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【妊娠出産のウソ&ホント】妊婦は歯医者に行っちゃダメってホント?

尾西芳子(産婦人科専門医)

将来妊娠したい、したくないに関わらず、妊娠・出産は未知の世界。出産未経験の女性たちが感じている妊娠・出産にまつわる素朴なギモンについて、産婦人科専門医の尾西芳子先生がわかりやすく教えてくれます。ウソかホントかわからない情報に惑わされずに、正しい知識を身につけましょう!

妊娠をすると口内環境が荒れるとよく聞くけれど、虫歯の治療でレントゲンや麻酔を使うのは一般的。治療中は痛み止めなどの薬を処方されることもあります。そう考えると、おなかの赤ちゃんに影響がないのかが気になりますが、実際のところどうなのでしょうか? 今回は、そんな妊娠中の歯医者にまつわるウソ&ホントに迫りました!

本日の「ソボクな疑問」

Q.妊婦は歯医者に行っちゃダメってホント?

<読者の声>

・麻酔とかの投薬がよくない気がして不安。(24歳/農林・水産/事務系専門職)
・口の粘膜からいろいろなものを吸収してしまう恐れがあるから。(27歳/情報・IT/事務系専門職)
・定期健診を含めて、行くべきだと思う。(27歳/生保・損保/事務系専門職)
・妊婦さんは行かないほうがいいと聞いたことがありますが、理由がわかりません。(29歳/情報・IT/事務系専門職)

尾西先生のアンサーは!?

答えは……
ウソです!

妊娠すると、女性ホルモンの変化や免疫力の低下、つわりで歯が磨けないなど、さまざまな要因により、歯周病や虫歯など口の中のトラブルが発生しやすくなります。特に歯周病は、原因菌が全身にまわると早産の危険性が高まることが明らかになっているため、たとえ妊娠中であっても、きちんと治療してもらうことが大切です。

「麻酔とかの投薬がよくない気がする」というコメントがありますが、麻酔に関しては口の中だけの局所麻酔であれば問題ありません。また虫歯治療の前にはどのくらい深く進行しているかをチェックするためにレントゲンを撮ることもありますが、必要があればおなかにシールドをしてもらえますので、大丈夫ですよ。

「口の粘膜からいろいろなものを吸収してしまう恐れがある」という声は、恐らく薬のことかと思うのですが、粘膜から吸収してしまうことはないので安心してください。たとえ吸収したとしても胎盤に行くまでにお母さんの中ですべて代謝してしまうので、赤ちゃんまで行くことはありません。

とはいえ、痛み止めの薬に関しては妊娠中に飲んでもいいものとダメなものがあるので、歯医者に行く際には、妊娠中であることを必ず歯医者さんに伝えましょう。

「定期検診を含めて、行くべき」というのはまさにその通りで、妊娠中はどうしてもトラブルが起きやすくなるため、できれば妊娠前から口の中を定期的にチェックしておくのがベストです。その時点で何か問題があれば、妊娠する前に治しておきましょう。もちろん、妊娠中はしっかり歯磨きすることを心がけてくださいね。

(取材協力:尾西芳子、文:ヨダヒロコ、撮影:masaco)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.26)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年10月22日に公開されたものです

尾西芳子(産婦人科専門医)

高輪台レディースクリニック副院長

日本産科婦人科学会会員
日本女性医学学会会員(専門医)
日本産婦人科乳腺学会会員

神戸大学国際文化学部卒業後、山口大学医学部学士編入学。慈恵医大病院、日本赤十字社医療センター、済生会中津病院の勤務を経て、都内の産婦人科クリニック勤務。2017年7月、高輪台にて開業。

妊娠・出産から、婦人科がんの手術、不妊治療と広く学び「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と女性のすべての悩みに応えることのできる女性のかかりつけ医を目指す。モデルの経験を活かし、美と健康に関する知識も豊富。Webの連載をはじめ、TV、雑誌、講演会で活躍中。

オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/

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