これだけは押さえて! 大人の女性の「冠婚葬祭マナー」
冠婚葬祭で押さえておくべきマナー【葬式・通夜編】
お葬式・お通夜の場では、
・当日の服装
・お香典の渡し方
・お悔やみの述べ方
の3つが気をつけたい点となります。それぞれについて確認していきましょう。
葬式・通夜に出席する際の服装
葬式・通夜での服装は、双方で少し異なります。アクセサリーのポイントと併せて覚えておきましょう。
服装
お葬式では喪服を着用します。この喪服は、ワンピースやスーツ、アンサンブルなどが該当します。生地は光沢のないもので、襟もとは開きすぎず、詰まった物を選びましょう。コートを羽織る場合、仏式では獣の殺生を禁じていることから、毛皮やレザーはNGです。靴は飾りや光沢のない黒のプレーンなパンプスを用意し、ストッキングも黒を着用します。
お通夜の場合、多少服装規定は軟化し、黒または地味な色で、地味なデザインのワンピースやスーツを着用すれば良しとされています。その理由は、通夜は急遽決まるもののため、お葬式と違って「駆け付ける」ことも十分ありえるからです。当然、服装も用意している余裕があるはずもなく、地味であれば問題なしというわけです。色でいえば紺色やダークグレーも大丈夫です。こんな場合も想定して、職場のロッカーに1着、黒のジャケットを置いておくと重宝します。
近頃、葬儀に参列せず通夜だけに参列する人が増えてきました。それに伴い、喪服で通夜に行く人も増え、葬儀と変わらない服装の人が多く見受けられます。もちろん、喪服で礼をつくして通夜に行くのはマナー違反ではありません。
アクセサリー、バッグ
葬儀、お通夜でのアクセサリーは、パール(黒、白)の一連のネックレスかオニキスが基本です。ネックレスとともに、イヤリングもパールの一粒タイプの物をつけます。気をつけなければならないのは、ネックレスは一連の物しか許されないこと。2連、またはロングタイプを二重に巻くのは「悲しみが二重になる」との意からNGとなります。
また、バッグは黒の小ぶりの物で布製が望ましいのですが、皮のバッグでもOK。ただし、光沢がある、金具が大きくてピカピカしている物は避けましょう。
葬式・通夜の香典について
香典に包む金額の相場
包むべき金額の相場は、以下のとおりです。
両親:5万~10万円
親戚:1万~5万円
友人、仕事関係:1万円
知人:5,000~1万円
なお、2・4・6・9がつく金額は、タブーなので避けるのが鉄則。新札ではなく使用済みのお札を入れ、新札しかない場合はひと折りしてから入れるようにします。
香典袋の選び方
香典袋は、仏式・神式では、結び切りで黒白(または銀色)の水引の袋を選びます。まれに京都などでは、黄白の組み合わせの袋もありますが、結び切りであることに変わりはありません。結び切りは解くことができないほど水引を固く結んだ物のため、葬儀のように「人生に一度きり」の場合に使います。
香典袋は中に入れる金額に合わせ、3,000~5,000円の場合は水引が印刷された物を、1万~3万円の場合は黒白・銀の水引が施された物を選びましょう。
キリスト教の葬儀では、お花料として、白色無地で十字架や百合の花が印刷された袋を使うのが一般的です。水引の袋も蓮の花の印刷が施されていなければ、「ご霊前」として使用できます。
香典袋の表書き
香典袋(不祝儀袋)の表書きは、「御香典」「お香典」「ご霊前」「御仏前」などと書くのが基本ですが、同じ仏式でも宗派によって書き方が異なったりします。ここでは、それぞれの書き方を紹介しましょう。
・仏式の場合
仏教の場合の表書きは、一般的に「御霊前」が多く、この表書きは通夜・葬儀だけでなく四十九日(忌明け)より前の法要でも用いられます。ただし、浄土真宗では「御仏前」を用います。
・神式の場合
「御霊前」「御玉串料」「ご霊前」「神饌料」などと記載します。
・キリスト教式の場合
「ご霊前」「お花料」などと書くのが一般的です。
・無宗派式、宗派がわからない場合
「御霊前」「ご霊前」などと記載します。
葬式・通夜での振る舞いについて、気をつけるべきポイント
葬式・通夜では服装だけでなく振る舞いにもマナーがあります。
お悔やみの述べ方
「この度はご愁傷様でございます」「心よりお悔やみを申し上げます」「突然のことで驚いております。どうかお力を落とされませんように」などが常套句です。
ただし、すらすらと流暢にお悔やみの言葉を述べれば良いというものではありません。たとえうまく言葉にできなくても、遺族の悲しみを思い、黙って頭を下げるだけでもお悔やみの気持ちは伝わります。ただし、死者に手向ける礼は最敬礼といって、45~60°の深いお辞儀を心掛けてください。受付で香典を渡すときも同様に「ご愁傷様でございます」とお辞儀をしてから渡します。
会場で気をつけるべきこと
ご焼香の際にはたくさんの人が自分の後ろに並んでいることを意識して、姿勢を良くしましょう。そのほかに大事なことは、遅刻をしないこと。遅れると読経やお焼香といった流れを妨げてしまうので、時間を守って到着するようにしましょう。
また、葬儀場では、基本的に遺族と直接話すことはありません。親しい場合は声をかけることもありますが、長話は避け、お悔やみは手短に述べるのが常識です。ましてや、この場で死因を尋ねたりするのはNGなので気をつけてください。