報に惑わされずに、正しい知識を身につけましょう!

「初めての出産は、2人目以降の出産に比べて時間がかかる」とよく聞きます。しかし一方で、「2人目のほうが時間がかかった」という人もいるようです。では、実際のところはどうなのでしょうか? また、もし初産のほうが長引くとしたら、その原因は? 今回は、そんな初産にかかる時間にまつわるウソ&ホントに迫りました! 産婦人科医の尾西芳子先生に解説してもらいましょう。

本日の「ソボクな疑問」

Q.初産は時間がかかるってホント?

istock-491311080<読者の声>

・個人差が多く、2人目のほうが時間がかかったという人もいるから。(33歳/学校・教育関連/技術職)
・体力による。(33歳/不動産/事務系専門職)
・産道が開いていないから時間がかかると聞いたことがある。(29歳/人材派遣・人材紹介/事務系専門職)
・初めての妊娠は母体も緊張しているため時間がかかると思う。(25歳/その他/事務系専門職)

尾西先生のアンサーは!?

答えは……
ホントです!

経産婦のお産は初産に比べて約半分の時間といわれています。一般的に、経産婦で6~7時間、初産婦で12~13時間で出産となることが多いです。ちなみに、お産が長引くことを「遷延(せんえん)分娩」というのですが、その時間も経産婦の場合は15時間以上ですが、初産婦の場合は30時間以上が基準とされています。

なぜ経産婦のほうが時間がかからないのかというと、やはり「赤ちゃんが出てくる道(産道)が既にできているから」ということに尽きます。子宮の入り口や産道は最初のお産では固くて伸びにくいのですが、初産で一度伸ばされることにより、2回目以降は伸びやすくなります。同じく会陰も伸びるので、初産では切れてしまった人も2回目の出産のときには切れなかったということも多いです。

一方で、2人目のほうが1人目よりも大きければ、初産より時間がかかる人もいます。また、赤ちゃんの向きによっても分娩が長引くことも。通常、赤ちゃんの顔はお母さんの背中側を向いて産まれてきますが、中にはおなか側を向いてしまうこともあり、そうなると産道を通りにくいので時間がかかってしまいます。ほかにも、2人目の妊娠で太りすぎて、産道のまわりに脂肪がついてしまうなど、母体側の原因で難産になってしまうこともあります。

「体力による」との声がありますが、体力は個人差がありますし、同じ人なら分娩時間に影響するほどの差は出ないかと思います。逆に、「初めての妊娠は母体も緊張しているため時間がかかる」というのは、精神的な意味では一理あるかもしれません。「初産にあれだけ時間がかかったのだから、2回目も時間がかかるだろう」と覚悟していたら、「思ったよりも早かった」と感じることはあるでしょうね。

初産は時間がかかると聞いて、不安になる人もいるかもしれません。ですが、この時間は「陣痛がはじまってから赤ちゃんが出てくるまでの時間」で、陣痛と陣痛の間は意外とけろっとしている人も多いものです。そのときにうまく気晴らしができれば、最後まで疲れずに出産を終えることができますので、必要以上に心配しなくても大丈夫ですよ。

(取材協力:尾西芳子、文:ヨダヒロコ、撮影:masaco)

※一部画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.24)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2017年02月11日に公開されたものです

尾西芳子(産婦人科専門医)

高輪台レディースクリニック副院長

日本産科婦人科学会会員
日本女性医学学会会員(専門医)
日本産婦人科乳腺学会会員

神戸大学国際文化学部卒業後、山口大学医学部学士編入学。慈恵医大病院、日本赤十字社医療センター、済生会中津病院の勤務を経て、都内の産婦人科クリニック勤務。2017年7月、高輪台にて開業。

妊娠・出産から、婦人科がんの手術、不妊治療と広く学び「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と女性のすべての悩みに応えることのできる女性のかかりつけ医を目指す。モデルの経験を活かし、美と健康に関する知識も豊富。Webの連載をはじめ、TV、雑誌、講演会で活躍中。

オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/

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ヨダヒロコ/六識

女性向けライフスタイル情報誌&Webサイトの編集者を経て、 2013年に制作プロダクション「六識」をスタート。「働く女性が笑顔でいられる生き方を応援したい」という想いで、グルメや美容、マネー、恋愛・結婚をテーマにした記事の構成~執筆を行う。2児の母として、時短グッズの情報収集に余念がない。仕事・家事・育児に追われる日々の中、月に一度のネイルが癒しに。

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