
【カラダのお悩み】放っておくと危険! 「知覚過敏」の原因と予防法7つ
身体の不調は老化への第一歩! 専門家監修のもと、不調のメカニズムを解明し、健康的なキレイ女子になるための解決方法をお届けします♪
虫歯でもないのに、冷たいものが歯にキーンとしみるとしたら、それは知覚過敏かもしれません。食事を楽しめなくて困ることもありますね。痛みが一時のことだからと放っておくと深刻な状態になることも。今回は、知覚過敏について歯科医の石井さとこ先生に聞きました。
◆今回のお悩み
歯が痛いです。冷たいものがしみて痛いので困っています。治療方法を知りたいです。(33歳/ソフトウェア/事務系専門職)
◆冷たいものがしみる理由って?
知覚過敏とは、虫歯ではないのに歯にしみるような痛みを感じる症状のことです。歯の表面を覆っているエナメル質がはがれ、中にある象牙質が露出して刺激を感じやすくなっていることで起こります。冷たいものを食べたり飲んだりするときのほか、甘いもの、酸っぱいものがしみるということもあります。一時的に痛み、すぐおさまるため放っておいている方もいるようですが、象牙質が露出した状態では虫歯になりやすく、虫歯になれば進行が速いので注意が必要です。
そもそも、口の中は唾液の作用で適切なpH値に保たれており、通常は弱アルカリ~中性の6.7程度です。食品が口に入ると酸性に傾き、pHが5.5になると歯のエナメル質が溶けはじめるといわれています。ここで唾液が20~30分ほどで口内を中和してpHを適切な状態に戻すことを繰り返しています。
唾液はものをよく噛むことでたくさん出て口内を洗浄していますが、現代の食事は軟らかいものが多く噛む回数が少ないために、唾液が不足しやすいようです。そのうえ、1日の食事の回数が多過ぎたり、ダイエットのために食べないというのも、唾液のバランスが崩れるので口内が酸性に傾く原因のひとつです。
さらに、歯をゴシゴシ磨きすぎて傷つけていることも。力の入れ過ぎ、電動歯ブラシの使い過ぎ、研磨粒子の入った歯磨き粉の使いすぎには気をつけて。
◆あなたの「知覚過敏の危険度」を14個のチェックリストで確認しよう!
【チェック項目】
1.冷たい飲み物、食べ物でキーンとしみる
2.歯みがきのときに毛先があたるとしみる
3.甘い、酸っぱいものもしみてくる
4.痛みは10秒でおさまる
5.歯ぎしり、くいしばりがある
6.風が吹いてくるとしみる
7.歯ブラシを変えずに1カ月以上使っている
8.歯磨きは力を入れてゴシゴシしている
9.無理なダイエットをしている
10.1日の食事回数が少ない、または多過ぎる
11.食後や寝る前の歯みがきをよくサボる
12.飲み物で流し込むなど、食べるのがかなり早い
13.だらだらオヤツを食べることが多い
14.ジュース、健康のための酢ドリンク、ワインを多く飲む
【結果】
◆1~3つ:生活習慣を見直すなど、セルフケアを行いましょう。
◆4~8つ:知覚過敏の可能性があります。歯科を受診しましょう。
◆9~12個以上:今すぐ歯科を受診しましょう。
◆「知覚過敏」を予防・対処する方法7つ
では、「知覚過敏」に悩むあなたに、対処法をご紹介いたします。
1.歯みがきを見直す
歯や歯ぐきを傷つけて知覚過敏に繋がることがあるので、“ふつう”の硬さの歯ブラシで力を入れすぎずに磨きます。朝食・昼食後は5分、夜はフロスを使っての20分磨きがベスト。歯ブラシは1カ月に1回は変えます。マウスウォッシュは歯みがきの補助として、あとで歯磨きをしましょう。虫歯の原因“歯垢(プラーク)”は、拭いたりこすったりしないと取れません。
2.よくかんで食べる
噛む回数の多くなる食材を取り入れ、意識的に唾液を出しましょう。ごはんに玄米を混ぜたり、朝ごはんのヨーグルトにカットしたリンゴやレーズンを入れてみて。サラダにナッツを入れるのも◎。唾液は消化活動をしてくれるので、ダイエットにもよいでしょう。
3.歯ぎしり・食いしばりがある人は、就寝時にマウスピースを
現代はストレスなどから、歯ぎしり、食いしばりのある人も多いよう。眠っている間にしている人もいるため、気になったら歯科医へ。就寝時に使うマウスピースを作ってもらい、装着するのもよいでしょう。
4.無理なダイエットをやめる
食べないダイエットや置き換えダイエットのしすぎ、エナジー系ドリンクの摂りすぎはやめましょう。唾液の分泌不足となり、口内が酸性に傾いて知覚過敏に繋がりやすくなります。
5.だらだら飲み、だらだら食べをやめる
オヤツは量や時間を決めて、日ごろの飲み物も甘くないものに。いつも何か口に入れていると、ずっと歯のエナメル質を溶かし続けていることになります。ジュースや酸っぱいものを口にしたら水で口をゆすぐだけでも、口内が中性に戻りやすくなります。
6.食後歯を磨けないときや、のどが渇いたときはガムをかむ
ガムは唾液の分泌を促します。歯科医院で販売しているものや歯へのメリットを推奨しているものを試してみて。キシリトール100%のものもオススメです。
7.コラーゲン、ビタミンB、ビタミンCを摂る
健康な歯茎のためにはコラーゲン、歯茎の色をきれいに保つにはビタミンCを。ビタミンBの中でもB2は粘膜を再生する働きがあるほか口内炎・唇の美容にもよい。秋が旬のさつまいもはビタミンBとCを同時に摂れる、ぜひ食べたい食材です。
まとめ
ほかにも、スマホばかり見ていつも下を向いていると、あごまわりにある唾液腺が圧迫されて唾液が出にくくなることも考えられるそう。視線は水平に、スマホはほどほどに。舌回しを1日1~2回往復してみると唾液の分泌を促すことができます。今日からできることばかりなので、早速はじめてみてくださいね!
(取材協力:石井さとこ、文:永田 玲香/ナナネール!)
※画像はイメージです
※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.26)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2016年09月21日に公開されたものです