カタルシスの意味とは? 日常での使い方をわかりやすく紹介
「カタルシス」の語源と歴史
元々の「浄化」「排泄」といった意味から、精神的な「心の浄化」として一般的に広まり現代で使われるようになったのはなぜでしょうか?
以下では語源や歴史、一般に広がった経緯をくわしく解説します。
語源はギリシャ語
ギリシャ語では「katharsis」と書きます。その内の「kathar」は「穢れや不浄を清める儀礼」を意味しており、「不浄や良くないネガティブなものを清めてスッキリとした精神状態にすること」を表します。
ちなみに英語では「catharsis」と書きます。
宗教団体では「魂の浄化」の意味で使用されていた
古代ギリシャにおける宗教団体のオルペウス教やピタゴラス教団などでは「罪からの魂の浄化」という意味で使用されていたようです。
アリストテレスが「精神の浄化効果」として説明
前述したとおり、語源をたどると最初は宗教などで使われていた専門的な用語だったのです。では、なぜ「メンタル面での浄化」といった認識で一般の間でも用いられるようになったのでしょうか?
実は、哲学者のアリストテレスが「演劇学用語」で使ったことが始まりでした。
アリストテレスは自身の著書「詩学」の中で「人は悲劇を見ている時に生まれる恐れや憐みを感じることで、無意識に心の奥底に抑え込まれていた同様な感情が解放して、心が清められる」と表しました。
その「詩学」がきっかけとなり「メンタル面がスッキリした様子」といった意味で用いられるようになったのです。
医学用語や精神分析の場面でも使用
また、「カタルシス」は古代ギリシャの医学用語でもありました。薬を飲ませて嘔吐させたり、下痢にしたりして腸内の便の排出を促す治療を指す言葉だったのです。
その他、精神科医のフロイトも心理学の用語として使っていました。当時行っていた催眠療法と合わせて「悲しく痛ましい話を聞いて涙する療法」によって、精神的に解放される様子を指しています。
これは現代でも心理学やカウンセリングの場面で「カタルシス効果」として使われています。