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猛威をふるう夏風邪「ヘルパンギーナ」、冬の風邪とどうちがう?

夏の間から秋ぐちにかけて流行する「夏風邪」。今年はなかでも、「ヘルパンギーナ」が猛威をふるい、過去10年間でもっとも多い患者数を記録しました。国立感染症研究所がまとめた全国の報告数によると、関東や西日本ではピークを越えたとされますが、北海道や東北五県(福島を除く)では引き続き増えています。ヘルパンギーナとは、どのような病気なのでしょうか。東京都健康安全研究センターに聞きました。

患者報告数の推移

※東京都健康安全研究センターWEBページより
初出時、グラフ内の吹き出しが2014年32週となっておりましたが、正しくは2014年33週です。

■突然の発熱や頭痛、そして「のどの水泡」が特徴

「ヘルパンギーナは『プール熱』『手足口病』と並ぶ、代表的な夏風邪のひとつです。これらに共通する症状として、38度以上の発熱やのどの痛みがあります。さらに、ヘルパンギーナの場合、のどに水疱(すいほう)ができるのが特徴です」(東京都健康安全研究センター)

風邪というと、冬場に流行るイメージがあります。でも、夏と冬ではそもそも、風邪の原因となるウイルスもちがうそう。ウイルスは一般的に低温で乾燥した環境を好む傾向があります。ところが、ヘルパンギーナの原因ウイルスは高温多湿な環境で活発に活動。咳やくしゃみなどからの飛まつにふくまれるウイルスが鼻やのどの粘膜に付着することで感染します。

ウイルスが原因のため、病気そのものを治す薬はなく、解熱鎮痛薬で熱を下げるなどの対症療法が中心です。口の中に水疱ができ、ひどく痛むため、食事がとりやすいよう、軟らかく、薄味の食事を工夫し、水分補給を心がけることが大切です。一般的に2~4日で熱が下がり、7日程度で治癒するとか。

■「大人がかかると重症化する」の実態は?

ヘルパンギーナは「大人がかかると重症化する」と報じられ、話題になりました。しかし、東京都健康安全研究センターによると「大人の罹患(りかん)者はさほど多くありません」というのが実情のようです。

「東京都では、患者全体の約95%を6歳以下の乳幼児が占め、中でも2歳以下が約60%を占めています。もちろん、大人がかかることもあるので油断は禁物です。特に気をつけたいのは、家庭内で子どもから二次感染するパターン。また、保母や幼稚園教諭など小さな子どもと日常的に接する職業の人も、感染リスクは高まります」(東京都健康安全研究センター)

感染を防ぐには冬の風邪と同様、こまめな「手洗い」と「うがい」が重要だそう。また、3~4週間は便にウイルスが排泄される点も要注意。

「幼稚園や保育園、学校はもちろん、家族間でもタオルの共用は避けましょう。また、せき・くしゃみをするときはティッシュで口や鼻をカバーするといった『咳エチケット』を子どもの年齢に応じて教えることも大切です」(東京都健康安全研究センター)

(取材協力:東京都健康安全研究センター、文:石水典子+ガールズ健康ラボ)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.08.09)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2014年08月26日に公開されたものです

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