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デートは男性が奢るべき? 割り勘にするべき? 1200人にアンケート調査

荒川和久

未婚率の上昇、若者の恋愛離れ、男性の結婚意欲の低下……。婚活女子にとって耳をふさぎたくなるような情報が巷にはあふれています。そこで、独身研究家の荒川和久さんに、知らないと困る“結婚と恋愛の数字”について教えてもらうことにしました! つい現実から目をそむけたくなりますが、正しい情報、正しい数字を知って、婚活難を乗り越えましょう。

延々と続く男女間の論争のひとつに「おごる・おごられ問題」があります。デートの時の費用は「男がおごるべきか」「割り勘にすべきか」というものです。

もちろん、ここで対象とするのは、どちらかが学生のカップルではありません。ちゃんと働いている大人の男女のデートにおいて、その支払いをどうするか、という話です。

この記事でもお伝えした通り、「結婚はコスパが悪い」と考える未婚男性は増えています。だとすると、「男がおごるべき」と考えているのは女性のほうで、男性は「男におごらせるな」という意見が多いと思っている人は多いのではないでしょうか。

本当に、女性は「おごられたい」のでしょうか? そして、男性は「おごりたくない」のでしょうか?

「デート代は男性が奢るべき」というソロ女の意見

以前、女性の本音を探るために、この「おごる・おごられ問題」について、都内で働く30~34歳の「ソロ女」たちを招いて、座談会をしたことがあります。

女性のほうがお金がかかる

「男がおごるべき」と主張するある女性はこう言います。

“女性は化粧品や洋服などデートに際して、男たちの知らないところでお金を投資しているから。”

よく聞かれる主張です。男性からしてみれば反論したい部分もあるでしょう。化粧品はともかく、男性だって洋服くらいは買います。

もちろん、男性より女性のほうが美容やオシャレにお金がかかることは理解できますが、そもそもそうした「自分磨き」は、男性からおごられるためにやっていることなのでしょうか。

男性の本気度をお金で示してほしい

「男がおごるべき」にこういう理由を主張する女性もいます。

“初デートは男としてのプレゼンテーションの場だと思います。だったら、その気概を行動として見せるべきではないでしょうか。

どこまで本気なのかは目に見える形で提示してもらわないとわからない。そういう視点で考えれば、そもそも割り勘なんてあり得ない。”

初デートとはこれからお付き合いをするかどうかを見極めるための、ある意味では「商談の場」であるという主張は非常に納得性の高いものです。

男性の本気感を可視化してほしいという彼女達の気持ちはわかります。

「割り勘でいい」というソロ女の意見

しかし、一方で「割り勘でいい」派の女性の主張はこうです。

借りを作りたくない

“まだ付き合ってもいない段階なのに、全部おごれとかいうのもね。

対等でいたいから、むしろ同額払いたいって私は思うんですけど。借りを作りたくないっていうか……。

だって嫌じゃないですか? 食事代はまだしも、ラブホ代とか全部出してもらうとなんだか……。”

身の丈にあった付き合い方をすればいい

“結局、結婚したら家計は一緒になるわけで、むしろ、自分の収入を度外視して、無駄に高価なレストランとか行きたがる男の方が心配。
ちゃんと身の丈にあった付き合い方をすればよくって、お互い仕事しているんだったら割り勘でいい。”

参考記事はこちら▼

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【1200人の女性に調査】「デート代は男性が奢るべき」は少数派

では実際、世の中の意見としてはどちらが多数派なんでしょうか?

ネット調査にて、全国20~50代の女性約1200名に対して行った調査結果がこちらです。

【1200人の女性に調査】「デートは男性がおごるべき?」

20代ソロ女は34%が「男がおごるべき」と答えていますが、30代、40代と齢を重ねるごとにその割合は下がります。

一方で、既婚女性を見ると、すべての年代でソロ女より「割り勘でいい」という意見のほうが多くなっています。

これだけで結論付けられるものではありませんが、結婚している女性のほうが「割り勘」派が多いということです。

男性の「男が奢るべき」派は女性よりも多い

では、男性はこの「おごる・おごられ問題」について、どう考えているのでしょうか?

同様に20~50代年代別に未既婚で調べてみました。

男性の「デートは男がおごるべき」派は女性よりも多い

こちらも、年代によってバラつきはありますが、全体的に約4割の男性が「男がおごるべき」と考えています。女性と比べて1割以上男性のほうが「おごるべき」派の割合が高いようです。

ソロ男の場合はソロ女同様、20代がもっとも高く、半数近い44%が「男がおごるべき」と考えています。

年収が高ければおごる力は上がるわけで、本来なら年代が上がれば上がるほど「おごるべき」と考える男性が増えそうなものですが、むしろ若いソロ男のほうがそう考えているのは意外ではないでしょうか。

一方、既婚男性のほうは、20代が一番低く31%です。

男性は実は「奢りたい」と思っている

前出のグラフはあくまで「男がおごるべき」というのに賛同する割合だけですが、「男がおごるべき」と「割り勘でいい」の差分を見るとどうでしょうか。

一目瞭然。未既婚や年代関係なく、男性は「おごりたい」と思っているし、女性は「割り勘」でいい」と思っている人が多数ということになります。

こうしてみると、「男がおごるべき」規範に縛られているのはむしろ男たちのほうです。

イマドキの若者のデートは割り勘が主流で、「男がおごるべき」なんてバブル時代のような価値観はない、と言われたりもしますが、意外にも男性たちは「おごりたい」のです。

「男がおごるべき」にとらわれている男性

これは「男性が稼ぐべき」「男性が養うべき」という「男らしさ規範」に、今でも男性は相変わらず潜在意識下で支配されていることを示しています。

男性の懐事情は別にしても、男性とは女性におごることで自尊心を満たしたいという思いがあるともいえます。

よって、支払いの場面で、女性から「借りを作りたくないので絶対に割り勘にしてください」などと強く主張されたら、むしろ男性としては自己否定を突きつけられたような寂しさを感じてしまうのです。

そういった意味で考えると、「男性がおごるのが当然だ」と主張するソロ女は、逆に「おごらせる」ことで彼らの承認欲求と達成欲求を、結果的に満たしているともいえるわけです。

一方で、ソロ女側も「おごられた」ことで自身のプライドを保持することにもなるでしょう。

「男が奢るべき」派女性と「奢りたい」男性がマッチングしない理由

「男がおごるべき」と主張する女性と「おごりたい」という男性は、まさにWIN-WINの関係で、マッチングされるはずなんですが、そうは簡単にいきません。

「男がおごるべき」派のソロ女は「ただおごればいいって問題じゃない」と釘をさします。

“デートでどこに連れていけるかは相手の経済力の証明にもなるんだから。

結婚を考えたら、貧しい人とは無理なわけで、おごられるにしても、ファミレスとかチェーンの居酒屋なんて論外。そんなところに連れていかれたら「はあ?」ってなりますよ。”

彼女は、何もファミレスや居酒屋を否定しているわけではありません。初デートにファミレスを選ばざるを得ない彼の経済力を否定しているのです。

彼女たちにすれば、「経済的にある程度余裕がないなら、無理してまでデートに誘うな」ということなのでしょう。あえて言葉を選ばずに言ってしまうと「金が無い男はお断り」ということです。

それは決して彼女が男性を財布扱いしているわけでも、男性に経済的に依存したいわけでもありません。逆に、自分自身がある程度稼いでいるからこそそうした考えになりがちです。

しかし、それは当初彼女自身が言っていた「男性がおごるのは気概の可視化」という意味ではなくなっています。男性の絶対的経済力の問題にすり替わってしまっていて、もはや「おごる・おごられ問題」とは次元の違う話になっているのです。

優先すべきは「相手の気持ち」と「居心地のよさ」

「男がおごるべきだ」と考える女性も「対等に割り勘であるべきだ」と考える女性も、「私の価値観はこうなんだから、それに合致しない人はお断り」と頑なに白黒明確にさせようとしています。

「おごられたい」も「対等でありたい」も結局自分の中の問題にすぎません。

お互いの関係性の中で、自分も相手も心地よくなれる落とし所を発見していってほしいものです。

「相手がどう思うか」「相手はどうされたいのか」という視点に切り替えると、おのずと行動も考え方も変わっていくのではないでしょうか。

(荒川和久)

※写真はイメージです

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※この記事は2019年09月24日に公開されたものです

荒川和久 (独身研究家・コラムニスト)

独身研究家/コラムニスト。ソロ社会論および非婚化する独身生活者研究の第一人者として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Webメディアなどに多数出演。

韓国、台湾なども翻訳本が出版されるなど、海外からも注目を集めている。

著書に『結婚しない男たち』(ディスカヴァー携書)、『超ソロ社会』(PHP新書)、『ソロエコノミーの襲来』(ワニブックスPLUS新書)、『結婚滅亡』(あさ出版)など。

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