エビデンスとは。どんな意味&使い方を業界別に簡単に解説
「エビデンス」の意味と使い方
エビデンスという言葉は、日常会話で使われるほどには、まだ日本語として定着していないように思います。日常会話で「その話のエビデンスは?」と尋ねられても、違和感を抱く人の方が多いでしょう。
エビデンスが使われるのは、主に仕事関連や社会生活の公的な場面です。ここでは「エビデンス」を使用することが多い「医療」「ビジネス」「法律」「IT」「金融」「コールセンター」に分けて、意味と使い方を説明します。
医療現場での意味と使い方
前述した通り、医療現場では、治療法や薬が「ふさわしいと判断できる証拠」という意味で、「エビデンス」が使われます。
例文
・新薬の開発過程では、エビデンスを積み重ねていくことが重要である。
・新しいワクチンの有効期間に関するエビデンスはまだ存在しない。
ビジネスシーンでの意味と使い方
ビジネス分野ではプレゼンテーションや商談の場で、「自分(自社)の主張の裏付けとなる客観的な証拠や統計」などを指して、エビデンスが使われます。
例文
・エビデンスに基づく報告書の作成を行います。
・「その提案に関してはもう少しエビデンスが欲しいな」
法律分野での意味と使い方
法律分野ではEBPM(エビデンスに基づく政策立案)という言葉が2010年代後半に登場し、エビデンスが使われる機会が増えています。
「これまで~だったから」「こんなことがあったから」という理由で政策を決めるのではなく、「明確な証拠や根拠」に基づいて政策を立案しましょう、という考え方がEBPMです。
例文
・法整備に必要なエビデンスを収集する必要がある。
・エビデンスを重視して法律の立案に当たる。
IT分野での意味と使い方
システム開発などのIT分野でもエビデンスは使われています。IT分野では、ソフトウェアやシステムを開発するプロセスで、「正しく動作している証明や不具合が起こった証拠としてのデータや報告書、画像」などをエビデンスと呼びます。
例文
・テスト報告書にエビデンスとして画像を添付した。
・エビデンスとしてテストデータとソースコードを残してください。
金融での意味と使い方
銀行などの金融機関でエビデンスという場合、証拠や根拠から意味を転じて「金融資産情報、具体的には預貯金や株式などの資産」という意味になります。
例文
・金融機関がエビデンスの提示を求めた。
・資金計画を組む場合には、一定額以上のエビデンスの保有が必要である。
コールセンターで意味と使い方
電話対応業務を担当するコールセンターでもエビデンスという言葉を使います。コールセンターではトラブル防止のために電話を録音しますが、この「音声データ」をエビデンスと呼びます。
例文
・お客様とのトラブルをエビデンスとして残しておくことで回避する。
・今回のクレームに対してエビデンスを開示する。