節分とは? 豆まきのやり方や節分の食べ物も紹介
地域によって異なる節分の風習
節分の行事としては豆まきが全国的に浸透していますが、地域によっては豆まきの掛け声が異なったり、豆以外の物をまいたりすることもあるようです。地域によって節分の風習にどのような特徴があるのか、一部ではありますが紹介します。
(1)鬼を追い払うのではなく招き入れる
群馬県の鬼石地域では「福は内、鬼は内」が節分の掛け声となっています。
この地域には「鬼が投げた石で町ができた」という言い伝えがあり、「良い鬼もいる」という考えから、鬼を招き入れているのです。
また、紀伊半島・伊勢志摩半島では、昔地域を納めていた領主の名前が「九鬼(くき)」だったため、「鬼は外」と言えませんでした。そのため、節分では「鬼は内、福は内」と唱えるようになったといわれています。
(2)豆ではなく落花生をまく
北海道や東北、信越地方など雪の多い地域では、大豆ではなく落花生をまくケースがあります。雪が積もっているところに大豆をまくと見つけにくく掃除が大変ですが、殻に入ったままの落花生なら大きくてすぐに見つかるから、といわれています。
また、雪の多さに関係なく、九州や広島といった落花生の産地周辺では、生産量の多さから落花生を用いる場合が多いようです。
(3)けんちん汁を食べる
けんちん汁とは、根菜やこんにゃく、豆腐などを炒めてしょうゆベースの味をつけた汁物のこと。節分にけんちん汁を食べる習慣は、主に関東地方で見られます。
けんちん汁は、2月最初の午(うま)の日に行われる稲荷神社のお祭りで振る舞われており、同じく寒い時期の節分にも食べられるようになったようです。
(4)豆を使って天気を占う
豆を使って次の年の天気を占う地域もあります。これは岡山や佐渡などの風習で、まず豆を炉の灰の上に12個並べます。
それぞれの豆に1月、2月……と月を割り当て、「豆が白くなったら晴れ」「黒く焦げたら雨」「転がって落ちたら強風」といったように、天気を占います。
(5)こんにゃくを食べて体の中の邪気を追い払う
体の中の毒素を追い出す「砂おろし」という習慣が残っている地域も。
砂おろしとは四国地方に多く見られる風習で、節分にこんにゃくを食べること。節分は邪気を払うものなので、それと同じように体の中の悪いものを出すためにこんにゃくを食べるようになったようです。
(6)豆まきをしない
沖縄県は1945~1972年の間アメリカに統治されていたこともあり、本州と異なる文化が根づいています。節分についても本州と異なり、沖縄には豆まきの文化がほぼありません。
ただし、幼稚園や保育園などでは、日本の文化を学ぶために豆まきを行うところもあるようです。
節分の由来を知って春を迎えよう
今回は、節分の由来をはじめ、豆まきのやり方や地域別の風習などについて解説しました。節分の由来や各地の風習を知ることで、節分という行事を身近に感じられるようになったはず。
「季節を分ける」と書いて節分です。節分が過ぎると、春が訪れるといえるでしょう。節分の日には豆まきで邪気を払い、春を迎えてくださいね。
(律)
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※この記事は2023年11月14日に公開されたものです