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「おいといください」の意味とは? 使い方や類語・返事の仕方を解説

にほんご倶楽部

「おいといください」とは大和言葉の一種で、「お体をお大事にしてください」という意味があります。この言葉を使いこなせたら、ビジネスマンとしてワンランク上を目指せるかも!? 今回は、「おいといください」の意味や使い方などを解説します。

「おいといください」という言葉をご存じでしょうか。耳にするのは初めてで、どこで区切れば良いかすら分からないといった方もいるかもしれません。

ひと口に表現するならば「おいといください」は、相手の健康を願うあいさつフレーズです。

目上の人に送るメールや手紙に書き添えると、好印象を与えられる可能性があります。今回は、「おいといください」の意味と使い方、言われた時の返し方などを解説します。

「おいといください」とは?

「おいといください」とはどんな意味なのか、まずは辞書をチェックしてみましょう。

「おいといください」の意味

おいとい下さい
読み方:おいといください
いたわってください、大事にしてください、の意味。「どうぞお身体おいとい下さい」のように、相手の健康を祈る結びの挨拶などで用いる。「おいとい」は「厭う」の意味だが、嫌うという解釈とは異なる。

出典:『実用日本語表現辞典』

「おいといください」は、一言でいえば「お体をお大事にしてください」という意味です。「厭う(いとう)」という動詞に、敬語表現にした補助動詞の「お~ください」を組み合わせています。

「厭う」と書くと「嫌う」「嫌がる」といったイメージが強く、何となくマイナスの意味に捉えてしまうかもしれません。しかし、実際のところは違った意味があることが辞書を見ると分かります。

いと・う〔いとふ〕【×厭う】
1 嫌って避ける。嫌がる。「団体行動を―・う」「どんな苦労も―・わない」
2 かばう。大事にする。いたわる。現代では多く健康についていう。「おからだをお―・いください」
「元より惣八、門之進を―・ひけるより」〈浮・懐硯・二〉
3 (多く「世をいとう」の形で)世俗を嫌って離れる。出家する。
「世の憂きにつけて―・ふは」〈源・夕霧〉
4 危険や障害などを避ける。しのぐ。
「霜雪の寒苦を―・ふに心なし」〈笈の小文〉

出典:(『デジタル大辞泉』小学館)

「厭う」には1の「嫌って避ける」といった他に、2のように「大事にする」「いたわる」といった意味があることが分かりました。

1と2は対極の意味を持つようにも思えますが、1の使われ方として「苦労を厭わない」と打消しの表現も一般的です。あながち後ろ向きの言葉とも言いきれないでしょう。

「おいといください」の正しい表記

「おいといください」とひらがなで書くのも、「お厭いください」と漢字で書くのも、どちらも正解です。

しかし、「厭う」は読みにくい上、「厭う=嫌う」といったネガティブなイメージを持つ人もいるため、ひらがな表記の方が伝わりやすいと言えます。また、心配りのフレーズであることから、響きの柔らかさを優先しましょう。

▶次のページでは、「おいといください」の使い方を例文と共にご紹介します。

次ページ:「おいといください」の使い方

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