うまく話せない・言葉が出てこない原因は? 会話のコツも紹介
特に仕事では、上司や目上の人など、あまり仲良くない人と話す必要があります。そんな時、うまく話せない・言葉が出ないという人はいるはず。今回は、心理カウンセラーの秋カヲリさんに、口下手な人でもうまく話す方法を教えてもらいます。
「口下手でうまく人と話せない」「もっと会話を盛り上げられたらいいのに……」など、もっと上手に話したいのにうまくできないと、やきもきすることありますよね。
今回は、うまく話せない人でもすぐに会話力を上げられる解決策をお伝えします。
もっと仲良くなりたい人と話すときや、好印象を与えたいときにぜひ活用してください!
人とうまく話せない原因って?
仲がいい人となら問題なく話せるのに、それ以外の人となるととたんに伝えたいことが伝わらず、うまく話せなくなってしまうのはなぜなのでしょうか? 考えられる原因を心理的側面から3つ解説します。
1.自分がどう思われるか気にしすぎている
自意識が強すぎる人は、話すときも「自分がどう思われるか」を気にしすぎてうまく会話に集中できず、ぎこちないコミュニケーションをしてしまいがち。
ひと言コメントするにも「こう言ったら頭が悪いと思われるんじゃないか」「こんな返しをしたら、つまらない雰囲気になってしまうんじゃないか」というように、どんどんネガティブ思考になって何も言えなくなってしまう人もいます。
2.失敗しないことを最優先にしている
親密な人であればすでに人間関係ができていて気楽に話せるけど、初対面の人やあまり知らない人とだとうまく話せない! という方もいますよね。
こういった方は、失敗しないことを優先して話していることが多いです。
相手のことがよくわからない段階だと、どんな話題が盛り上がるのか、どんなことに興味を持っているかなどの相場感がつかめません。
そのため「会話で失敗したくない」と考えて消極的になり、うまく話せなくなってしまうことがあるのです。
3.過去のトラウマを引きずっている
うまく話せずに恥ずかしい思いをしたり、嫌な気持ちになったりした経験がトラウマになり、会話に対して強い苦手意識を持ってしまうケースもあります。
過去と同じような経験を回避しようとするので、積極的に会話を楽しむ気にはなれず、ついぎこちない話し方になってしまいます。
こうして失敗体験ばかり積み重ねていくと、よけいに会話の苦手意識が深まってしまいます。

あなたは本当に会話下手? 診断でチェックしてみましょう。
「うまく話せない……」を脱却する会話のコツ
次に、話すのが苦手な人にこそ心がけてほしいことを5つ解説しますので、会話下手を克服したい方はぜひ実践してみてください!
1. 情景が目に浮かぶように話す
仕事だと、最初に結論を伝えてから詳細を話すことが多いのですよね。ただ、日常会話では情景が目に浮かぶように話すほうが、相手の興味関心を引きつけられます。
「すごく雨が降っていて、たくさん人が並んでいたんだけど」というように、情景描写を加えて聞き手もその場の様子が想像できるように話してみましょう。
できれば、会話の山場やオチは最後にとっておくと相手の笑いを誘えます。ちょっとした意外性のある話をするときは、種明かしを最後に回しましょう。
2. どんな話か前置きしてから話す
とはいえ、実際には「オチなんて毎回考えられない!」というケースも多いでしょう。
そんな方は、単純にその場を楽しむ会話をしたいなら、最初に軽い前置きをしておくのがおすすめ。
「ちょっと困ったことがあって相談したいんだけど」「この間びっくりしたことなんだけど」というように、どんな話なのか軽く説明してから本題に入るのです。
こうした前置きがなく延々と話をされると、「この人はなんの話をしているんだろう?」と聞き手はモヤモヤしてしまうものです。
特に男性は女性の長い話が苦手。前置きをするだけで、もし話が長くなっても「どんな話なのか」を踏まえたうえで聞き進められるので、ストレスを感じず耳を傾けてくれます。
3. 少しゆっくり話す
うまく話せず会話に苦手意識を持っているほど、話すときに早口になりがちです。
早口だと抑揚がなくなってしまい、話があまり頭に入ってこなくて盛り上がりません。相手の興味関心を引きつけるには、少しゆっくり話すのがコツです。
できれば抑揚もつけて、大事なところであえて声のボリュームを下げてみたり、よりゆっくり話してみたりして強弱をつけてみましょう。
最初からうまくできなくて当然です。「すぐにできなくても大丈夫!」と自分に言い聞かせながら、まずは仲良しの友人や恋人に話して練習してみてくださいね。
口下手でも相手との関係性を深められる会話術
「どうしても自分から話すのは苦手!」という人は、人との距離を縮める会話術を試して、相手に話してもらうのもひとつの手です。
だれでもチャレンジできる3つの会話術をご紹介します。
1. 話し上手ではなく聞き上手になる
うまく話せないと「トークスキルを上げなくちゃ!」と考えがちですが、意外にもコミュニケーションが上手な人は、話し上手ではなく聞き上手なのです。
実際、合コンなど飲み会の場を盛り上げている人は、自分の話ばかりする人ではなく、いろいろな人に話題を振りながら、うまく相槌を打っている人ではないでしょうか。
ですので、まずは相手の話をよく聞き、話を深ぼるよう心がけてください。「その時、あなたはどう思ったの?」「それから、どうなったの?」など、興味を示すだけでかまいません。
自分の話をおもしろく伝えるトーク力よりも、まずはいろいろな人の話を引き出す会話力を鍛えましょう。
2.相手の話のキーワードをオウム返しにする
聞き上手な人の特徴でもありますが、相手の話に出てきたキーワードをオウム返しするだけで会話の質はぐんと上がります。
たとえば、相手がラグビーの試合観戦について話したなら「へえ、ラグビー観たんですね!」と返すだけで、「この人は自分の話に興味を持ってくれているんだ」と話し手は感じ、好感を抱きます。
そして、1でもお伝えしたように「どうでしたか?」「どの選手が好きですか?」というように、そこからもう一歩踏み込む質問を追加すると、より会話が弾みやすくなります。
相手の話に合わせて聞いていくだけなので、自分の話をするよりもハードルが低く実践しやすいですし、相手も自分の好きな話ができるので楽しんでくれますよ。
3.相手と同じくらい自己開示する
とはいえ、自分の話をまったくしないと「あまり心を開いてくれていないのかな?」「本当はどんな人なんだろう」と疑問を抱かせてしまうことも。
たくさんは話せなくても、相手と同じくらい自己開示をすると、人間関係が深まりやすく親密度が上がりやすいです。
たとえば相手が前の恋人について話したら、自分の恋愛についても少し話すなど同じレベルで自分のことを話すのが理想的。
「そうなんですか! 私の元彼はこんな人でしたね」とさらっと言うだけでもいいので、適度に自分の話もしながら聞き上手を目指すといいでしょう。
うまく話せない人は会話力を鍛えよう
人との関係性を築くのはトーク力ではなく会話力。たとえうまく話せなくても、聞き上手になって相手の話を引き出せれば、じゅうぶんに仲を深めることはできます。
そこから自分の話も少しずつするようにして、打ち解けていきましょう。相手のことを考え、尊重して接する姿勢がなによりも大切です。
(秋カヲリ)
※画像はイメージです
※この記事は2019年12月28日に公開されたものです