「ロハ」という言葉をビジネスシーンで耳にしたことがある人もいるのでは? 具体的にはどんな意味なのでしょうか?
この記事では、「ロハ」の意味や由来、使い方、類語を例文つきで紹介します。
■ロハとは?
まずは、「ロハ」の意味や由来を紹介します。
◇「ロハ」の意味
「ロハ」は辞書によると以下のように説明されています。
ろ‐は
《「只(ただ)」の字が片仮名のロとハを続けた形であるところから》代金や料金などが要らないこと。ただ。無料。「―で映画を見る」
(『デジタル大辞泉』小学館)
つまり^ロハとは、「タダ」や「無料」を意味する言葉^です。「これ、ロハでお願いできますか?」「この件はロハで」などと使われます。
◇「ロハ」の由来
ロハの由来は「只(ただ)」という漢字にあります。
^「只」を分解すると、カタカナの「ロ」と「ハ」に見える^ことから「ロハ=タダ」という意味を持つようになりました。
■「ロハ」の使い方と例文
ロハは、主にフランクなビジネスシーンで使われる言葉です。ロハという言葉の成り立ちからも分かるように、^言いにくい言葉を濁して伝えるというニュアンス^を持ちます。
例えば「サービス料や商品代を無料にしてほしい」という時、「タダにしてもらえませんか?」というのはあまりに直接的な表現ですよね。
そんな時、「ロハにしてもらえませんか?」と言い換えることで、言いにくいことを間接的に伝えられる効果があります。
☆例文
*・予算の関係で、追加の依頼は^ロハ^にしていただけませんか?
・後出しで追加された依頼が多くて、この仕事は^ロハ^同然だった。*
▶次のページでは、「使う時の注意点と類語」を紹介します
■「ロハ」を使う時の注意点
ロハは「無料にしてほしい」などという、直接言いづらいことを間接的に伝えたい時役立つ言葉です。しかし、使用には注意点もあるのでチェックしておきましょう。
◇(1)俗語であることを理解しておく
「ロハ」という言葉は俗語であるため、^かしこまったシーンでの利用には注意が必要^です。
関係値の浅い取引先などに対して、「ロハでお願いできませんか?」と依頼をすることは、失礼にあたる場合もあります。
普段から^フランクな関係を築いている取引先や同僚以外には使わない方が良い^でしょう。
◇(2)若手社員には通じないこともある
「ロハ」という言葉は、主に昭和に流行った言葉であり、近年では耳にする機会も減っています。
そのため、^若手社員には意味が通じないこともある^でしょう。
何気なく使った言葉を相手は理解できていない可能性もあるため、意味が伝わっているか確認が必要かもしれません。
■「ロハ」の類語
タダという意味を持つ「ロハ」には、いくつかの類語があります。シーンに応じて使い分けましょう。
◇(1)「無料」
^「無料」^は普段の生活でも使う言葉であるため、世代を選ばずに使える言葉です。
ただし、取引先に対して「この依頼は無料でお願いできますか?」と伝えるのは、あまりに直接的でやや気が引けますよね。
その場合は、次に紹介する「無償」を使うことがおすすめです。
◇(2)「無償」
^「無償」^には、次のような意味があります。
無償(むしょう) の意味
1 報酬のないこと。また、報酬を求めないこと。「―の奉仕」
2 代金を払わないでいいこと。ただ。無料。「―で貸与する」⇔有償。
(『デジタル大辞泉』小学館)
「無償」は「無料」や「ロハ」と同じ意味ですが、^かしこまったビジネスシーンにも適した言葉^です。
◇(3)「料金不要」
^サービスの提供側として使う場合は、「料金不要」という表現^に言い換えることができます。
例えば、「今回の修理については料金不要です」といったように使えるでしょう。
ただし「料金不要」という表現は、^無料にしてもらう側は使えない^ため注意しましょう。
■「ロハ」は「無料」の意味を持つ言葉
ロハとは「無料」や「タダ」という意味を持つ言葉です。「本件はロハでお願いできますか?」といった具合に、言いにくいことを間接的に伝えられるメリットがあります。
ただしロハは俗語であるため、かしこまったシーンには適さない場合もあります。言い換え表現も覚えておき、シチュエーションに合った表現を使っていきましょう。
(にほんご倶楽部)
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