お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

「言い得て妙」の意味や使い方とは? 例文・類語を解説

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師)

「言い得て妙」という言葉を知っていますか? 「実にうまく言い表せているさま」という意味の慣用句です。第三者を褒める際に使う言葉ですが、目上の人にも使用して良いのでしょうか? 今回はライティングコーチの前田めぐるさんに、「言い得て妙」の使い方や例文を解説してもらいます。

「言い得て妙」とは、「うまく言い表せていて素晴らしい」という意味の慣用句です。

世の中には、物事を実にうまく言葉で表現できる人がいますよね。簡単にまねのできないくらい的確に言い当てる人を見ると、つい出てくるのが「言い得て妙」です。

褒め言葉なので言われたらうれしいはずですが、果たして目上の人にも使えるものでしょうか? 今回は「言い得て妙」の意味や使い方、例文などを解説します。

「言い得て妙」の意味とは?

「言い得て妙」とは、「言う」「得る」「て」「妙」をつないでできた慣用句で、辞書を引くと次のような説明があります。

言い得て妙
実にうまく言い当てているさま。
(『広辞苑 第七版』岩波書店)

この場合の「言う」は「心に思うことを言葉に出す。言葉で表現する」という意味で、「得る」は動詞の連用形に付いて「~できる」という意味です。「て」は「原因・結果」へとつなぐ接続助詞です。

つまり、「言い得る」とは、「言うことができている」から転じて「うまく言い当てている。上手に表現できている」という意味です。

では、「妙」はどうでしょう。

みょう【妙】
(1)いうにいわれぬほど、すぐれていること。はなはだ巧みなこと。美しいこと。
(2)不思議なこと。普通でないこと。
(3)少女。
(4)(近世の流行語)すばらしいさま。すてきなさま。
(『広辞苑 第七版』岩波書店)

「言い得て妙」の「妙」は、(1)の「いうにいわれぬほど、すぐれていること」という意味です。

つまり、「変、奇妙」の「妙」ではなく、「妙味」「絶妙」「妙案」と使う時の「妙」です。

「言い得て」の後に「妙」を続けた「言い得て妙」は、「上手に表現できていて、言うに言われぬほど、優れている」という意味だと捉えられます。

もっと分かりやすく言えば、「言い得て妙」とは、相手や第三者が言った言葉に対して使うもので、「実にうまく言い当てていて、まねのできないほど素晴らしい」という意味です。

次ページ:目上の人に「言い得て妙」と言うのは避けた方が良い

SHARE