【助産師解説】夜間授乳はなぜ必要?いつまで続く?授乳間隔や夜間の授乳方法

【助産師解説】夜間授乳はなぜ必要?いつまで続く?授乳間隔や夜間の授乳方法

夜間授乳は必ずするべき?日中だけじゃダメなの?という疑問に、助産師がお答えします。夜間の頻回授乳がツラいというママや、より楽に授乳する方法を模索しているママは、ぜひ参考にしてください。


夜間授乳はなぜ、いつまで必要なの?

夜中に何度も起きて授乳するのは大変ですよね。細切れの睡眠で疲れがとれなかったり、寝不足で日中にイライラしてしまうというママもいるかもしれません。でも、夜間の授乳には重要な役割やメリットがあるんです。した方が良い理由と続けたい期間についてお伝えします。

夜間授乳の必要性とは

・一度にたくさん飲めない赤ちゃん

生まれたばかりの赤ちゃんはまだ胃袋が小さく、一度に多くの量をお腹に入れることができません。そのため、赤ちゃんによって差があるものの、2~3時間に1度などのペースで頻回授乳が必要となります。

・初めのうちは体内時計が整っていない

また、サーカディアンリズム(体内時計)も整っておらず朝と夜の区別もつかないので、赤ちゃんは夜中も関係なく2~3時間ごとに空腹を訴えて泣きながら起きるのです。

・母乳の分泌には夜間の授乳が大事

空腹を満たすという意味ではミルクでもいいのですが、母乳量を増やしたい場合などは夜間も母乳をあたえることがすすめられます。

その理由は、夜間授乳をやめてしまうと母乳の分泌が減少する可能性があるためです。母乳は、赤ちゃんに吸われるほど分泌がよくなります。そのため、授乳の回数が1日5~6回以下になると、母乳分泌の減少につながることがあります。

さらに、夜間はプロラクチンがより多く分泌されるので、日中より母乳の分泌を促す作用が期待できるともいわれます。母乳育児を軌道に乗せたい場合、分泌が安定する産後1~3ヶ月くらいまでは夜間も授乳を行うことが重要と言えるでしょう。

【助産師解説】母乳はいつから出るの?安定するまでの期間と分泌をよくする方法

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母乳はいつ頃から出始めるの?分泌が安定するまでの期間とそのメカニズムについて、助産師が解説します。母乳の出をよくする方法についてもアドバイスしているので、ぜひ参考にしてください。

・授乳間隔があきすぎると乳腺炎のリスクが

授乳間隔があくと乳汁がうっ滞することで乳腺炎などのトラブルが起こりやすくなるので、夜間授乳をしないと乳房トラブルのリスクが高まる可能性もあります。

夜間授乳はいつまで続けるべき?

では、夜間授乳はいつまで続けることがすすめられるのでしょうか。

「この時期までは続けるべき!」という明確な決まりはないのですが、朝まで空腹で起きないくらいの量を飲めるようになれば、夜間授乳がなくなる可能性はあります。多くは、離乳食をしっかり食べられるようになる7~8ヶ月頃には、寝る前に授乳をすれば夜間の授乳は特に必要なくなってくるでしょう。特別な理由がなければ、生後5~6ヶ月頃までは夜の間も授乳を続けることをおすすめします。

7~8ヶ月頃にはサーカディアンリズム(体内時計)もほぼ確立しているので、中途覚醒なく朝までしっかり寝るようになる赤ちゃんもいます。この場合は、自然に夜間授乳がなくなりますね。

ただ、空腹とは違う理由で夜間に1~2回起きる赤ちゃんもいます。寝かしつけのために夜間授乳を続けているというママも少なくないでしょう。夜起こされることがツラい場合は、離乳食がしっかり食べられていれば夜間断乳を選択することも可能です。

【助産師解説】夜間断乳、成功の秘訣5つ!いつごろからできる?

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夜間断乳はいつからできる?成功するには?という疑問に、助産師がお答えします。ママの寝不足の原因のひとつに、夜の授乳があるかと思います。せめて夜の間だけでも授乳をやめたいと思っているママも少なくないようです。夜間断乳のメリットとともに、注意点についても知っておきましょう。迷っている方は検討するうえでの参考にご覧くださいね

夜間授乳を楽にするには

夜中に何度も起こされるのがツラかったり、寝不足で疲れがとれないというママもいるでしょう。頻回授乳が必要になる時期は少なくとも夜間に2~3回は起きなければなりませんよね。細切れ睡眠はどうしようもないとしても、夜間の授乳を少しでも楽にできれば、この時期を乗り切りやすくなると思います。その工夫について、いくつかの方法をご紹介します。

夜間授乳の回数には個人差がある

夜間授乳を楽にする方法をお伝えする前に、まずは夜中の授乳回数について見てみましょう。
夜間の授乳回数には個人差が大きく、母乳育児かそれ以外の栄養法かでも子供の睡眠パターンは異なってきます。一般的には、ミルク栄養の子どもの方が夜間にまとまって眠ってくれる時間が長くなる傾向にあります。

1.スウェーデンの調査研究
完全母乳の乳児の夜間(22時~5時59分)の授乳パターン
・生後2週:1~5.1回
・生後16週:0~4回
・生後20週:0~4回
・生後26週間までの平均的な夜間授乳の回数:1~2.9回

2.アジア太平洋地域の乳児の睡眠パターンと授乳の関連を調査した結果
生後0~6ヶ月の夜間の覚醒回数
・母乳:2.28回
・母乳ではない:1.91回

生後6~12ヶ月の夜間の覚醒回数
・母乳:2.37回
・母乳ではない:1.72回

上の研究結果を見ても、母乳栄養でない乳児と比べて、母乳栄養の乳児の方が夜間の覚醒回数が多いことがわかります。

頻回授乳になるときは添い乳がおすすめ

夜間の頻回授乳を楽にするには、どうすればいいのでしょうか?

夜何度も起き上がって授乳するのがツラい場合は、体を横たえたまま授乳する添い乳がおすすめです。横になったまま授乳ができるのでママの負担を軽減できますし、赤ちゃんもリラックスして寝つきやすい傾向にあるようです。

ただし、添い乳にはリスクもあるので、正しいポジショニングで十分な注意のうえで行うようにしましょう。クッションやタオルなども上手に利用しながら、赤ちゃんが楽に飲めるようにし、ママが覆いかぶさらないよう工夫することが大切です。

【助産師解説】添い乳は危険!?リスク回避の5つのポイント

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添い乳は危険!という声も多いですが、上手に行えばママと赤ちゃんにメリットの多い授乳方法でもあります。添い乳のメリット・デメリットと、トラブルを回避するための方法やコツについて紹介します。

どうしてもツラいときはミルクに頼ることも

毎夜3回以上起きてほとんど眠れていないというときは、たとえ添い乳でも夜間授乳の負担は大きいでしょう。また、起こされること自体が苦痛で日中の生活にも支障があるという場合もあるかもしれません。

このようなときは、たまにはミルクに頼ることがあってもいいかもしれません。ミルクの方が腹持ちがいいので、まとまって寝る時間が長くなる傾向にあります。就寝前の最後の授乳をミルクにすると、夜間授乳の回数を減らせるかもしれませんね。

また、ご主人にも協力してもらい、週に何回かは夜間授乳をお願いすることもできます。ミルクに抵抗があるときは、搾乳しておいたものを哺乳瓶で飲ませてもらってもいいでしょう。

ただし、授乳の間隔が空くと、乳房トラブルにつながる可能性もあります。あまりに頻回な授乳で辛いときは、正しい授乳のポジションや吸着ができているか助産師や授乳の専門家に確認してもらうといいですね。

まとめ

夜間授乳には母乳の分泌を促す効果が期待できます。特に母乳育児を希望する場合は、母乳の分泌が安定するまでは夜間授乳を行うことがすすめられます。とはいえ、夜中に何度も起こされるのはツラいですよね。添い乳を試してみるなど、できるだけ負担を少なくする方法を考え、この時期を上手に乗りきりましょう。サーカディアンリズムが確立し始め、離乳食も進んだ頃には朝までぐっすり寝てくれる赤ちゃんも多いです。また、この頃には夜間断乳することも可能なので、ご家族の協力も得ながら頑張って乗りきってください。

この記事を解説してくれた先生
坂田 陽子先生
看護師、助産師、国際認定ラクテーションコンサルタント。 葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院のNICU・産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。その後、都内の産婦人科病院で師長を経験。現在は東京ですみれ出張助産院を開業している。
HP:https://sumire-josanin.com/

(文・構成:マイナビ子育て編集部、監修・解説:坂田陽子先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]日本ラクテーション・コンサルタント協会著「母乳育児支援スタンダード」(医学書院)p.429

堀内成子他「エビデンスをもとに答える妊産婦・授乳婦の疑問92」(南江堂)
水野克己著「これでナットク母乳育児」(へるす出版)

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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