「くださりました」「くださいました」の違いとは。どっちが正しいかを解説
「くださりました」「くださいました」をビジネスで使う時の使い方と例文
「くださりました」「くださいました」を使う場合、「何をしてもらったか」を追加して伝えます。
例文
・「ご多忙中にもかかわらず、お越しくださいました」
・「当社製品をご購入くださいましたことを、感謝申し上げます」
※この例文の「くださいました」は「くださりました」に置き換えて使っても問題ありません。
使う時の注意点は2つ。
前述した通り、主語が相手の場合にのみ使用可能です。
また、「くださりました」と「くださいました」はどちらを使っても問題ありませんが、メールなどの同じ文章内の中では、どちらかに統一する必要があります。
ちなみに、ビジネスメールや手紙などの文章で伝える際は、平仮名で記すのが一般的です。
「くださりました」「くださいました」の類語
次にこのフレーズの類似表現について紹介します。
似た言葉ではありますが、微妙なニュアンスの差や使用する場面の違いなどがあります。しっかり頭に入れて、使い分けられるようになるといいですね。
(1)「いただく」
まず先ほども説明した「もらう」の謙譲語である「いただく」です。「くださる」同様、相手に「何かをしてもらった」「何かをもらった」という意味で使えます。
また他にも「飲む」「食う」の謙譲語でもありますので、食事が関連する場面でも使用できるのが特徴です。
例えば取引先や目上の人との会食の際に、「もう充分にいただきました。ごちそうさまでした」のように、相手を敬う気持ちを込めて使用することができます。
(2)「賜る」
「賜る」も「もらう」を意味する謙譲語です。「賜る」は目上の人に何かをしてもらった時に使う言葉。物をもらった時だけでなく厚意をいただいた時の言葉として使用することが多いですね。
「ご指導、お力添えを賜り、感謝いたします」「ご愛顧賜りました」のようなフレーズを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかしとても丁寧な表現である一方、堅苦しい印象を与える言葉でもあるため、使用する相手や場面には注意が必要。近しい間柄の相手には使わない方がベターです。
(3)「頂戴」
こちらも「いただく」同様に、物をもらったり、もらって飲食したりする意味があるフレーズです。「頂戴」は「もらう」の謙譲語であり、相手に対して「もらう」という行為をへりくだって伝えることができます。
「物」だけでなく、相手に時間をつくってほしい時「お時間を頂戴できますか?」「お時間を頂戴し、ありがとうございます」のような使い方もできます。
「くださりました」「くださいました」はどちらも正しい日本語!
「くださりました」と「くださいました」に意味の違いはなく、どちらも正しい日本語だということを紹介しました。
また、「もらう」を意味する表現には、さまざまな言葉があります。他の類似表現との違いを意識して使ってくださいね。
(にほんご倶楽部)
※画像はイメージです
※この記事は2023年10月18日に公開されたものです