お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

キャリアウーマンとは? 向いている人・向いていない人の違い

トイアンナ

キャリアウーマンとは、どんな女性を指すのでしょうか。バリバリと仕事に取り組む人というイメージがあるものの、実際のところはどうなのか気になるところ。この記事では、キャリアウーマン経験のあるコラムニストのトイアンナさんが、体験談とキャリアウーマンに向いている人・向いていない人を紹介します。

「キャリアウーマン」という言葉が生まれたのは、昭和時代。当時は“職業を持つ女性”を意味する言葉でした。

仕事に就いても結婚すると退職し、専業主婦になる女性の方が多かった時代、一生働くだけでも“キャリア”と見なされたのです。

2020年現在、“キャリアウーマン”から想起されるイメージは少し変わったのではないでしょうか。

「管理職を目指す女性」「専門性を持ち働く女性」などが、辞書の定義にも加わったようです。

昔のキャリアウーマンとは

1986年に男女雇用機会均等法が生まれ、初めて女性が総合職(幹部候補)を目指せるようになりました。それまでの女性は、男性のお嫁さん候補としてアシスタント職に就くケースが一般的だったのです。

図らずも1986年はバブルの黎明期。好景気に背中を押される形で、女性に「いい学校に行って、いい会社に入って、高収入の男性と結婚して退職」というキャリアパスが生まれます。法律が整っても、総合職を目指せる女性は限られていました。

そんな当時から“仕事を愛した女性”はいました。しかし、彼女たちは男性の何倍も努力せねば、出世を手に入れられませんでした「年功序列で使えないA君を上げるくらいなら、あなたを管理職にしたい」と実力でねじ伏せる必要があったからです。

激しい接待、飲みニケーション、セクハラ、激務……さまざまな修羅場を潜り抜けて活躍したのが当時のキャリアウーマンです。

そこまで頑張ってもなお、部下から「女を捨ててる」「ああはなりたくない」と陰口を叩かれ、「私がここまで働く意味って何だろう……」と涙しながら働いてきたアラフィフ女性は少なくありません

世間が抱くキャリアウーマンのイメージも「激務」「結婚できない」「性格がキツい」「部下を育てられない」と、ネガティブなものが並びます。男性は管理職になっても、こんなこと言われないのにね

実際にキャリアウーマンをやってみた体験談

さて、私は総合職として2012年に就職。それからは会社員、フリーランス、自営業と業態を変えつつも、バリバリ働くスタイルはあまり変えていません。実感から申し上げると、最近まではキャリアウーマンって恋愛・結婚面で辛かったなあ……と思います。

合コンで「えっ、総合職なんだ……」とドン引きして逃げた総合商社の男性。結婚してから「やっぱり癒し系の女性がいい」と言い出した元夫。特に高年収の男性は専業主婦家庭で育っていることが多いもの。

口では「自立した女性がいい」と言いつつも、彼女の海外転勤に同行するため自分が会社を辞める可能性なんて、1ミリも考えないわけです。「キャリアウーマンなら、俺の財布は結婚しても痛まないし。感情的にもならなさそうだし、子どもの受験対策もやってくれそう」みたいな、いいとこ取りを妄想する男性もうんざりするくらい残っています。

けれど、それでも、自分で稼ぐお金って最高です。専業主婦を選んだ女性から聞く不満の第1位は「夫に申し訳なくてお金が使えない」「ヘアサロンに行くのだって、夫への予算申請がいる」という金銭的な不自由さ。

それに比べて「くっそ、ストレスが溜まったぜ。よっし、明日はネイルとヘアとまつエクのフルコース決めたる。来週から私のあだ名はエマ・ワトソンじゃ」と決行できる自由度たるや。

さらに、ダメな男と結婚してしまっても即座に離婚できる強さもあります。経済的自由は、生きる自由に直結するんです。

キャリアウーマンに向いている人・向いていない人

こういう働き方には、明確な向き・不向きがあります。仮にバリバリ働いて、家庭より仕事を優先するやり方を「昭和型キャリアウーマン」と呼ぶなら、昭和型キャリアウーマンが抱える最大のデメリットは体を壊すことです。

どんなに強靭な女性も、40代後半ごろになると体を壊します。というより、男性も激務業界出身者は大体この年齢で1つ病気をします。それでも、仕事が楽しくてしょうがないから辞められないのです。

体を壊しても働きたいと思えるほどの熱狂が、昭和型キャリアウーマンには求められます。

私も昨年、過労で甲殻類アレルギーになりました。でも、これくらいで済んでよかった……というのが正直な感想です。

一生働く意思があれば「令和のキャリアウーマン」

さて、私みたいな昭和の女は置いておいて。狂った働き方をするばかりが、令和のキャリアウーマンではないでしょう。

共働き夫婦が過半数となった今、「薬剤師資格を取り、週3日の薬局バイトで超ホワイト生活を実現」「一生働くために大学職員として9時17時勤務を死守」なんて生き方もあります。

これだって、立派なキャリアウーマンだと思うんです。

高みを目指すのは、いつしか息切れするものです。誰もがシェリル・サンドバーグ(FacebookのCOO)にはなれません。でも、「高みを目指す以外」の世界が広がっているのが、現代です。

「でも、一生働きたい。何かあったとき、自分の足で逃げられるように」と考えられるなら、職業や労働時間を問わず、あなたは十分にキャリアウーマンといえるんじゃないでしょうか。

これから、新しいキャリアウーマン像を作るのはあなたです。自由に働いて、自由に羽ばたいていってください。

(トイアンナ)

※画像はイメージです

※この記事は2020年04月03日に公開されたものです

トイアンナ (コラムニスト)

慶應義塾大卒。P&Gジャパン、LVMHグループで合わせて約4年間マーケティングを担当。その後は独立し、主にキャリアや恋愛に関するライターや、マーケターとして活動。著書に『就職活動が面白いほどうまくいく 確実内定』や『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』などがある。

●ブログ「トイアンナのぐだぐだ」
http://toianna.hatenablog.com/

●Twitter
https://twitter.com/10anj10

●公式サイト
https://renaijuku.co.jp/

この著者の記事一覧 

SHARE