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悪口を言う人の深層心理とは? 不幸を招くって本当?

小日向るり子

悪口を言ってしまう心理とは?

では、どうして悪口ばかりを言ってしまうのでしょうか? その心理に迫ります。

人はどうして悪口が好きなのか?

悪口は、ストレス発散になるからです。ただし、悪口がストレス発散になるためには、他人から「その気持ち分かる!」といった同調をしてもらうことが必要です。

そして、悪口は自分の中にあるコンプレックスの裏返しでもあります。例えば、「あの子って、明るいのはいいけどちょっとうるさいよね」など、自分が本当はうらやましいと思っている相手の性格を悪口として吐き出してしまうのです。

相手への悪口というねじれた形でも、自分のコンプレックスを吐き出した時に誰かに同調してもらえると、コンプレックスが受け入れられた、認められたという気持ちになります。

はたから見ると、悪口を言う人もそれに同調して盛り上がっている人も、お互いのコンプレックスを慰め合っているだけなのですが、当人たちは吐き出せたスッキリ感と同調心理によって得た安心感に包まれているため心地良いのです。

悪口を言うのは「防衛機制」という心理が働くから

悪口を言う時の心理は、精神医学者のフロイトが提唱した「防衛機制」という心理メカニズムの側面から解き明かすことができます。

防衛機制とは、自分自身の心理的な葛藤や、外部から攻撃を受けた時に感じる苦痛を回避するために、無意識的に生じる心の動きを指します。

以下は、全てその「防衛機制」のメカニズムの特徴です。

(1)同一化

「同一化」とは、自分一人では不安なため、自分以外の人と自分が融合し一体感を持とうとすることです。

これはまさに、悪口を言う人がよく使う「ねえ、あなたもそう思わない?」と同意をうながしてくる言葉によく表されています。

(2)投影

「投影」は、自分の欠点を受け止めることができないため、自分以外のものに責任を転嫁することをいいます。

例えば、人の顔に難癖ばかりつけている人は、実は自分の顔にコンプレックスを抱いているといった現象などが投影にあたります。

(3)逃避

「逃避」とは、現状が苦しいため、他のものに心的エネルギーを注いで現状から回避することです。

悪口とは少し異なりますが、クレーマーの心理は逃避行動である場合も多く、本当に商品やサービスそのものの改善を求めているわけではないとされています。クレームや悪口にエネルギーを注いで、本来向かい合うべき何かから逃げているだけということです。

(4)昇華

「昇華」とは、物事を受け入れ欲求を発散させることです。これは、自虐ネタなどを織り交ぜながら悪口を言う人に見られる心理状態です。

しかし、昇華は上手に使わなければ周りから「痛い人やめんどくさい人」に見えてしまう可能性があります。

例えば、自分の容姿に自信が無い場合に「私って容姿が悪いじゃない?」と返答に困るような自虐を言った後に「私はあの人みたいに美人じゃないから、内面くらいは磨いておかないと思ってるの」といったような、遠回しな悪口などが、それに当たるでしょう。

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