「ご都合がよろしければ」の使い方は? 言い換え表現も紹介(例文つき)
「ご都合がよろしければ」を使う時の注意点
間違った使い方をしてしまわないため、「ご都合がよろしければ」を使う際、気をつけるべき注意点を覚えておきましょう。
(1)断られたくない時は別の表現を使う
「ご都合がよろしければ」には、「自分の都合を優先しつつ、こちらの誘い・要望に応えるか否かの判断をしてください」というニュアンスがあります。
相手の都合を優先した誘い方なので、断られる可能性がなくはありません。参加が必須の会議などに呼ぶ際など、断られると困る際は使わないようにしましょう。
もし参加してほしいなら、以下のように依頼することができます。
例文
・「恐れ入りますが、ご参加くださいませ」
・「お忙しいところ恐縮ではございますが、ご参加くださいませ」
これらの文言なら、貴重な時間を割いて参加してもらうことへの感謝と、恐れ多い気持ちを表現できます。
(2)相手により使い方を変える
「ご都合がよろしければ」は、社内の人に使うには丁寧すぎると捉えられる場合もあります。
身近な上司などに使うのであれば、「ご都合がよろしければ」の「ご」はつけず、「都合がよろしければ」に言い換えても良いでしょう。
「ご都合がよろしければ」の言い換え表現(例文つき)
最後に、「ご都合がよろしければ」の言い換え表現を紹介します。
(1)「差し支えなければ」
辞書によると、「差し支え」とは以下のような意味です。
さし‐つかえ〔‐つかへ〕【差(し)支え】
都合の悪い事情。支障。差し障り。「―があって行けない」「日常生活には―ありません」(『デジタル大辞泉』小学館)
つまり「差し支えなければ」は「都合の悪い事情がなければ」という意味であり、相手の都合を優先して判断してもらいたい旨を伝えるのに使える言葉です。
例文
・「差し支えなければ、こちらにお名前とご住所をご記入いただけますでしょうか」
・「差し支えなければ、簡単に自己紹介していただいてよろしいでしょうか」
(2)「ご面倒でなければ」
「ご面倒でなければ」は、相手に負担や手間が掛かることを気遣いつつ、お願いする時に使える文言です。
自分が依頼することで相手に負担を掛けてしまう場合に一言添えると、良好な関係を保ちやすくなるでしょう。
例文
・「ご面倒でなければ、ぜひ次の集まりにもご参加いただけますと幸いです」
・「ご面倒でなければ、アンケートへのご協力をお願いいたします」
(3)「不都合でなければ」
ニュアンスとしては、「ご都合がよろしければ」とほぼ同じで、相手の都合をうかがう表現です。
「不都合でなければ」も、断ってほしくない場合は使わない方が無難でしょう。
例文
・「もし不都合でなければ、この後メールでデータをお送りしてよろしいでしょうか」
・「不都合でなければ、ぜひ一度対面でごあいさつをしたいのですが、よろしいでしょうか」
(4)「可能であれば」
「可能であれば」は、「難しいかもしれないけれど、〜してもらえると助かる」といったニュアンスを込めて使えます。「可能であれば〜していただけますと幸いです」の形で使われることが多いです。
この表現を使えば、相手へ「無理強いはしていないけれど、受けてくれるとうれしい」という気持ちを伝えられるでしょう。
例文
・「可能であれば、先ほどの資料をお送りいただけますと幸いです」
・「可能であれば、今週中にご確認いただけますと幸いです」
「ご都合がよろしければ」は相手を尊重する時に使える言葉
「ご都合がよろしければ」を使うと、相手を尊重する気持ちが伝わります。また、相手に判断をゆだねながらも、何かをお願いする時に便利です。
一方、本当に断られては困る場合には使わない方が良い、という注意点も。
これらを踏まえ、「ご都合がよろしければ」やその類語をビジネスシーンで活用してください。
(にほんご倶楽部)
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※この記事は2023年01月17日に公開されたものです