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「ご指摘ください」は敬語? 正しい使い方と言い換え表現を解説【例文付き】

にほんご倶楽部

ビジネスシーンでよく見聞きする「ご指摘ください」というフレーズ。上司など目上の相手にも使用できる正しい敬語表現なのでしょうか? 今回は「ご指摘ください」の意味や使い方、言い換え表現を例文と併せて紹介します。

「ご指摘ください」というフレーズをビジネスシーンで耳にしたことはありますか?

これは何か指導してほしい時や、ミスなどがあったら言ってほしいというお願いをする時に用いられる言葉です。

しかし、このフレーズはそのまま使うと相手に対して失礼にあたってしまう可能性も。

そこで今回は、「ご指摘ください」の意味や正しい使い方を解説します。使用時に注意したいポイントや言い換え表現もまとめているので、ぜひ参考にしてください。

「ご指摘ください」の意味 とは

「ご指摘ください」とは、ミスなど何か問題があれば言ってほしいという意味合いを持つ言葉です。

してき【指摘】

[名](スル)
大切な点や注意すべきこと、欠点や過失などを具体的に取り上げて指し示すこと。「弱点を―される」

(出典:『デジタル大辞泉』小学館)

そもそも「指摘」とは、過失や欠点を指し示してもらうこと。

これを「ご~ください」の形にすることで、相手を立てながらこちらの依頼を述べる尊敬表現にできます

ビジネスシーンで「ご指摘ください」というフレーズを活用することで、自分が見落としているポイントに気づくことができ、ミスの防止につながるかもしれません。

「ご指摘ください」は敬語として使える?

「ご指摘ください」は、「指摘」という単語に敬語を加えた正しい敬語表現ですので、ビジネスシーンでも使用可能です。

しかし、「ください」が命令口調なので、言われると不快に感じる人もいるかもしれません。

そのため、普段あまり関わりのない上司や取引先の相手などに使用する際は、「お忙いところ恐縮ですが」といったクッション言葉を用いたり、「ご指摘いただけますと幸いです」のように言い換えたりするのがおすすめです。

「ご指摘ください」の使い方【例文付き】

「ご指摘ください」は、間違いや見落としがあれば教えてほしいというニュアンスを伝える時に使います。

後でミスが見つかって重大な損失にならないように、あらかじめ複数人に資料を確認してもらったり、上司に最終チェックをしてもらったりする時に役立つフレーズでしょう。

他にも、お客さまに対してスタッフの接客態度や会社の商品について何か問題がないか教えてほしいといった、消費者の意見を受け取りたい場合にも使える表現です。

直接会話する時はもちろん、ビジネスメールでも使用可能な定番フレーズですので、次の例文を元に使い方をマスターしておきましょう。

例文

「送付した資料に不足等ありましたら、お手数ですがご指摘ください

「不慣れな点がありますので、何卒ご指摘いただけますと幸いです

「何かご不明点がありましたら、ご指摘ください

「ご指摘ください」を使う時のポイント

ここからは、「ご指摘ください」を使う上で、知っておきたいポイントを紹介します。相手に失礼のないよう、言い方や使うシーンに気を付けていきましょう。

(1)目上の相手に使うのは避けるのがベター

「ご指摘ください」は命令形のため、目上の人に対しては使わないのがベター

あくまでもこちらが相手にお願いをしている立場です。「ご指摘ください」という命令口調だと、相手に強制しているような印象を与えてしまう可能性があります。

そのため、ワンクッション加えた「ご指摘いただけますと幸いです」などの柔らかい言い回しに変えると良いでしょう。

(2)「恐れ入りますが」などを文頭に付けるのがおすすめ

「ご指摘ください」は依頼の言葉であり、相手の時間を使ってもらうことを理解した上でお願いをすることが大切です。

申し訳ないという気持ちを示したい時は、「恐れ入りますが」「お手数をおかけしますが」などのクッション言葉を取り入れてみましょう

断りの言葉を最初に添えることで、ただ「ご指摘ください」と述べるよりも丁寧で、礼儀をわきまえた表現になります。

(3)具体的にどこを指摘してほしいのか伝える

「ご指摘ください」と述べる時は、どのような指摘がほしいのか、具体的に表現することが大切です。

例えば、「この資料の中でミスや変更点がありましたらご指摘ください」など、何に対する意見を求めているのかが相手にも伝わる言い回しを心掛けましょう。

「ご指摘ください」の言い換え表現

「ご指摘ください」は、そのまま使うと命令的な口調として不快に思われてしまうことも。

そこでこの言葉に代わる言い換え表現を3つ見ていきましょう。

(1)「お申し付けください」

「お申し付けください」は、何か意見があれば何なりと言ってほしいという意味が込められた言葉です。

こちらへの提案やミスの指摘だけでなく、相手からの要望を求める時に使えます

特に、お客さまに対して何かあれば遠慮なく言い付けてほしいと思っていることを丁寧に伝えたい時に使用すると良いでしょう。

(2)「お力添えください」

「お力添えください」は、協力してほしいという意味合いを示す言葉です。指摘などの注意も含め、自分や企業が実行することに対して力を貸してほしい旨を伝えられます

「ご指摘ください」と比較して柔らかい表現であり、ポジティブな印象を与えられるでしょう。

また、「今後ともお力添えください」といった形で、結びのあいさつとしても使用可能です。

(3)「ご指導ください」

分からないことを教えてほしい時は、「ご指導ください」に言い換えるのがおすすめ。

「指摘」は間違いや注意点を言ってもらうことが目的ですが、「指導」は分からないことを教えてもらうことが主になる言葉です。

慣れない作業で分からないことがあれば教えてほしいといった状況の時は、「ご指導ください」を用いると良いでしょう。

「ご指摘ください」と同じく定番のビジネスフレーズですので、使い方をマスターしておくのがおすすめです。

「ご指摘ください」はチェックをお願いしたい時に使える言葉

「ご指摘ください」は提出した資料などを確認してほしい時や、何らかの作業についてミスや注意点があれば言ってほしい時に使えるお願いの言葉です。

特に、上司や取引先など、目上の人からアドバイスをもらいたい場合に役立つ定番のフレーズともいえます。

ぜひ正しい使い方を知った上で、「ご指摘ください」という言葉を活用していきましょう。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年11月22日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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