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承認欲求が強い人の特徴と対処法【心理カウンセラーが解説】

笹氣健治(心理カウンセラー)

承認欲求への対処法

最後に、承認欲求が強くなっている時の対処法として、簡単で有効な取り組みを2つ紹介したいと思います。

これから紹介するのは、カウンセリングでも行われることがあるイメージワークで、無意識を活性化して本質的な部分に気づくための取り組みです。

承認欲求は無意識で起きているものなので、考え方を意識的に変えようとしても、なかなか効果が出ないことも多いです。

それに対して、イメージワークは無意識に刺激を与えることでの効果が期待できます。

特に、先ほど述べた3つのデメリットが当てはまっていると思われた方は、ぜひ試してみてください。

(1)自分自身をねぎらう

まずは軽い瞑想状態をつくります。

ソファに楽な姿勢で座るか、布団に仰向けに寝転んで、目を閉じてゆっくり深呼吸を繰り返します。

鼻から大きく息を吸い込みながらお腹を膨らませ、十分に膨らんだら、唇を少し開けて細く長く息を前方に吐き出します。

これを5~6回繰り返すと、全身の力が抜けて楽な気持ちになっていきます。

そうしたら、自分自身にねぎらいの言葉を掛けてみてください。「私はよくやっている」と。

なかなか結果が出なくても、周りから認めてもらえることが少なくても、一生懸命に努力を続けている自分。

その頑張りをよく分かっている自分が自分をねぎらうことで、少し救われた感覚になっていることに気づけるかもしれません。

そうやって、また頑張ってみようかなと思えたら、それはとても素晴らしいことです。

頑張りすぎている自分に気づいた時や、夜に眠りにつく前などにやってみてください。

(2)周りの人の笑顔を想像する

これも軽い瞑想状態で行います。1つ目の対処法と同様に、深呼吸をしながら楽な状態をつくります。

そして、目を閉じたままで、自分の頑張りを分かってほしい人の顔を思い浮かべてください。

家族の誰かかもしれませんし、友人もしくは職場の上司や同僚かもしれません。あるいは、常連のお客さまや、取引先の担当者の顔が浮かんでくるかもしれません。

次に、その人がうれしそうに優しくほほ笑みかけてくれる顔をイメージします。

イメージの中のその人が「いつもよく頑張ってくれてるよね」「ありがとう」といった言葉を掛けてくれるかもしれません。

そのとき感じる心地良さを十分に味わいながら、今度は逆に、「いつもありがとう」と、感謝の言葉を返してみましょう。

その言葉を聞いた相手の人が、またほほ笑み返してくれるかもしれません。

もしかすると、感謝の言葉ではなく、「ごめんなさい」といった言葉の方がふさわしいと感じる場合があるかもしれません。「ごめんなさい」と相手に伝えながら、もし涙が出てきたら、その感情を押さえずに、今の感覚を十分に味わってください。

こうやってイメージの中の対話を通して、何か大切なことに気づくかもしれませんし、後になってから大切な何かに気づくかもしれません。

最後は、このような貴重な体験ができる自分の心の豊かさに感謝して、この取り組みを終えます。

自分を認めて承認欲求とうまく付き合うことが大切

承認欲求が強い人は、成功に向けて努力する意識が高い一方で、なかなか結果が出ない状態が続くと精神的に参ってしまう可能性があるので、注意が必要です。

大切なのは、自分の承認欲求とうまく付き合うこと。

理想を高く持ちつつ、自分を信じて着実に一歩ずつ前進するように行動していけば、結果はついてくるはずです。

(笹氣健治)

※画像はイメージです

※この記事は2021年10月25日に公開されたものです

笹氣健治(心理カウンセラー) (心理カウンセラー)

メンタルトレーナー・心理カウンセラー
1967年生まれ。国際基督教大学を卒業後、NTT(東京支社)に入社。その後、地元の仙台に戻り、スポーツクラブ「グラン・スポール」の経営に携わる。企業を経営する上で人間心理を理解する必要性を痛感して心理カウンセリングを学び、現在は、ストレスやコミュニケーション問題の解消をテーマにした講演やカウンセリング、目標達成のためのメンタルトレーニングを行っている。『「やる気」のある自分に出会える本』(スリーエーネットワーク)、『仕事の悩みを引きずらない技術』(PHP研究所)など、著書19冊。

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