風邪薬とお酒の同時摂取が危険な理由~薬服用時の飲酒について~
あなたは薬を服用する際に、きちんと用法・用量を守っていますか? 「ちょっとなら大丈夫だろう」「一回だけなら大丈夫だろう」と、薬を水以外で飲んだり、薬を飲んだ後、飲酒したりしていませんか? 今回は風邪薬とお酒の同時摂取の危険性について家庭医療専門医・宇井睦人先生の解説を紹介します。
<目次>
風邪薬とお酒の飲み合わせが危険な理由
そもそもなぜ、風邪薬とお酒の飲み合わせは危険なのでしょうか? 宇井先生に教えてもらいました。
(1)風邪薬とお酒の飲み合わせが危険な理由
多くの市販の風邪薬は、せき・鼻水・のどの痛みなどを抑える目的で、いくつかの成分が混合されている“総合感冒薬”として製造されています。総合感冒薬の成分の中には鼻水などを抑える目的で“抗ヒスタミン成分”が含まれていることが多く、眠気や集中力低下などの副作用があります。この成分はアルコール摂取によって増強することが指摘されており、眠気・判断力低下などの副作用が強く現れる可能性があります。
飛行機のパイロットは抗ヒスタミン成分を含んでいるお薬を内服すると航空業務に従事することができないことになっています(一部の抗ヒスタミン薬を除く)。アルコールを飲んだ時ももちろん航空業務に従事してはいけませんが、風邪薬を一粒飲んでも仕事ができないほど抗ヒスタミン薬は注意が必要とされている成分であり、アルコール飲酒下ではさらにその副作用が増強する可能性があるわけですから十分な注意が必要です。