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周期が短い、ずっときてない……その月経不順、放っておかないで!

月経痛に悩む女性は少なくありませんが、同時に月経不順も大きな問題です。月経周期は通常28日前後。極端に周期が短かったり、逆に何カ月も月経がこなかったり……という状態が続く場合は医療機関の受診を検討しましょう。月経不順について、霞が関ビル診療所の丸山綾先生に聞きました。

「ストレスや体調不良など、さまざまな要因から月経不順になる女性は少なくありません。20日など短い周期で月経がきてしまい、煩わしくて受診するという例もあります。逆に、半年や1年、月経が止まってしまっているという人も。後者の場合、体重が極端に減ったときに起こることが多いのですが、若い女性は『痩せたい願望』がある人が多いので、『痩せているほうがいいし、生理もないほうが楽だから……』という理由から、積極的に受診しない人もいます。けれど、月経不順は体からの大きなシグナル。放っておかずに早めの受診を心がけてください」

体の変調は、「食」「睡眠」「便」のいずれかに現れるといいます。月経不順の場合も、「食欲がない」「食べ過ぎてしまう」、「眠れない」「眠くて仕方がない」、「便秘が続く」「下痢が続く」といった症状が同時に起こっていることが多いもの。自分の体をチェックしてみましょう。

ストレスの要因から離れたり、生活習慣を見直したりすることで月経不順が改善することもありますが、それでも改善しない場合は漢方薬の処方が適していることがあります。月経不順のある方に処方する漢方薬について、丸山先生に聞きました。

虚証タイプ(虚弱体質な人や体力の低下している人)の場合

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

……女性の不調に処方される婦人科三大処方のひとつ。全身の血や水の循環が滞っていると考えられる場合に処方される。血や水を巡らせ、不調を改善する。月経不順以外にも、冷え症や更年期障害、めまいなどに処方する。

六君子湯(りっくんしとう)

……月経不順そのものに対する薬ではないが、体重や食欲が低下した結果生じた月経不順に処方することが多い。体重が低下して月経不順となった場合、月経不順を改善するには体重を元に戻すことが大前提。「補気剤」としての効果が見込めるとともに胃腸機能を改善する六君子湯で体重を元に戻し、月経不順を改善する。

実証タイプ(比較的体力のある人)の場合

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

……駆瘀血剤の代表薬。月経不順と共に経血量が多い、月経痛が重いなどの月経異常がある場合、体内に「瘀血(血の滞り)」の状態があることが考えられる。瘀血を取り除くことで、月経不順の改善を促す。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

……駆瘀血剤としての効果がある漢方薬。瀉下作用があるため、月経不順に加えて便秘の症状がある場合に用いる。

※月経不順に処方する漢方薬はこれ以外にもあり、体質や症状に合わせて処方されます。

月経不順の改善の場合、短くても3カ月ほど服用を続ける場合が多いようです。4月からの新生活で疲れが溜まり、体の小さな不調を感じているという人もいるのでは? 長引く前の早めの受診を心がけましょう。

(取材協力:丸山綾、構成:マイナビウーマン編集部)

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.19)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年06月06日に公開されたものです

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