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意外とできていない人が多い? 「お見舞い」の正式マナー

松本繁美(マナーアドバイザー)

なにを持っていく? お見舞品の選び方

お花を贈る場合のマナー

鉢植えのものは避ける

鉢植えは「根づく」という意味合いでタブーです。病気が根づいて、長期入院や持病になってしまうことを連想させるためです。またシクラメン(49のごろ合わせから不吉とされている)の鉢植えは、絶対にありえないお見舞いなので、要注意です。

匂いの強い花

花の種類によっては、匂いが強くたちこめます。そうでなくとも病人は敏感になっているため、匂いにはとくに注意してください。なにを選んだらいいかわからない場合は花屋さんに相談して、お見舞い用の花を上手に選んでもらいましょう。

首から落ちる花はタブー

椿や百合の花など、首からポトリと落ちたり、うなだれたりしてしまう花は「不吉」とされ、お見舞いにはふさわしくありません。

病室に飾るスペースがあるかを確認

個室のように飾るスペースがあればよいけれど、何人かと同室(大部屋)などの場合、ベッドに近い位置に小さな棚かカウンターがあるだけといった場合も多いはず。実際には、花を置くスペースがない場合がほとんどです。お見舞いに花を持って行く際には、先に病院にたしかめてから、考えましょう。

花束(切り花)でなくアレンジがよい

花瓶の用意がないのがほとんど。花束でなく、アレンジを贈るのがスマートかもしれません。

お菓子や食べ物を贈る場合のマナー

まずは「食事制限」の有無を確認します。食べてはいけないものがある可能性や、病人食以外摂取禁止かもしれません。直接本人に訪ねるか、家族の方に聞き、確認しましょう。

お見舞いの定番「フルーツ」

お見舞といえば、フルーツのかご盛りなどをイメージする人もいると思います。しかし、フルーツの摂取を制限している病人もいます。また、フルーツを丸ごともらっても、カットしたり、むいたりしてくれる付き添いがいるのかも問題です。保存のため冷蔵庫も必要になるため、意外と考えものなのがフルーツ。病人が食べられるよう、果物店やデパートによってはカット・フルーツを置いているお店もあるので、そういうものがお見舞いには適していると思います。

お見舞いにきた人や付き添いの人、家族等に食べてもらう前提の食べ物

本人が食べられなくても、とりまく皆さんに食べてもらうことを前提に贈るのであれば、お菓子などはふさわしいかもしれません。しかしながら、病人を前に、本人抜きでお菓子を食べるのも考えもの。そのため相手の事情がわからなければ、避けたほうが無難です。

お金を贈る場合のマナー

お見舞金の相場はこのようになっています。
・三親等以内親族……5,000円~10,000円
・知人・友人……3,000円~5,000円
・仕事関係……3,000円(複数で出す場合の上限)
・ご近所……3,000円~5,000円

あくまで目安なので、額については気持ち程度でもいいですが、相場の金額であっても、4,6,9(死・無・苦を連想させる)がつく金額はNGです。また金庫などがない場合は、1万円などの大きいお金を渡してしまうと、盗難などに気を配らなければならず、相手の負担になってしまうことを考慮しておきましょう。もしどうしても、相手に1万円を超える見舞金を贈りたい場合は、お見舞いにきた親族の方に預かってもらうなどして、相手の負担になることはできるだけ避けましょう。

お見舞い金を渡すときに注意すること

お見舞金について これらの場合は注意が必要です。

相手が目上の人の場合

相手が会社の上司などの場合は現金を避けたほうが賢明です。お見舞いに限らず、ほかのお祝いのときも目上の人に現金を贈るのは避けるべきとされています。

のし袋がふさわしくない

出産などの縁起のいい際は「蝶結び」、病気やケガなどで入院の場合は一度で縁を切るという意味合いで「結び切り」の水引にしましょう。まちがって贈ると、大変失礼なことになります。じゅうぶんに気をつけたいところです。

お見舞い金を渡すタイミング

入院した人の役に立ちたい、力になりたいという気持ちをあらわすお見舞い金ですが、現金であるため渡すタイミングも重要です。品物と異なり、帰り際に渡すのがよいタイミングだと言えます。お見舞いにきて、すぐに差し出されると受け取りにくいうえに、押しつけがましいと感じる場合もあると思います。

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