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【妊娠出産のウソ&ホント】妊娠のしやすさは遺伝するってホント?

尾西芳子(産婦人科専門医)

ヨダヒロコ/六識

将来妊娠したい、したくないに関わらず、妊娠・出産は未知の世界。出産未経験の女性たちが感じている妊娠・出産にまつわる素朴なギモンについて、産婦人科専門医の尾西芳子先生がわかりやすく教えてくれます。ウソかホントかわからない情報に惑わされずに、正しい知識を身につけましょう!

「いつか母になりたい!」と妊活に励んでいる女性は多いですよね。だけど、妊娠しやすい人・しにくい人がいるのも事実です。そんな中、「妊娠のしやすさは遺伝する」と聞いたことがある人はいませんか? では、実際のところはどうなのでしょう。今回は、そんな遺伝にまつわるウソ&ホントに迫りました!

本日の「ソボクな疑問」

Q.妊娠のしやすさは遺伝するってホント?

<読者の声>

・子だくさんの親を持つ子は、子どもがたくさんなイメージ。(23歳/運輸・倉庫/事務系専門職)
・婦人科系の病気も遺伝が関係しそうなので妊娠しやすさも多少影響すると思う。(27歳/医療・福祉/専門職)
・その人の体質や生活習慣によると思う。(27歳/情報・IT/事務系専門職)
・同じ人でも第二子は妊娠しにくい人もいるから遺伝しない。(30歳/学校・教育関連/秘書・アシスタント職)

尾西先生のアンサーは!?

答えは……
う~んです!

妊娠のしやすさが遺伝するという医学的データはありませんし、お母さんが妊娠しやすいからといって子どもも妊娠しやすいとは限りません。

「同じ人でも第二子は妊娠しにくい人もいるから遺伝しない」という声も、そのとおりだと思います。ちなみに、第二子が妊娠しにくい要因は、上の子を育てている忙しさやストレス、またお母さん自身の年齢があがっているという側面からきていることも。ただ体質的に複数個を排卵しやすい人というのは一定数いて、また双子は遺伝しやすいとも言われていますので、そういう意味では、多少は遺伝も関係していると考えられます。

一方で、妊娠しやすさというよりは、不妊の原因となる病気……婦人科系の病気はもちろん、甲状腺疾患、リウマチやSLE(全身性エリテマトーデス)といった膠原病など、遺伝的に発症した病気による「妊娠のしにくさ」みたいなものは関係している可能性はあります。

とはいえ基本的に、妊娠しやすい・しにくいというのは、遺伝以上に、その人自身の体質や生活習慣、環境因子が影響しているはず。コメントの中に「子だくさんの親を持つ子は、子どもがたくさんなイメージ」とありますが、「大家族で育っているために、同じような状況を自然と望んでしまう」という環境因子のほうが大きいことも考えられますね。

ですから、「親が子だくさんだから、自分も大丈夫だろう」と安心するのは危険です。親子といえど体質は異なる場合も多いので、「親がこうだから」と決めつけず、自分の体で気になることがあれば積極的に婦人科を受診するようにしましょう。

(取材協力:尾西芳子、文:ヨダヒロコ、撮影:masaco)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.26)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年12月17日に公開されたものです

尾西芳子(産婦人科専門医)

高輪台レディースクリニック副院長

日本産科婦人科学会会員
日本女性医学学会会員(専門医)
日本産婦人科乳腺学会会員

神戸大学国際文化学部卒業後、山口大学医学部学士編入学。慈恵医大病院、日本赤十字社医療センター、済生会中津病院の勤務を経て、都内の産婦人科クリニック勤務。2017年7月、高輪台にて開業。

妊娠・出産から、婦人科がんの手術、不妊治療と広く学び「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と女性のすべての悩みに応えることのできる女性のかかりつけ医を目指す。モデルの経験を活かし、美と健康に関する知識も豊富。Webの連載をはじめ、TV、雑誌、講演会で活躍中。

オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/

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ヨダヒロコ/六識

女性向けライフスタイル情報誌&Webサイトの編集者を経て、 2013年に制作プロダクション「六識」をスタート。「働く女性が笑顔でいられる生き方を応援したい」という想いで、グルメや美容、マネー、恋愛・結婚をテーマにした記事の構成~執筆を行う。2児の母として、時短グッズの情報収集に余念がない。仕事・家事・育児に追われる日々の中、月に一度のネイルが癒しに。

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