【妊娠出産のウソ＆ホント】朝のセックスが妊娠しやすいってホント？
将来妊娠したい、したくないに関わらず、妊娠・出産は未知の世界。出産未経験の女性たちが感じている妊娠・出産にまつわる素朴なギモンについて、産婦人科専門医の尾西芳子先生がわかりやすく教えてくれます。ウソかホントかわからない情報に惑わされずに、正しい知識を身につけましょう！
積極的に“妊活”をしている人の中には、「時期や時間などタイミングを見計らってセックスをしている」という人は多いもの。妊娠しやすい時期が排卵日であることは有名ですが、「朝のセックスも妊娠しやすい」という説もあるよう。実際、それは本当なのでしょうか？ 今回は、そんな朝のセックスにまつわるウソ＆ホントに迫りました！
本日の「ソボクな疑問」
Q．朝のセックスが妊娠しやすいってホント？
＜読者の声＞
・周期は関係あるだろうけど時間帯は関係ないと思っていた。（27歳／医療・福祉／専門職）
・夜のほうが、セックスのあと、安静にしそうなので妊娠しやすそう。（28歳／医薬品・化粧品／販売職・サービス系）
・時間帯が妊娠に関係あるのか聞いたことがないので、もしあるなら聞いてみたい。（30歳／情報・IT／技術職）
・よく寝てダメージや疲れが取れている状態のほうが、質のいい精子がありそう。（32歳／ホテル・旅行・アミューズメント／販売職・サービス系）
尾西先生のアンサーは!?
答えは……
「ウソ」です！
おそらくこの説は、「朝のほうが精子が元気そう」というイメージから出てきたのでしょうが、そのようなデータは発表されていませんし、「朝に妊娠しやすい」ということも科学的には証明されていません。
ただ精子の数や運動率などは、採取する“時期”によって大きく異なるということは知られています。たとえば仕事が忙しかったりストレスが多かったりする時期は、精子の所見はすごく悪くなります。ですから、一度精液チェックをして悪かったというだけで、すぐに不妊治療をすることはすすめません。1～2カ月空けて再検査すると、状態がよくなっていることも多々あるからです。
そう考えると、「よく寝てダメージや疲れが取れている状態のほうが質のいい精子がありそう」というコメントにあるように、ぐっすり寝た朝は精子の状態がいいと思いがちですが、実は精子は作られてすぐに出てくるものではありません。精子は毎日作られますが、しばらく時間をかけてたまったものが出てくるため、よく寝た朝にセックスをしたからといって、その日作られた精子が出てくるわけではないのです。また、「夜のほうがセックスのあと、安静にしそうなので妊娠しやすそう」という声もありましたが、これもあまり関係ありません。
むしろ精子の状態を良好に保ちたいのであれば、セックスをする時間よりもライフスタイルを気にしましょう。睡眠不足や喫煙、お酒の飲み過ぎなど不摂生をしていると精子の状態は悪くなります。ですから、適度な運動やバランスのいい食事を心がけることを優先してほしいですね。
まとめ
ちなみに、妊活中の人の中には排卵日しかセックスをしないという人もいますが、「禁欲期間」＝「精子を出さない期間」が長いと精子は劣化してしまいますので、日ごろから仲よくしておくことも大事だと思います。ただし、毎日だと精子が薄まってしまうので、3日おきくらいがベストだと言われていますよ。
（取材協力：尾西芳子、文：ヨダヒロコ、撮影：masaco）
※画像はイメージです
※この記事は 総合医学情報誌「MMJ（The Mainichi Medical Journal）」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました（2018.07.26）
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2016年10月15日に公開されたものです
