お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

「併せて」と「合わせて」の違いとは? 意味と使い方(例文つき)

にほんご倶楽部

「併せて」と「合わせて」を正しく使い分けできていますか? 違いを理解して、ビジネスシーンでしっかり使用したいもの。この記事では、それぞれの意味と使い方、例文を紹介します。

ビジネスシーンで「併せて」と「合わせて」の使い分けに迷うことはありませんか? 無難に平仮名で記すのも手ですが、ニュアンスや使い方の違いは理解しておきたいもの。

この記事では、「併せて」と「合わせて」の意味と使い方を紹介。例文と共にチェックしてみてください。

「併せて」と「合わせて」の違い

「併せて」と「合わせて」は、どちらも「複数あるものをひとまとめにする」という意味があります。

あわせ‐て〔あはせ‐〕【合(わ)せて/併せて】 の解説
[連語]

1(副詞的に用いて)総計して。全部で。「参加者は―五〇〇名」

2(接続詞的に用いて)その上さらに。同時に。「新年のおよろこびを申し上げ、―皆様の御健康をお祈りいたします」
しかし、決定的に違うのは、基準になるものがあるかどうかです。

(『デジタル大辞泉』小学館)

しかし、ニュアンスに多少の違いがあります。

「併せて」は「並行して」「同時に」

「併せて」は、「並行して」という副詞で用いる場合と、「同時に」という接続詞として用いる場合があります。

例えば「○○と併せて○○のご確認もお願い致します」といった使い方です。

つまり「併せて」は、2つ以上の事柄を一緒に行うというようなニュアンスを持ちます。

「合わせて」は「ひとまとめにする」

「合わせて」は、「複数あるものを合計する」「一体化する」という意味で使います。

例えば「AさんとBさんのスケジュールを合わせる」や「○○と○○の結果を合わせると……」といった使い方です。

つまり「合わせて」は2つ以上の事柄をまとめる、一致させるというようなニュアンスを持ちます。

「併せて」の使い方と例文

「併せて」は前述のとおり、異なる2つ以上のものを並行して(同時に)一緒にする場合に使います。

例えばビジネスシーンでは、依頼されていた資料の確認と並行して、別の資料の確認もしてほしい時など。

また複数の提案がある中で、追加案もひっくるめて検討してほしい時などに「併せて」を使いましょう。

例文

・先日お送りした資料と併せてご確認ください。

・以上、併せてご検討いただけますでしょうか?

「併せて」の類語

「併せて」にはどんな類語があるのでしょうか?

(1)「共に」

「一緒に」「同時に」という意味で使う場合、「共に」という言葉に言い換えられるでしょう。

とも‐に【共に/×倶に】
読み方:ともに

[連語]

1 一緒にあることをするさま。また、そろって同じ状態であるさま。「父と—行く」「私も兄も—健康だ」

2 あることに伴って、別のことが同時に起こるさま。「雪解けと—草木が芽吹く」

(『デジタル大辞泉』小学館)

「一緒に行う」という表現の他、「複数のことが同時に起こる」ことを表したい時にも使えます。

(2)「加えて」

「さらに」というような接続詞的な意味を示したいなら、「加えて」を使うこともできます。

くわ・える〔くはへる〕【加える】 の解説
[動ア下一][文]くは・ふ[ハ下二]

1 今まであるものに、さらに他のものを添えて合わせる。現在あるものの上に付け足す。また、そのようにして数量や度合いを増す。「だし汁を―・える」「規約に一項を―・える」「列車が速度を―・える」

2 同じことをする人の集まりに含める。仲間に入れる。「一行に―・える」「役員に―・える」

3 ある作用を他におよぼす。影響を与える。「危害を―・える」「一撃を―・える」「手心を―・える」「説明を―・える」

4 あるものを付ける。載せる。

「それに判を―・へよ」〈今昔・三一・二四〉

(『デジタル大辞泉』小学館)

「加えて」は「あるものに新しい要素をプラスする」といった意味合いを表現できます。

ややかしこまった言い回しのため、もう少し柔らかいニュアンスで伝えたい場合は、文脈次第で「さらに」と言い換えるのもおすすめです。

「合わせて」の使い方と例文

「合わせて」は、「合計する」「とある基準に一致させる」というニュアンスで使用します。

ビジネスシーンでは、スケジュールを合わせる、力を合わせる、金額を合わせるといったシーンで活躍する言葉です。

例文

・難しい目標ではありますが、力を合わせて乗り切りましょう。

・半年間の売上金額を合わせると、昨年比120%の着地見込みです。

「併せて」と「合わせて」を正しく使い分けよう

「併せて」と「合わせて」は、「ひとまとめにする」という同じ意味を持ちますが、若干ニュアンスが異なる言葉です。

シーンに応じて正しく使い分けることで、よりスマートなビジネス表現となるはず。ぜひ今回の記事を参考にしてみてくださいね。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年05月26日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

この著者の記事一覧 

SHARE