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ニキビの種類と見分け方とは。できる場所ごとの悪化の原因と正しい治し方

横井彩(皮膚科学会認定専門医・医学博士)

ニキビの治し方

ニキビができたらどうすればいいのでしょうか。悪化すると痕として残りやすい皮膚トラブルであるため、早い段階で積極的な対処をしたいものです。ここからは、ニキビを治すにはまずどうすればよいか、日常生活でできるケアにはどのようなものがあるかを紹介します。

ニキビ治療の第一選択肢は皮膚科へ行くこと

ニキビができたら市販薬でどうにかしたいと思う人が多いようですが、おすすめは皮膚科を受診することです。

ニキビ(尋常性痤瘡)治療では、今できているニキビを治す「急性期の治療」と、よくなった後も再発を防ぐために続ける「維持期の治療」と、両方の治療を組み合わせて行うことが重要です。

ニキビの初期段階である面皰を改善する薬から炎症を引き起こすアクネ菌を抑える抗生物質まで、医療機関で処方される薬の選択肢はどんどん増えており、ニキビの段階に合わせた治療が行われるようになってきました。

これらの治療は保険適用で受けられるので、早い段階で皮膚科へ行くことをおすすめします。

お家でできる正しいケアとは

ニキビができたら皮膚科を受診するとして、自宅での洗顔やメイクなどはどうすればいいのでしょうか。

(1)洗顔は1日2回がおすすめ

ニキビの対処法といえば顔を洗うことと考える人が多いでしょう。これは間違いではありません。ニキビに対する洗顔のメリットは、余分な皮脂を取り除くことにあります。

余分な皮脂はニキビの原因菌を増殖させてしまう可能性があるため、洗顔である程度取り除くのがよいのです。ただし、洗いすぎはかえって肌を傷つけることもありますので、1日に2回の洗顔をおすすめします。

また、オイルクレンジングがニキビに悪いといわれていましたが、オイルクレンジング自体はニキビを悪化させる要因にならないとされています。皮膚に刺激のないクレンジング剤で、適切にメイクを落とすようにするとよいでしょう。

(2)保湿のしすぎは禁物。ノンコメドジェニックなコスメを

ニキビに効くと思って過度に肌を保湿することは禁物です。現在のところ、保湿がニキビを改善するという医学的根拠はありません。むしろ、油分の多い保湿化粧品で過剰に保湿することがニキビの悪化原因となる点に注意しましょう。

スキンケアに使うコスメは、皮膚への刺激が少なく毛穴をふさぎにくい「ノンコメドジェニック」という表記のあるものを使います。最近ではノンコメドジェニックテスト済みのメイク用品が登場して選択肢が増えてきているので、メイクする際にはそういったものを選ぶとよいでしょう。

(3)食生活はバランス良く

「チョコレートを食べすぎるとニキビができる」という話を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。しかし現在のところ、チョコレートを含めて特定の食品がニキビの要因になることは証明されていません。

ニキビができないように特定の食品を食べてはいけないということはなく、必要なのは皮膚をはじめ全身の健康を考えながらバランスの良い食生活を心がけることなのです。

次ページ:日常生活のなかでできる対策を

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