生理前&生理中は安全日? 避妊なし・中出しでも妊娠しないのか医師が解説
確実に妊娠しない安全日はない
ここまでで、精子・卵子の寿命から考えた場合と、基礎体温から考えた場合の安全日を紹介してきましたが、避妊しなくても確実に妊娠しない安全日というものはありません。
さきほど紹介した2つの考え方では、いずれの場合も「いつ排卵するのか」を予測することが肝心です。しかし、排卵日を正確に予測するのはとても難しいことなのです。
生理周期が安定していて、基礎体温が低温期と高温期にはっきりと分かれている人であっても、毎日きちんと基礎体温を測定した場合でないと、いつから高温期に入ったのか知ることはできません。
基礎体温がきちんと低温期と高温期に分かれていない人の場合は、いつ高温期に入ったか見極めるのはとても難しいでしょう。
また、高温期に入ったことがわかったとしても、排卵が起こるのは低温期から高温期へ移行する数日の間ということしかいえないので、このうちのどこで実際排卵したかを基礎体温から特定することはできません。
さらに、排卵日は体調や環境のちょっとした変化から影響を受け、変動することが珍しくありません。
生理周期が乱れがちな人はもちろん、普段は規則的に生理が起こっている人であっても、なんらかの影響を受けて排卵日が通常より遅れる・早まるという変化は簡単に起こります。
つまり、確実に妊娠しない「安全日」と言い切れる日はない、と考えておいたほうが良いということなのです。
では、反対に「危険日」であればわかるのでしょうか?
危険日はいつ?
危険日とは、一般に「妊娠しやすい日」のことをいいます。
女性が最も妊娠しやすいのは、排卵⽇の約2日前~排卵日までの間です。
また、卵子の寿命は約1日、精子は性交後約3日間〜最長5日間なので、排卵の5日程度前~排卵日の翌日までは、妊娠する可能性の高い日といえるでしょう。
しかし、さきほど「安全日」の項で説明したとおり、生理周期や基礎体温から推測する排卵日はあくまでも予測にすぎず、安全日や危険日が“予測通り”にくるとは限りません。
また、生理周期は常に一定というわけではなく、そもそも生理不順であったり基礎体温が低温期と高温期に分かれていない人では、排卵時期の予測も困難です。
生理周期や基礎体温から排卵日を確実に予測するのは、難しいことなのです。
妊娠を希望している場合に、基礎体温を測って「おおよその排卵日」を推定することは有効な方法の一つ。
ですが、うまく測れていなかったり、測り方を間違えたりすることもあるため、これを避妊方法として利用するのはおすすめできません。
結論としては、危険日についても、だいたいこのくらいとわかることはあっても、確実に特定するのは難しいということ。
妊娠を望まないなら、その間は常に避妊をすることが大切なのです。
▶次のページでは生理前や生理中のセックス・中出しで妊娠する可能性について解説します。