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「性と生殖に関する健康と権利」について調査。適切な避妊方法や家族計画については約7割が「学んでいない」と回答

#ヘルシーニュース

エボル

オンライン診察でピルを処方するサービス「スマルナ」を運営するネクイノは、スマルナユーザーを対象に、SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)に関する「自己決定とその支援」について意識調査を実施しました。

「ワタシらしい人生を選べる世の中へ」SRHR意識調査

SRHRは、「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」の略で、「性と生殖に関する健康と権利」という概念。スマルナではこれまで2回にわたりSRHRについてのユーザー調査を重ねてきました。※

これらの調査結果や数多くのユーザーコメントから“SRHRの重要性については認識しているものの、自分自身の決定を尊重して実行することに対しては、ハードルを感じている人が多い”ということがわかりました。

これを踏まえ、今回の調査ではSRHRに関する「自己決定とその支援」をテーマに、一人ひとりの自己決定が尊重される社会の実現に必要な情報アクセスやコミュニケーションのあり方について調査しました。

※このレポートで記載している「女性」とは生物学的女性を指しています。

性や生殖に関する情報アクセスの現状

これまでに学校や社会・家庭で性教育を受けた人は約9割に

まず、性や生殖について学ぶ機会である性教育の現状について調査しました。

「これまでに学校や社会・家庭などで性教育を受けたという認識があるか」と聞いたところ、46%が「あるが詳しく教えてもらっていない」と回答。

性教育を受けた認識はあるものの「詳しく教えてもらっていない」と感じている人が約半数であることが明らかになりました。

適切な避妊方法や家族計画は約7割が「学べていない」と感じている

性教育で学んだ内容について聞いてみると、生殖器の構造や機能、生理周期、妊娠、出産については94.9%が学んだと回答しているものの、「適切な避妊方法や家族計画について」は約7割の人が学んでいないという認識だという結果となりました。

また、「性感染症のリスクと予防策について」は約半数、「性的同意について」は約8割の人が学んでいないと認識しているということが明らかになりました。

「自分の身体のことは自分で決められる」という概念を学んだ人は約2割

また、性教育を受けたことがあると回答した人のうち、「自分の身体のことは自分で決められる」という自己決定の重要性について学んだと回答した人は20.6%にとどまり、性教育における「自己決定」と、避妊・性感染症の予防などの「自己保護」に関する情報が大幅に不足している傾向が見受けられました。

さらに、「性に関する知識や考え方を、学校や社会・家庭などで十分に得られたと思う」と回答した人は12.4%と、約1割にとどまりました。

性に関する知識や考え方について「もっと情報を得たい」人は約7割

性に関する知識や考え方について、もっと情報を得たいと思っている人は66.1%と約7割に上り、うち「もっと知りたいと思う項目」については「避妊について」がトップ、次いで「妊娠について」「性教育について」でした。

10〜40代を年代別に見ても、25〜29歳以外はいずれの年代も「避妊について」がトップで、「避妊」は知っておきたい知識としてとても大きな関心を得ていることがうかがえる結果となりましたが、2位以降を見てみると年代によって知りたい項目が変化していくことがわかりました。

18〜24歳では「性感染症」、25〜29歳では「妊娠・出産」、30〜34歳では「不妊」、35歳以上では「性教育」が知りたい項目の上位に挙がりました。

このような結果から、女性は年齢やライフステージによって異なる知識を必要としており、適切なタイミングで必要な情報にアクセスできる環境の重要性が明らかになりました。

悩んだ時の情報源は「インターネット」が全年代トップ

続いて、自分の身体や性について悩んだ時、どうやって情報を得るかという質問には、全年代で「インターネットで検索する」がトップ、次いで「SNSで検索する」となりました。

インターネットやSNSの情報はすぐアクセスできることがメリットである一方、誤った情報にアクセスしてしまう可能性もあるため、注意が必要です。

性や生殖に関する悩みと自己決定への認識

続いて、性や生殖に関する悩みを抱えている人の割合や、自己決定の重要性に関する認識について調査しました。

自分の性のあり方に悩んだことがある人は15.7%

まず、SRHRの中でもセクシュアルヘルス/ライツに関わる自分の性のあり方(どのような性別の人を好きになるか、自身の性自認などについて)に悩んだことがある人は15.7%いることがわかりました。

悩んだ理由としては以下のコメントがありました。

・誰のことも好きになれないとき、どちらの性も好きになることがあると知ったとき、自分の性的指向が分からなくなった(20代)
・女性を好きだと思ったときに、自分は変なのかなと悩んだ(20代)
・思春期に、自分が持つ恋愛感情が周りとは違うような気がして、なんとなく友人と恋愛の話をするのが苦手だった。ここ数年で、自分がデミセクシャルではないかと気付き、腑に落ちた(30代)
・好きな人とセックスの相性が合わないことで、好きではなくなる自分がいて、常に性が付いてくる自分が変な人間ではないか?と悩んだ(40代)
・セックスをしたいと思わない。結婚したが必ず男性に求められたらセックスをしなきゃいけないという暗黙のルールみたいなものが苦痛(30代)
・小学校低学年の頃、自分は父と同じ性になると思っていた。あるとき病院で男の子に間違われたとき母が激怒し、「らしさ」について悩んだ(30代)
・女性として生まれたが、男性的に見てもらえるのが嬉しい時期と、女性らしくいたい時期が交互に来る(20代)

これらのコメントからは、自分自身の性に関するあり方を考えたり悩んだりすることが決して珍しいことではない、ということがわかりました。

続いて、SRHRの中でもリプロダクティブヘルス/ライツに関わる「妊娠・出産・中絶・不妊治療などの生殖に関する選択について悩んだことはありますか?」と言う問いに関しては44.2%が悩んだことがあると回答しました。

どんなことについて悩んだか聞いたところ、以下のコメントがありました。

・子どもが出来た時に就職が決まっていたので中絶するか産むか悩んだ(10代)
・避妊のためにピルを飲み始めるとき、デメリットも考え悩んだが、デメリットが起こる具体的な数字を見て、私にとってのメリットの方がはるかに高いと判断して飲み始めた。クリニックでの説明も受けた(30代)
・自分のキャリアについて悩んだ。妊娠出産すると仕事続けられるのかな……と(20代)
・出産は自分には無縁だと思っていたが、周りで出産経験者が多くなるにつれ焦りというものを感じるようになった(30代)
・出産するにはある程度の年齢制限があるからいつどの時期に何人などの家族計画を、いつ立てるべきか悩んでいる(20代)
・女性は妊娠の適齢期があるが、自分が「産む」という選択をするのならその年齢までに結婚、妊娠をした方がいいと思っていた。しかし、それによってパートナーを選ぶ時間などに制約がかかる。自分の人生を考える時間が限られていると感じ、悩んでいる(30代)
・自分は子どもを望んでいないと親に伝えたところ、孫の顔が見れないなんて不幸だと泣いて説得してこようとする。自分は親を泣かせるほど悪いことをしているのかと自問自答をしている(30代)
・子どもを持つことについて。自身は子どもを持ちたいとは思っていないが、周囲(夫や親など)の子どもが欲しいという思いには応えたいと思っている。自分が納得する答えが出せていない(30代)

コメントからは、自分自身の考えだけでなく周囲の意見や環境が影響し合って悩んでいる様子がうかがえました。特に「子どもを持つか・持たないか・いつ・何人持つか」という決定には、家族やパートナーをはじめ周囲とのコミュニケーションが重要となる場合があります。

リプロダクティブ・ライツの観点から、本人の意思を尊重し、その決定をサポートする周囲の理解の重要性がうかがえました。

「自分の身体についての決定は尊重されるべき」と思う人は9割超

続いて、「自分の身体についての決定は尊重されるべきだと思いますか?」と言う質問には93%が尊重されるべきであると回答しました。

一方で、「自分の身体に関する重要な決定をする際、あなたは自分の意見を尊重していますか?」という質問に「はい」と回答した人は78.3%と、前述の質問の回答より約15%低くなりました。

この結果から、多くの人が自分の身体についての決定は尊重されるべきという認識はあるが、現実に自分の意見を尊重するためには何らかのハードルがある様子がわかりました。

自分らしく生きるための自己決定支援

最後に、自分らしく生きるためにどのような自己決定支援があれば良いと感じているかを調査しました。

性別による理不尽さやモヤモヤ、約6割が「しかたない」と諦めている

「性や生殖に関することについて、どんな意識の変化やサポートがあると自己決定がしやすいと思いますか?」と質問したところ、約7割が「固定概念や偏見がなくなること」「正しい情報にアクセスできること」への意識の変化やサポートがあれば自己決定がしやすいと考えていることがわかりました。

また、性別による理不尽さやモヤモヤを感じた時、自分の意志に反して「しかたない」と諦めてしまったことはありますか?と言う質問には63.7%の人があると回答しました。

諦めざるを得なかった理由は「現実的な選択肢が限られている」がトップ

あると回答した人に諦めざるを得なかった理由について聞いてみると、いちばん高かった理由は「現実的な選択肢が限られており、諦めるしかなかった」に。次いで「性別による不平等や不公平な状況に立ち向かうことが難しいと感じた」「社会的な期待やジェンダーステレオタイプに従わざるを得ないと感じた」が挙がりました。

性別による社会的な役割や期待に合わせようとすることで、本来の自分の意志とのギャップを感じ、「しかたない」と諦めることが一時的な解決策として考えられるかもしれません。

しかし、その背景には、性別に関する固定概念や社会的な偏見などの影響があることがあります。そのため、より包括的で多様な視点を持つことや、自分自身を理解し、自己の価値観や選択肢を尊重することが重要だということが浮き彫りになりました。

今回の調査により、多くの人々が避妊や性感染症、性的同意など、性行為に関連する重要な概念や自己決定権、自己保護の手段についてもっと学びたいという意志があるということがわかり、学校や社会、家庭において、性教育を包括的に学ぶ機会が不足しているということが明らかになりました。

また、固定概念や偏見がなくなり、正しい情報にアクセスできる環境が整うことが、自己決定の支援につながるということもわかりました。

さらに、スマルナユーザーのコメントからは、自身の心や身体に関する悩みの一因として周囲の意見も影響しているということが明らかになり、一人で課題に向き合うのでなく、社会全体で理解し、解決していくべきものであるという重要性が伝わってきました。

調査概要

調査対象:スマルナユーザー702名(生物学的女性)
実施期間:2023/10/12〜2023/10/30
調査方法:インターネット調査
回答者年齢分布:10代(18〜19歳) 3.6%、20代 43.1%、30代 35.1%、40代 15.5%、50代以上 2.6%
スマルナ:https://smaluna.com/

(エボル)

※この記事は2023年12月08日に公開されたものです

エボル

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