産婦人科医に聞く! 「女性ホルモンを増やす方法」ってあるの?
女性の体調バランスに大きくかかわっている「女性ホルモン」。さまざまな原因により、その分泌量が極端に少なくなってしまうと、将来、骨粗鬆症や心筋梗塞、脳卒中のリスクが上がってしまう可能性もあるのだとか……。では、この女性ホルモンを減らさずに、増やしていく方法はあるの? 聖マリアンナ医科大学の五十嵐豪先生にお話をうかがいました。
読者アンケート「女性ホルモンを増やす方法って?」
まずは、読者の働く女性のみなさんに「女性ホルモンが増えそうな行動」には何があると思うか、意見を聞いてみました。
<読者に聞いた「女性ホルモンが増えそうな行動」>
◆大豆製品を食べる
・「大豆イソフラボンを摂るとよいと聞いたことがある」
・「豆乳を飲む。美容によいから、女性ホルモンも増えるのではないか」
◆ストレスをためない
・「ストレスを少なくする」(29歳/印刷・紙パルプ/その他)
・「ストレスをためない、規則正しい生活」(28歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
◆恋をする
・「好きな人、あこがれの人を作る」(30歳/情報・IT/事務系専門職)
・「きっと恋しているときに一番女性ホルモンが増えそうな気がします」(29歳/医薬品・化粧品 秘書・アシスタント職)
健康に気遣った生活から、なかには「恋をする」といった回答まで、女性たちの意見はさまざま。では、女性ホルモンにくわしい医師の見解とは? 五十嵐豪先生に「実際、女性ホルモンを増やす方法はあるのか」について、聞いてみました。
専門医が解説! 女性ホルモンを増やす方法はあるの?
今回お話をうかがった、五十嵐豪先生
日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学会専門医。平成14年、聖マリアンナ医科大学医学部卒業。現在は、聖マリアンナ医科大学病院婦人科副部長を務め、多くの女性たちの悩みと向き合っている。
◆女性ホルモン分泌のピークは20代!?
個人差があるので断定はできませんが、一般的に31歳ころになると、妊孕性(妊娠のしやすさ)は低下してくるといわれています。それを考慮すると、女性ホルモンの分泌のピークは20代ころといえるでしょうか。その後、平均51歳で閉経するまで女性ホルモンの分泌量は次第に低下していきます。
◆女性ホルモンを増やす方法ってあるの?
表現が難しい部分ではありますが、女性ホルモンを増やす方法があるとすれば、注射による注入など医学的な介入が挙げられます。これらを踏まえると、「増やす」というよりは、「整える」という表現のほうがここでは適切でしょう。したがって、「女性ホルモンを整える方法」を紹介していきます。
◆女性ホルモンを整える方法
(1) 激しい運動をしない
激しい運動などにより、体重が激減すると女性ホルモンのバランスが崩れる原因になります。たとえばマラソン選手など、激しい運動により体重が激減し、月経が止まってしまったという方の話を耳にすることも。ウォーキングやストレッチなどの適度な運動は、自律神経を整えたり、リフレッシュ効果があったりするのでオススメですね。
(2) ストレスをためこまない
ストレスが原因で精神的に参ってしまい、無月経に陥る方もいます。よって、睡眠や休憩を十分にとって、心身の休息を日々の生活にとりいれるようにしましょう。
(3) 食品から女性ホルモンを摂取する
女性ホルモンに似た働きをする食品として、一般的に「大豆製品」が挙げられますよね。とはいえ、なかには大豆製品を摂取しても女性ホルモンとしての役割が得られない人もいます。最近では、女性ホルモン類似物質である「エクオール」を含むサプリメントも発売されているので、直接摂取するのも効果的でしょう。
(4) 禁煙
喫煙をしている女性は、閉経が平均して2年ほど早くなってしまうという報告があるように、女性の体へ悪影響を与えることはたしかです。日々の生活を見直す際、ぜひ禁煙も心がけてみてくださいね。
ちなみに、多くの人が期待している「恋をすると女性ホルモンが増える」というのは、おそらく嘘でしょう。とはいえ、これに関しては科学的に否定されていないので、正しくは「現段階ではわかっていない」という回答にしておきます。
まとめ
女性ホルモンを整えていくことは、健康な体を保つためにも大切なこと。自身の女性ホルモンの状態に不安がある人は、五十嵐先生が教えてくれた4つのポイントを押さえて、ぜひ生活環境を改善してみてくださいね。
(取材協力:五十嵐豪、文:マイナビウーマン編集部)
※画像はイメージです
※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.14)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2016年06月22日に公開されたものです