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鼻にティッシュはNG!? 耳鼻科医に聞く、正しい鼻血の止め方

渡邊千寿子

鼻血が出たときに「とりあえず鼻にティッシュを詰めておこう!」と処理をしてしまっている人って意外と多いのではないでしょうか。でも、見た目もカッコ悪いし、これだけで鼻血が止められるとは思えませんよね。では、正しい鼻血の止め方とは? 耳鼻咽喉科医の渡邊千寿子先生に、鼻血についてお話をお聞きしました。

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鼻血のメカニズムQ&A

Q1.鼻血が出てしまう原因やメカニズムとは?

鼻血のほとんどは、小鼻の内側(鼻中隔)にある、“キーゼルバッハ”という血管が集まっている部分が傷ついてしまうことで起きています。細かな血管がたくさん走っているキーゼルバッハは、少しの衝撃でも血管が破れやすい部分。鼻をかみすぎたり、ほじりすぎたりして鼻血が出るのは、これが原因です。

ほかにも、高血圧も鼻血が出やすい要因になります。血圧があがると、血管が破れやすくなってしまいます。冬の季節は血圧が上がりやすいので、特に注意が必要。逆に、血圧が低かったり貧血気味だったりすると一度出てしまった鼻血が止まりにくくなり、チョロチョロと出血し続ける事態が起こります。

Q2.鼻血が出やすい人の特徴はあるのでしょうか?

鼻血が出やすい人の中には、「鼻中隔湾曲症」といって鼻の骨が曲がっている人がいます。片方だけ鼻がつまるというのも、これが原因の人が多いはずです。曲がっている部分が小鼻にあたりやすくなるので、その分鼻血が出やすくなってしまいます。

また先ほど話したように、血圧が高すぎる人も鼻血が出やすい傾向があります。血圧が高すぎると血がどっと出てしまうのです。血圧を正常範囲内に収めることが、重要になってきますよ。

そして、血液が増える妊娠中は自然と鼻血が出ることがよくあります。これは、余分な循環血液量を出す作用で、病気ではありません。ただ貧血による場合もあるので頻繁に起きる場合は病院に行って調べましょう。

上記のことに心当たりがなく、鼻を触っていないのに頻繁に鼻血が出るという人は病気の可能性も考えられるので、やはり一度病院で診察を受けることをオススメします。

Q3.鼻血が出たときはどのように止めるのが正解?

鼻血が出たときの対処法ですが、やりがちなティッシュを鼻に詰める方法はオススメできません。鼻血が止まってティッシュを取る際に、かさぶたも一緒にとれてしまい、また鼻血が出てしまうことがよくあります。

適切な鼻血の止め方として、下を向いて小鼻を押さえる方法がよいでしょう。90%以上の場合は鼻のまん中より下の部分から血が出ています。なので、鼻の根元を押さえなくても、小鼻を押さえれば対処できます。この際、「止まったかな?」と思っても、すぐ離すのではなく2~3分は押さえたままにするようにしてください。

ひと昔前は、上を向いて首をトントンと叩くのがいいといわれていましたが、上を向いてしまうと鼻血が喉に回って、気持ち悪い思いをすることがありますよね。したがって、血が回らないように下を向いた状態で鼻を押さえてください。

まとめ

鼻血が出たら、下を向いて小鼻を押さえる対処法が有効だということがわかりました。これなら会社や街中で鼻血が出てしまっても、スマートに止血ができそう。今後鼻血が出てしまった人がいたら、慌ててティッシュを渡すのではなく、この方法をこっそり教えてあげましょう!

(取材協力:渡邊千寿子、文:石部千晶/六識)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.24)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2017年01月17日に公開されたものです

渡邊千寿子

女医+(じょいぷらす)所属。池袋にあるステラ耳鼻咽喉科の院長・医学博士。患者ひとりひとりと向き合ったきめ細やかな診察で評判が高い。趣味は東京ドームでの野球観戦。

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