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年収に見合った家賃相場って? 年収と家賃のバランスの取り方

寺野裕子

Hatsumi

よく「家賃は年収の3割程度が適正相場」と言われていますよね。しかし、余裕を持って生活したり貯金したりするためには、年収の2~2.5割程度の家賃でないと厳しいという声もあります。そこで今回は、年収別の家賃の目安や、家賃相場よりも高い金額の物件に住むためのコツについて、ファイナンシャルプランナーの寺野裕子さんに解説してもらいました。

年収の何割程度が理想の家賃?

年収や手取りに対して、どれくらいの金額が理想の家賃設定と言えるのでしょうか?

理想の家賃相場とは?

好ましい家賃設定は、将来へ備えるための貯蓄資金、たとえば手取り収入の最低1割を貯蓄に回せる状況を確保した上で、余裕を持って支払うことができる金額ということになります。金額にもよりますが、給与から税金や社会保険料が2割前後差し引かれ、残った手取り額が自由に使えるお金。一般的には、収入に対する適正な家賃相場の目安は、手取り額の2~3割と言われています。

しかし、家賃が年収の2~3割の適正範囲内をクリアできていても、食費や光熱費、娯楽費といった、ほかの生活資金の使い方次第では家計が苦しくなってしまう上、貯蓄も思うようにできず悩んでしまう人も多いでしょう。自分が希望する生活スタイルを実現するためには、使うお金の優先順位を決めなければいけません。たとえば、収入に対して家賃相場が高くても住居環境を優先したいのであれば、ほかの費目を削ります。住居よりも旅行や自己研鑽のための勉強に対する費用を優先したいのであれば、家賃を抑える必要が出てくるでしょう。収入に対して無理のない家賃額であることも大切なので、好ましい金額は年収によって変わってきます。

年収・手取り別で見る家賃相場

ここからは年収別に、一般的とされている「年収の2~3割の家賃相場」の目安と、手取り額の1割を貯蓄とし、残った自由に使えるお金を計算してみましょう。以下を確認することで、実際のところ、家賃は2~3割以内には抑えたいということが見えてくると思います。
※手取り収入額の計算は配偶者控除や扶養控除、生命保険料控除などは考慮していません。

年収200万円

年収200万円の場合、手取り額は160万円程度でしょう。一般的な家賃相場での目安は、次のようになります。

<手取り額の20%の場合>
家賃月額:2万6,000円
1割貯蓄と家賃を引いた自由に使えるお金:月9万3,000円

<手取り額の30%の場合>
家賃月額:4万円
1割貯蓄と家賃を引いた自由に使えるお金:月8万円

年収200万円の場合、実際には最低1割の貯蓄は難しいかもしれません。できるだけ住居費を抑える意識を持つこと、さらには収入アップの道を探ることも必要となってくるでしょう。

年収300万円

年収300万円の場合、手取り額は240万円程度でしょう。一般的な家賃相場での目安は、次のようになります。

<手取り額の20%の場合>
家賃月額:4万円
1割貯蓄と家賃を引いた自由に使えるお金:月14万円

<手取り額の30%の場合>
家賃月額 6万円
1割貯蓄と家賃を引いた自由に使えるお金 月12万円

年収400万円

年収400万円の場合、手取り額は320万円程度でしょう。一般的な家賃相場での目安は、次のようになります。

<手取り額の20%の場合>
家賃月額:5万3,000円
1割貯蓄と家賃を引いた自由に使えるお金:月18万6,000円

<手取り額の30%の場合>
家賃月額:8万円
1割貯蓄と家賃を引いた自由に使えるお金:月16万円

年収300万円や400万円の場合、利便性を優先して、相場よりも家賃が高めの部屋を選んでいる人もいるかもしれません。しかし、相場以上の家賃負担で無理をして、家計が苦しいと感じていませんか? 家賃が高いと感じている場合には、引越しや、その他支出の見直しも考えてみましょう。

年収500万円

年収500万円の場合、手取り額は400万円程度でしょう。一般的な家賃相場での目安は、次のようになります。

<手取り額の20%の場合>
家賃月額:6万6,000円
1割貯蓄と家賃を引いた自由に使えるお金:月23万3,000円

<手取り額の30%の場合>
家賃月額:10万円
1割貯蓄と家賃を引いた自由に使えるお金:月20万円

年収600万円

年収600万円の場合、手取り額は470万円程度でしょう。一般的な家賃相場での目安は、次のようになります。

<手取り額の20%の場合>
家賃月額:7万8,000円
1割貯蓄と家賃を引いた自由に使えるお金:月27万4,000円

<手取り額の30%の場合>
家賃月額:11万7,000円
1割貯蓄と家賃を引いた自由に使えるお金:月23万5,000円

年収700万円

年収700万円の場合、手取り額は540万円程度でしょう。一般的な家賃相場での目安は、次のようになります。

<手取り額の20%の場合>
家賃月額:9万円
1割貯蓄と家賃を引いた自由に使えるお金:月31万5,000円

<手取り額の30%の場合>
家賃月額:13万5,000円
1割貯蓄と家賃を引いた自由に使えるお金:月27万円

年収が500万円、600万円、700万円になると、将来に向けた貯蓄に余裕を持って取り組めることも可能となります。家賃は手取りの3割以下を目指し、1割以上の貯蓄をするのが理想といえるでしょう。

年収800万円

年収800万円の場合、手取り額は600万円程度でしょう。一般的な家賃相場での目安は、次のようになります。

<手取り額の20%の場合>
家賃月額:10万円
1割貯蓄と家賃を引いた自由に使えるお金:月35万円

<手取り額の30%の場合>
家賃月額:15万円
1割貯蓄と家賃を引いた自由に使えるお金:月30万円

年収900万円

年収900万円の場合、手取り額は660万円程度でしょう。
一般的な家賃相場での目安は、次のようになります。

<手取り額の20%の場合>
家賃月額:11万円
1割貯蓄と家賃を引いた自由に使えるお金:月38万5,000円

<手取り額の30%の場合>
家賃月額:16.5万円
1割貯蓄と家賃を引いた自由に使えるお金:月33万円

年収1,000万円

年収1,000万円の場合、手取り額は730万円程度でしょう。一般的な家賃相場での目安は、次のようになります。

<手取り額の20%の場合>
家賃月額:12万1,000円
1割貯蓄と家賃を引いた自由に使えるお金:月42万6,000円

<手取り額の30%の場合
家賃月額:18万2,000円
1割貯蓄と家賃を引いた自由に使えるお金:月36万5,000円

年収が800万円以上になると、家計的には余裕を持って家賃10万円以上の物件に住むことが可能といえます。ただし、余裕があるために相場以上の家賃負担をしてしまうことも。家賃負担と1割の貯蓄を差し引いた自由に使えるお金にも余裕があるので、油断をして浪費してしまい、意外とお金が貯まらないという落とし穴に陥る危険もあります。家賃負担は目安である収入3割以内に抑えて、落とし穴にはまらないよう注意しましょう。

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