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生理前&生理中は安全日? 避妊しなくてもいいって本当?

セックスの基礎知識

太田寛(産婦人科専門医)

及川夕子

生理中のセックスは妊娠以外のリスクもいっぱい

生理中のセックスは、ほかの理由からもあまりおすすめできません。

自分の体を守るためにも、どんな影響があるのか、どうしたらリスクを回避できるのかなどを正しく理解しておきましょう。

細菌やウイルスなどに感染しやすくなる

生理中のセックスは、血液と接触することになるため、HIVやその他の性感染症に感染するリスクがより高まります。血液を介して感染するC型肝炎などのリスクも高くなります。

感染を避けるためにも、生理中のセックスは控えたほうがベター。

また、避妊だけでなく性感染症の予防にもつながるので、生理中かどうかにかかわらず、オーラルセックスを含めて性交渉の際は、コンドームを使うようにしましょう。

行為の最初から最後までコンドームを正しく使うようにすると、感染のリスクを減らすことができます。

性感染症とは?

おもにセックスでうつる病気のこと。梅毒、クラミジア感染症、ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症などがあり、HIV感染症のもその一つです。口や喉、肛門から感染することもあります。

子宮内膜症のリスクを上げる可能性

生理中にセックスするとこの逆流を促し、子宮内膜症のリスクを上げる可能性がある

子宮内膜症は、子宮内膜の組織が、子宮以外の場所で増殖したり・はがれたりを繰り返す病気です。

通常、子宮内膜がはがれ落ち生理の出血となって排出されますが、これが卵管から逆流して腹腔に漏れだすことで、子宮内膜症を引き起こすと考えられています。

生理中にセックスするとこの逆流を促し、子宮内膜症のリスクを上げる可能性があるといわれています[*3]。

女性がオーガズムに達すると、子宮は精液を吸い上げるように収縮するため、逆流する量がさらに増えることは十分考えられます。

不妊の原因にもなる「子宮内膜症」とは?

本来子宮の内側だけにあるはずの子宮内膜組織が、卵巣や腹膜、子宮の裏側(ダグラス窩)など、子宮の内側以外の場所にも発生し、痛みや不妊などを引き起こす病気です。

通常とは違う場所にできていても、女性ホルモンの影響を受け増殖や出血を繰り返しますが、体外に排出できないために、炎症や癒着を引き起こしたりします。また、生理痛、排便痛、過多月経、不妊などの原因になります。子宮内膜症は、生殖年齢女性の約1割にみられます[*4]。

生理前&生理中は「安全日ではない」

このように、生理中やその前であっても妊娠の可能性はあり、生理前&生理中=安全日ということではありません。

また生理中のセックスには、妊娠以外にもさまざまなリスクがあることを忘れないでおきましょう。

パートナーと良好な関係を築くためにも、妊娠を望んでいないならコンドームなどの避妊をしっかり行い、必要なときには「ノー」と言える勇気を持ちましょう。

自分の体を守ることができるのは、自分自身なのですから。

(文:及川夕子/監修:太田寛先生)

※写真はイメージです

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

参考文献
[*1]日本生殖医学会 Q8.不妊症の治療にはどんな方法があり、どのように行うのですか? http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa08.html

[*2]アメリカ産科婦人科学会 Fertility Awareness-Based Methods of Family Planning
https://www.acog.org/Patients/FAQs/Fertility-Awareness-Based-Methods-of-Family-Planning?IsMobileSet=false

[*3]月経中の性的活動と子宮内膜症の関係, Int J Fertil Steril. 2019 Oct-Dec; 13(3): 230–235.

[*4]「病気がみえる」vol9 p123

※この記事は2020年03月03日に公開されたものです

太田寛(産婦人科専門医)

松岸レディスクリニック(千葉県成田市)勤務。京都大学電気工学科卒業、日本航空羽田整備工場勤務。東京医科歯科大学卒業後、茅ヶ崎徳洲会総合病院、日本赤十字社医療センター、北里大学医学部公衆衛生学助教、瀬戸病院を経て現在に至る。

日本産科婦人科学会専門医、日本医師会認定産業医、医学博士、インフェクションコントロールドクターICD)、女性のヘルスケアアドバイザー、航空級無線通信士。

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及川夕子

ライター、編集者。新聞社勤務を経て、20代後半で独立しフリーランスに。新聞、雑誌、WEBメディア、書籍などの企画、編集、記事執筆を手がける。近年は、「40歳からのからだ塾」(クロワッサン)、「きちんと知る女性のからだ」(シティリビング)などの連載をはじめ、女性の健康・美容、更年期のヘルスケア、医療分野の取材、執筆を中心に活動。メノポーズカウンセラー(NPO法人更年期と加齢のヘルスケア学会認定資格)、女性の健康推進員(NPO法人女性の健康とメノポーズ協会認定資格)。
https://twitter.com/cosmos201710

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