
【妊娠出産のウソ&ホント】妊娠中は怖い夢を見やすいってホント?
将来妊娠したい、したくないに関わらず、妊娠・出産は未知の世界。出産未経験の女性たちが感じている妊娠・出産にまつわる素朴なギモンについて、産婦人科専門医の尾西芳子先生がわかりやすく教えてくれます。ウソかホントかわからない情報に惑わされずに、正しい知識を身につけましょう!
先輩ママの中には、「妊娠していたときは、怖い夢をよく見ていた」なんていう人もちらほらいるようです。だけど、実際にそんなことは起こりえるのでしょうか? もし本当にそうなら、いったい何が原因なのでしょうか? 今回は、そんな妊娠中に見る「怖い夢」にまつわるウソ&ホントに迫りました! 産婦人科医の尾西芳子先生に解説してもらいましょう。
本日の「ソボクな疑問」
Q.妊娠中は怖い夢を見やすいってホント?
<読者の声>
・体調不良と連動して見そう。(27歳/情報・IT /秘書・アシスタント職)
・妊娠中はハッピーだから、怖い夢とは縁遠いと思う。(30歳/団体・公益法人・官公庁/秘書・アシスタント職)
・眠りが浅くなり、夢を覚えている確率が高くなると思う。あと、おなかの重さで、苦しい夢を見るような気がする。(29歳/金融・証券/事務系専門職)
・関係性があるのかが、わからない。(27歳/学校・教育関連/販売職・サービス系)
尾西先生のアンサーは!?
答えは……
「ウソ」です!
たしかに、妊娠中はホルモンバランスの影響で、寝つきにくくなったり眠りが浅くて途中で目が覚めたりなど、不眠がちになる人はいます。だからといってそれが怖い夢につながるとはいえません。
とはいえ、「マタニティブルー」という言葉があるように、妊娠中はうつになりやすいことが医学的に証明されていますので、大なり小なり妊婦さんが抱えている漠然とした不安が怖い夢になって現れてしまう可能性は、なきにしもあらずでしょう。そういう意味では、コメントにある「妊娠中はハッピーだから、怖い夢とは縁遠い」わけではありません。
また、もうひとつ「妊娠すると怖い夢を見やすい」と思われているのは、妊娠中は普段よりも眠りが浅いことが関係しているかもしれません。人は眠りが浅いときに夢を見ているといわれていますので、妊娠中に眠りが浅いと、ふと目が覚めたときに「何か夢を見たな」という記憶をともなっていることが多いのでしょう。
「おなかの重さで、苦しい夢を見るような気がする」という声がありますが、これは医学的に立証できるものではないので、なんともいえません。ただ、妊婦さんはおなかが大きくなれば、自分が苦しい姿勢を自然と避けて横向きになって寝ていたりしますので、「おなかが重すぎて苦しい夢を見る」ということはなさそうな気がします。
先ほど、妊娠中は「寝つきにくい」「眠りが浅くなる」などとお話ししましたが、個人差のあることですし、逆に「妊娠中はどれだけでも寝られる」「常に眠くて仕方がない」という人もいるので、不眠になるんじゃないかという過度な心配はやめましょう。同様に、たとえ怖い夢を見たところで夢は夢なので、「怖い夢を見るかもしれない」などと考えないほうがいいですね。
(取材協力:尾西芳子、文:ヨダヒロコ、撮影:masaco)
※一部画像はイメージです
※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.24)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2017年03月25日に公開されたものです