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【漢方薬ビギナーQ&A】漢方薬はどこで買えるの? 病院・薬局・ドラッグストアの違い

岸本京子

伊藤康江

漢方薬はどこで買えるの?

では、実際に漢方薬はどこで買えるのでしょうか? 病院、ドラッグストアに売っているイメージだけど……。それぞれで手に入る漢方薬に違いはあるのか、先生にくわしく解説してもらいました。

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漢方薬はどこで売っているの?

大きく分けると、「病院や漢方専門クリニック」「漢方薬局」「ドラッグストア」の3つがあります。それぞれの特徴やメリットは以下のとおりです。

病院や漢方専門クリニックの場合

病院と漢方専門クリニックでは、いくつか違いがあります。薬が処方されるまでの大きな流れは「予約→診察→処方」と一緒なのですが、漢方専門クリニックは予約すれば受診できるのに対し、大学病院の多くは予約時に紹介状が必要になります。

また、漢方専門クリニックでは「四診」と呼ばれる漢方独特の診察をします。自覚症状や生活習慣を聞く「問診」、肌や舌の色、表情などを観察する「望診」、脈を測ったり、お腹を触ったり、直接患者に触れて状態をチェックする「切診」、口臭や声の大きさなどを診る「聞診」で、その人の“証”に合った漢方薬をその場で処方します。一方、病院は「四診」に加えさまざまな検査ができます。漢方専門クリニックでも一般的なスクリーニング検査は患者さまの体調管理のため行っていますが、病院ではさらに専門性の高い検査で西洋医学と漢方医学の両面から病態にアプローチできるのが、(病院の)最大のメリットです。

また病院やクリニックでは、保険が利く“保険診療”と保険が利かない“自由診療”があります。保険が適用されるのは147種類のエキス製剤(顆粒や粉末状にしたもの)と1種類の軟膏、242品目の生薬のみ。病気によっては、効果があると言われている生薬が保険適用外の場合もあります。その薬を使用したくても保険内と保険外の薬を併用することは“混合診療”となるため、法律で禁止されています。病院を受診する前に保険診療なのか、自由診療なのか必ず確認しましょう。

漢方薬局の場合

漢方薬局にいるのは、医師ではなく、薬剤師の方。したがって、患者に触れるほか、医療行為をすることができません。とはいえ、ていねいな問診と舌の色などをチェックして、その人に合った漢方薬をその場で処方するのが漢方薬局。品質のよい生薬を扱っていることが多い半面、費用が高くなりやすいです。

ドラッグストアの場合

一番のメリットは手軽さ。処方箋がなくても簡単に買えます。しかし、同じ症状でも“証”に合う漢方薬が違ったり、複数の漢方薬を併用したりする場合は、生薬を過剰摂取してしまうケースも。店頭の薬剤師に相談するようにしましょう。

それぞれ手に入る漢方薬に違いはあるの?

ひと言で漢方薬と言っても、それぞれで処方される薬に違いがあるのでしょうか? 価格や効果など、その違いについて教えていただきます。

病院の場合

保険診療の場合は薬代が割安ですが、前述のとおり使用できる漢方薬が147種類のエキス製剤と1種類の軟膏、242品目の生薬に制限されます。自由診療の場合は、保険適用外の漢方薬も使用できますが、その分高額に。1カ月の薬代の目安として、保険診療だと3,000円~、自由診療だと2万円以上になります。

漢方薬局の場合

病院や漢方専門クリニックが取り扱っているもの以外の生薬(保険適用外)も多数取り扱っているため、患者に合ったオーダーメイド処方が可能です。生薬の品質にこだわり、配合などの調整もできます。ただ保険が利かないため、薬代が高額になります。

ドラッグストアの場合

市販薬は、配合されている生薬の量が病院やクリニックで処方されるものに比べておよそ半分と少なく(ただし葛根湯と小青竜湯は処方薬と同量)、効果もゆるやかです。それを踏まえると、少々割高。また置いてある漢方薬の種類もドラッグストアにより異なります。

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