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「ご連絡ください」は敬語? 正しい使い方と言い換え表現を解説【例文付き】

にほんご倶楽部

ビジネスシーンでよく見聞きする「ご連絡ください」というフレーズ。上司など目上の相手にも使用できる正しい敬語表現なのでしょうか? 今回は「ご連絡ください」の意味や使い方、言い換え表現を例文と併せて紹介します。

「ご連絡ください」は、ビジネスシーンで相手から連絡が欲しい時に用いるフレーズで、使用頻度の高い言葉です。

しかし、上司やお客さまに使っても良いのか、適切な表現なのか不安になる人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「ご連絡ください」の意味やシーン別の使い方、例文、言い換え表現などについて解説します。ぜひ参考にしてください。

「ご連絡ください」の意味とは

ビジネスシーンで頻繁に使用される「ご連絡ください」とは、相手の気持ちや考え、情報などを知らせてほしい時に用いる言葉です。

まずは、「ご連絡ください」の意味について、詳しく見ていきましょう。

れんらく【連絡】
[名](スル)

(1)関連があること。「一見何の—もない二つの事件」

(2)気持ちや考えなどを知らせること。情報などを互いに知らせること。また、その通知。「—をとる」「本部に—する」

(出典:『デジタル大辞泉』小学館)

つまり、「連絡」とは、関係がある人に気持ちや考え、情報などを知らせること

これを「ご連絡ください」という「ご~ください」の形にすることで、相手を立てながらこちらの依頼を述べる尊敬表現にすることができます。

「ご連絡ください」は目上の人にも使える敬語表現?

「ご連絡ください」は正しい敬語表現ですが、「ください」が命令口調なので、言われると不快に感じる人もいるかもしれません。

そのため、普段あまり関わりのない上司や取引先の相手などに使用する際は、「お忙いところ恐縮ですが」といったクッション言葉を用いたり、「ご連絡お願いします」のように言い換えたりするのがおすすめです。

「ご連絡ください」の使い方【例文付き】

次に、「ご連絡ください」のシーン別の使い方と例文を紹介します。

(1)親しい上司や同僚などに使用する場合

「ご連絡ください」は命令口調とはいえ、正しい敬語表現です。

そのため、親しい上司や同僚など、比較的距離が近い相手に対しては、そのまま使用しても問題ないでしょう。

例文

「新商品に関して質問のある方は、企画部までご連絡ください」

「日程の変更などありましたら、ご連絡ください」

(2)普段関わりが少ない上司や取引先の相手に使用する場合

普段あまり関わりがない上司や取引先、お客さまなどに対して「ご連絡ください」使用する際は、少し表現を変えるのがおすすめです。

例えば、命令口調になっている「ください」を、「いただく」や「お待ちしております」に言い換えると良いでしょう。

例文

「ご多忙の中、大変恐縮ではございますが、ご連絡いただけると幸いです」

「○月〇日が期限です。ご連絡お待ちしております」

(3)丁寧な印象にしたい場合

「ご連絡ください」という表現をそのまま使用して、少し偉そうな印象や不快感を与えることを避けたい時は「クッション言葉」を活用するのがおすすめ

クッション言葉とは、「お忙いところ恐縮ですが」や「ご迷惑をお掛けしますが」など、内容を柔らかく伝えるための前置きの言葉です。

また、状況に応じて「ください」の部分を、「お願いします」や「いただく」に言い換えるとより丁寧な印象になるでしょう。

例文

「お忙しいところ恐縮ですが、ご連絡ください」

「ご多忙の中、お手数を掛けしますが、ご連絡お願いします」

「ご迷惑をお掛けしますが、ご連絡いただけると幸いです」

「ご連絡ください」を使う時の注意点

「ご連絡ください」は相手に情報を求める際に使われ、ビジネスシーンにおいて非常に便利な言葉です。

しかし、使用する上ではいくつかの注意点がありますので、きちんと覚えておきましょう。

(1)普段あまり関わりがない相手にはなるべく使用しない

「ご連絡ください」は命令形のため、普段あまり関わりがない上司や取引先、お客さまなどに使うのは避けるのがベター

このフレーズを使用したい時は、クッション言葉を用いたり、「ください」の部分を「お願いします」や「いただけると幸いです」などに言い換えたりするのがおすすめです。

(2)「下さい」ではなく「ください」が好ましい

「ご連絡ください」の「ください」は、漢字ではなくひらがな表記にするのが好ましいでしょう。

「下さい」は何か物をもらいたい時に使う動詞ですが、「ください」は何かをしてほしい時に用いる補助動詞です。

そのため、「ご連絡ください」という表記にした方が適切な表現といえます。

(3)急いで連絡が欲しい時には期日も伝える

ビジネスシーンで連絡を求める際は、期日が決まっていることも多いでしょう。

しかし、「ご連絡ください」だけでは、いつまでに対応すれば良いのか分からず後回しにされてしまうかもしれません。

そのため、急ぎである場合は期日を伝えるとともに、その理由も添えるとより丁寧な印象になるでしょう。

「ご連絡ください」の言い換え表現

「ご連絡ください」は、他の表現でも言い換えることができます。シーンに適した言葉を使えるように覚えておくと役立つでしょう。

(1)「ご一報ください」

小さなことでも良いので、その都度連絡が欲しい時などに使用できるのが「ご一報ください」というフレーズです。

「一報」とは、「簡単でも良いので、とりあえず知らせる」という意味があります。変更があった場合など、なるべく迅速に連絡をもらいたいシーンに好適でしょう。

(2)「お知らせください」

「ご連絡ください」より多方面で活用できる表現が「お知らせください」です。このフレーズには、「連絡してほしい」という意味と「教えてほしい」という2つの意味があります。

「〇〇をお知らせください」や「〇〇についてお知らせください」とすると、相手から連絡をもらうとともに、教えを乞うことができるでしょう。

(3)「お申し付けください」

「ご連絡ください」よりも丁寧な表現を用いたい時は、「お申し付けください」と言い換えるのがおすすめ。

「申し付ける」とは「命令する」「指示する」などの意味です。「お申し付けください」とすることで、自分に対して命令や指示を促す形になります。

「ご連絡ください」は相手の状況を知りたい時に使える言葉

「ご連絡ください」は、自分以外の相手に対して気持ちや考え、情報などを知らせてほしい時に用いるフレーズです。

ただし、普段あまり関わりのない上司やお客さまに使用するには、やや丁寧さに欠ける表現ともいえます。

そのため、相手を不快にさせないように、「ください」を「お待ちしております」などに言い換えたり、クッション言葉を活用したりして、状況に応じた使い方を覚えておきましょう。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年11月13日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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