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「これって、五月病?」頑張りすぎな人は要チェック。「心の境界線」を整えるワーク

【特集】Love myself~私を知る、育む、愛する~

木村章世

新年度を全力で駆け抜け、ようやく訪れた大型連休。本来なら一息ついてリフレッシュできるはずなのに、言いようのない不安や重だるさを感じてはいませんか? 「五月病」なんて言葉が頭に浮かんでくる今の時期におすすめのワークを、Smart相談室カウンセラーの木村章世先生が教えてくれました。

新年度を全力で駆け抜け、ようやく訪れた大型連休。本来なら一息ついてリフレッシュできるはずなのに、連休が近づくにつれ、あるいは休み明けが迫るほどに、言いようのない不安や重だるさを感じてはいませんか?

「体が鉛のように重い」「デスクに座っても、集中力が続かない」「仕事に行くのがしんどい」と感じてしまう……。もしあなたがそんなモヤモヤを抱えているなら、それは決して「甘え」や「怠け」ではありません。これまで周囲の期待に応えようと走り続けてきた心が、「メンテナンスが必要だよ」とあなたに教えてくれている大切なサインなのです。

今回は、真面目に頑張る女性ほど陥りやすい「五月病」の本質を探りながら、自分を守る「心の境界線」を整えるワークをご紹介します

4月の緊張がふっと解ける「連休明け」の落とし穴

4月は、働く女性にとって一年で最もエネルギーを消耗する季節といっても過言ではありません。昇進や異動、新プロジェクトの始動、あるいは新しい後輩の育成など、環境の変化が非常に激しい時期。期待と緊張が入り混じるなか、私たちは無意識のうちに「しっかりしなきゃ」「期待に応えなきゃ」と、心の糸をピンと張り詰めて過ごしています。

この張り詰めた糸が、大型連休という休止符をきっかけにふっと緩んでしまうのは、人間としてごく自然な反応です。しかし、真面目な人ほど、緩んだ自分を許せずに「もっと頑張らなきゃ」とさらに糸を引こうとして、結果として心がポキンと折れてしまう。これが、五月病の正体の一つです

「最近、私ちょっと無理していたかも……」そんなふうに、自分の内側にそっと目を向けてみませんか? 自分の境界線を越えて頑張りすぎていないか、鏡を見るような気持ちで今の自分を観察してみましょう。

STEP1:心の境界線チェック

心理学には「バウンダリー(心の境界線)」という言葉があります。自分と他人の間にある、目に見えない心理的な境界線のことです。優しくて共感力が高い人ほど、この境界線が「透明」や「薄い」状態になり、他人の感情や問題が自分の心の中に土足で入り込むのを許してしまいます。

まずは、今のあなたがどれくらい「心の境界線」を越えて頑張っているか、チェックしてみましょう。

【ワーク】心の境界線をチェックしてみましょう。

一つでもチェックがついたあなたは、自分と他人の心の境界線が「薄く」なっている状態かもしれません。

相手の機嫌が悪いのは、あなたのせいではありません。そして、自分の本音を大切にすることは、わがままではありません。良かれと思って境界線を越えて相手の課題まで背負ってしまうと、自分自身のエネルギーが枯渇して「五月病」のような不調を招きやすくなってしまいます。

(※このチェックは、心理学の「バウンダリー理論」やアドラー心理学の「課題の分離」をベースに構成しています)

STEP2:ちょうどいい境界線をひく

「心の境界線」が薄くなると、他人の課題という自分にはコントロールできないものにエネルギーを奪われ、一番大切な「自分自身のこと」がおろそかになってしまいます。

「自分の課題」と「他人の課題」を上手に仕分けて、ちょうどいい「心の境界線」をひいてみましょう。境界線をはっきりさせることで、「他人の課題」に奪われていたエネルギーを「自分の課題」に集中させることができます。

【ワーク】今抱えている課題を仕分けてみましょう。

【自分の課題 × 重要度高】
例:スキル習得、体調管理、信頼できる人への相談。

ここが、あなたが最もエネルギーを注ぐべき「聖域」です。誰にも邪魔されないよう、一番に大切にしてください。

【他人の課題 × 重要度高】
例:上司の機嫌、後輩のやる気、会社からの評価、SNSの反応。

ここが最も五月病の原因になりやすいエリアです。これらは「相手の問題」であり、あなたがどれほど悩んでも解決できません。「相手の感情は相手のもの」と、心の中で強く線をひきましょう。

【自分の課題 × 重要度低】
例:溜まったメールの返信、デスクの整理、ルーチンワーク。

悩むエネルギーを使うのはもったいないエリア。時間を決めて、無心で淡々と終わらせましょう。

【他人の課題 × 重要度低】
例:他人の噂話、過去の失敗への陰口、他人のキラキラしたSNS投稿。

「自分には関係のない雑音」として徹底的にスルー。ここに使っていたエネルギーを、次の「五感ケア」へと回してあげましょう。

STEP3:境界線の「内側」を満たす五感ケア

境界線を引いて、自分だけの安全な境界線の内側を確保できたら、そこを「心地よさ」で満たしてあげましょう。思考を止め、五感に意識を向けることで、外の世界へ漏れ出していた意識が自分の体へと戻ってきます。

【ワーク】直感で「いいな」と感じるものを一つ選んでみてください。

全部を完璧にやろうとする必要はありません。「これならできそう」「心地いいな」と心が満たされることを大切に楽しんでみてください。

あなたは、今のままでOK

五月病のような不調を感じるのは、あなたがそれだけ誠実に、周囲に寄り添って生きようとしてきた証です。

だからこそ、動けない自分を責める必要は全くありません。境界線を引くことは、周囲を突き放して冷たくすることではなく、あなたがこれからも笑顔で働き続けるために、自分を守るための「賢い戦略」です。

小さなセルフケアの積み重ねが、重たかったあなたの明日を、ふんわりと軽くしてくれるはずですよ。

(木村章世)

※この記事は2026年05月01日に公開されたものです

木村章世

Smart相談室カウンセラー/保健師/国家資格キャリアコンサルタント/EMISIA保健師事務所 代表/第一種衛生管理者/両立支援コーディネーター

産業保健師として、都内総合電機メーカー、大手自動車メーカーのグループ企業複数社にて従業員の健康支援に従事。
また、行政保健師として、ゆりかごから墓場まで幅広い年代への支援も経験している。
現在は、EMISIA保健師事務所を開設し、中小企業で働く人の健康管理、キャリア形成をサポートしている。
従業員がこころもからだも健やかで自分らしく活躍できることを目指している。

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