“脂漏性皮膚炎”って何!? 皮膚科医に聞く、顔の「赤み」の主な原因と対策法
「痛いわけじゃないのに顔の一部が赤い!」、「体調が悪いわけじゃないのに、ほっぺたがりんごのように真っ赤に……」なんていう、原因不明の顔の赤みに悩まされたことはありませんか? 原因がわからないと、自分なりのケアをしているつもりでも不安になってしまうもの。そこで今回は、顔の赤みについてどのような悩みを持っているのか、働く女性のみなさんにアンケート調査を実施。さらに、顔の赤みの原因や対策について、渋谷スキンクリニックの院長・吉田貴子先生に教えてもらいました。
Q.あなたは、顔の「赤み」が気になった経験はありますか?
まずは顔の赤みで悩んだ経験があるかを聞いたところ、悩んだことがある人とない人は、ほぼ半々という結果に。続いて、具体的な症状について聞いてみました。
<顔の赤みの「症状」って?>
■顔の一部だけが赤くなる
・「頬のまわりと、それ以外の部分の赤みがまばらで気になった」(32歳/金融・証券/事務系専門職)
・「目のまわりや頬などを中心に赤くなり、薬を塗ってもなかなか治らなかった」(32歳/生保・損保/営業)
頬や鼻、目の周りなど、顔全体ではなくどこか一部に赤みが出てきてしまう人が多いよう。薬を塗ったりと対策をしているようですが、「効いてる」と実感している……というわけではなさそう。
■体調によって赤みが出現!
・「疲れがたまると、頬が赤くなってしまうのが気になる」(25歳/医療・福祉/専門職)
・「生理の前はちょっとしたことで赤くなってしまい、恥ずかしい」(34歳/医療・福祉/専門職)
体調が万全でないときや、生理前など、体調に変化があったときに赤みが出てきてしまう人もいました。体調がなおると赤みも引くのだそう。
■季節によって
・「暑い時期は顔の赤みがひどく、ファンデーションで隠すのに苦労する」(29歳/電力・ガス・石油/秘書・アシスタント職)
・「季節の変わり目になると肌荒れしやすく、顔が赤くなるときがある」(31歳/建設・土木/事務系専門職)
暑いときだけ、寒いときだけ、また季節の変わり目など、時期によって症状が出てしまうという声も聞こえました。
<皮膚科医に聞く、顔の「赤み」の主な原因と、それぞれの対策法>
体調や季節など、赤みが出てしまうタイミングはわかっても、どのようにケアをしたらいいのかわからないという人がほとんどのようです。そこで、吉田貴子先生に、顔の赤みの原因と改善方法について話をうかがいました。
■顔の赤みの原因はさまざま
吉田先生「顔の赤みを起こす原因には、“脂漏性皮膚炎”や“乾燥”、“アレルギー”、“酒さ” など、多くの種類があります。
共通して言えることは、赤みが出てしまうのは、どれも毛細血管が広がってしまっている状態だということです。かぶれや日焼けも同じことが言えます」
■赤みの原因でも厄介な“脂漏性皮膚炎”と“酒さ”
吉田先生「今回特に注目したいのが、“脂漏性皮膚炎”と“酒さ”。いずれも、『赤ら顔』と呼ばれることがあり、部分的に顔が赤くなっている状態です。
2つの症状は似ているので、見分けるのは難しいかもしれませんが、発症するメカニズムがちがいます。
まず、“脂漏性皮膚炎”は、小鼻の周りや眉間、髪の生え際などの、皮脂の多い“脂漏部位”と呼ばれる場所に赤みの症状があらわれます。これは、油が好きな常在菌“マラセチア菌”が増殖することで、肌に炎症が起こってしまうことが原因です。
そして“酒さ”は、諸説あり解明されていないことが多々ある病気ですが、“脂漏性皮膚炎”とちがいカサカサすることなく、赤みとほてり感が主な症状です。ヒリヒリした痛みを伴うこともあります。注目したいのは、20代以降の女性に多く見られる“酒さ”。これには、過剰な皮脂分泌はもちろん、オイルクレンジングや美容クリームなど、必要以上に、肌に油分が与えられていることと関係しています」
■顔の「赤み」の対策法は?
吉田先生「対策や改善策としては、“脂漏性皮膚炎”“酒さ”の場合どちらも過剰な皮脂が原因になりますので、まずは不要な油分をカットすることです。クレンジングや洗顔料、ファンデーションなど、油分が多いものを使っていないかスキンケアを見直してみましょう。
赤みには、“アスタキサンチン”、“ビタミンB”、“ビタミンC”が含まれている化粧品がオススメですね。また、皮脂分泌を抑えるというということで、ピーリングをすることも効果的だと思います。
そして、ストレスや寝不足、飲酒、日焼けなども赤みを加速する原因と考えられます。いま一度生活習慣を見直してください。なかなか改善されないようでしたら、気軽に皮膚科に相談してくださいね」
<さいごに>
原因不明の赤みの多くは、「皮脂」と関係していることがわかりました。いままで手の打ちようがなかった赤みも、普段の化粧品や生活習慣を意識すれば改善されていくかも! 吉田先生いわく「場合によっては慢性化してしまうものもある」ということなので、セルフケアで改善されない場合は、皮膚科で詳しく診察してもらうのがよさそうです。
吉田貴子先生
皮膚科・美容皮膚科医。2004年に渋谷スキンクリニックを開業。一般皮膚科と美容皮膚科を開設し、あらゆる肌の悩みに向き合っている。なかでもニキビ治療を得意とする。また、肌トラブルだけでなく、ダイエットやアンチエイジング、発毛治療など、美容にまつわるさまざまな悩みに対応してくれる。テレビや雑誌などのメディアでも活躍中。
(取材協力:吉田貴子、文:石部千晶/六識)
※画像はイメージです
※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.21)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2016年05月20日に公開されたものです