【第二回】将来、結婚した相手が不倫したらどうすればいい?
10代や20代前半の頃はドラマや漫画の中の話だった「不倫」が、年を重ねるにつれて身近なところで話を聞く機会があったり、友人が不倫していたりと、本当にあるんだ! と実感することが増えていきませんか? でも、実際に不倫をしたらどうなるのか……その行く末までを聞いた事がある人は少ないかもしれません。今回は弁護士の濵門俊也先生に、不倫について気になる事柄をインタビュー。全3回でお届けします。
裁判中の和解について
裁判官が提案してくる和解について、どう考えれば良いでしょうか。
基本的には、裁判所の心証とか雰囲気を代理人である弁護士が感じ取らないとダメです。事案によりますが、勝ち筋・負け筋はあるので。
証拠が弱いために請求した額通りには取れないと分かったら、ここで手を打つのが正解と。
ゼロじゃないだけマシですよ、というのもあるだろうし。もちろん気持ちの問題もあります。気持ちがついてこない場合、和解は無理ですよね。こんなのではやった意味がない、ということになりますから。
たしかに。和解を蹴ったほうが良いケースはありますか?
この手の事案で和解に応じないという手は無いと思うのです。請求する側からして、減額はされるかもしれないけれど、任意で支払ってくれる可能性が高い。つまり、自分の意思で払ってくれる可能性が高いと言えます。
判決とは別で。
確定判決がもらえると強制執行ができるのですが、相手方の財産を探さないといけないとか、勤務先に給与債権を差し押さえたりとかしないといけないので、大変です。債権回収という観点からいくと、和解はメリットが多い。
なるほど。「請求した額じゃないからイヤ」と意固地になって和解を蹴るのは良い手ではなくて、ここで飲んでおくほうが最終的に得をするよ、という。
先ほども言った、裁判所の心証とか雰囲気とかが大事ですけどね。
和解を蹴ったことで余計に悪い条件になることはありますか?
判決はブラックボックスなので、いくら認めてもらえるか分からないのです。和解の時にある程度は裁判所の心証というのを開示してくれるから、だいたい判決になってもこれくらいかなと予想は立つのですが。
そういう感覚は、弁護士じゃないと分かりませんよね……。
その匙加減は現場の感覚ですよね。素直に従えとまでは言わないけれど、「飲んだほうが良いのではないですか」とは伝えますね。
結局、この事案は気持ちの問題なのですよ。納得できるかとか、許せるかとか、そういう話になってくるので。
たしかに。裁判って長いですよね、すごいストレスを抱えると思うのですが。
そうでしょうね。相手に煮え切らない態度だとか取られると「何なんだあいつは」とか思いますよね。そんなことをしておいていまだに否認するのかって事案がほとんどで。
そもそもそういう場合って、大抵、相手の人間性が良くない気が……。
人間としてはゲスの極みですよね(笑)。
ゲスの極み……。たしかにそうですね。