納豆の美容と健康効果を管理栄養士が解説
納豆の種類と栄養成分
納豆を食べている女性は、さまざまな効果を感じているようです。そこで、そもそも納豆とはどんな食品で、どんな栄養があるのかについて、園部さんに聞いてみました。
納豆とは
園部:大豆を納豆菌で細菌発酵させた発酵食品が「納豆」です。納豆には、大きく分けて「糸引き納豆」「五斗納豆」「寺納豆」の3種類があります。
糸引き納豆
日本で一般的に納豆と言われているのは「糸引き納豆」のことで、蒸したりゆでたりした大豆に納豆菌を加えて発酵させたものです。
五斗納豆
糸引き納豆に米麹と塩を加えて発酵させたもので、山形県米沢地方の郷土食です。
寺納豆
中国から伝わったもので、大豆から麹を作り、塩水に漬けて数カ月熟成させてから乾燥させたもの。「塩辛納豆」や「塩納豆」とも呼ばれています。
納豆の種類
園部:納豆は大豆のサイズによって大粒、中粒、小粒、極小粒、超極小粒、ひきわり(丸大豆を割ったもの)に分類されます。今回は代表的な以下の3種類について説明します。
大粒
大粒納豆は食べ応えがあり、粘り気は少なめです。粒が大きいので、大豆そのものを食べているような感じがあります。ご飯にかけるよりも、そのままおかずとして食べるほうがよいでしょう。
小粒
小粒納豆は、大豆を納豆専用に品種改良したものです。ご飯と一緒に食べやすく、粘りが強いのが特徴です。
ひきわり納豆
ひきわり納豆は、発酵してから刻むのではなく、大豆を砕いてから発酵させます。皮がないので発酵スピードが速く、粘り気も最も強いです。ソースや納豆和えなどに使いやすく、離乳食などにも応用できます。
納豆の栄養成分
園部:納豆は1パック40~50gのものが主流ですが、50gの納豆には以下の栄養素が含まれています。
たんぱく質
たんぱく質は約8g含まれています。これは体重50kgの女性が1日に摂りたいたんぱく質量の1/6です。1食分としては少し足りない量なので、卵やしらすなどのほかのたんぱく質食品と組み合わせて食べるとよいでしょう。
ビタミン
ビタミンも豊富に含まれています。特にビタミンK、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、ビオチンです。ビタミンKには、血を止める、骨を丈夫にする、動脈の石灰化を防止するなどの働きがありますが、納豆はサプリメント並みにビタミンKが豊富です。またビタミンB2は、口内炎や肌荒れに効果的で、脂質の代謝を助けてくれます。
ミネラル
カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などが含まれています。食物繊維も豊富で、なんと納豆1パック(50g)中に3.4g=にんじん2.5本分も含まれています。
そのほかの有効成分
そのほかに、大豆レシチン、大豆サポニン、大豆イソフラボン、ナットウキナーゼ、ポリアミンなど有効成分も含まれています。
納豆キナーゼとは
園部:納豆に含まれる有効成分で「ナットウキナーゼ」というものが有名ですが、これは納豆菌が作り出すたんぱく質を分解する酵素のひとつで、納豆のネバネバ成分に含まれています。ナットウキナーゼには、血管にできる血栓を溶かしやすくする働きがあります。
ちなみに、ナットウキナーゼは熱に弱いという性質を持つため、ナットウキナーゼを目的として摂取する場合は、加熱せずに食べるようにしましょう。