夏だけじゃない! ノロやロタなど「冬の食中毒」から体を守る方法
「食中毒」というと、気温が高く、食品が傷みやすい夏場に起きやすいというイメージがあります。しかし、実は冬場にこそ気をつけたい食中毒も少なくないのだとか。しかも、冬の食中毒は風邪とよく似た症状も見られるそう。ナビタスクリニック立川の久住英二先生に、風邪と見分けるポイントと予防法を聞きました。
食べてなくても感染する、食中毒
「冬の食中毒を代表する『ノロウイルス』は嘔吐(おうと)や下痢、腹痛のほか、関節痛、高熱、頭痛など風邪に似た症状が見られます。風邪と見分けるポイントは、急激に体調が悪くなるという点です。症状のピークは『おかしいな?』と思ってから30分ほどでやってきます。そして、その後24時間でほぼ峠を越えるんです。かかってしまった際の対処法としては、経口補水液などで水分をとりながら、安静にして回復を待つといいでしょう」(久住先生)
ノロウイルスの原因は、カキなどの二枚貝が有名ですが、「生の貝を食べなければ安心」というわけではないのだとか。
「ノロウイルスは感染力が強く、ウイルス感染者の吐しゃ物などを介して、二次感染しやすいです。また、感染していても症状が出ない人が3割近くいます。この時期に外出先で手洗いせずに食べ物を口にすることは、それだけで感染のリスクが高まると覚えておきましょう」(久住先生)
エアタオルやマスクにも注意
一方、ロタウイルスはノロウイルスに比べて、下痢・嘔吐(おうと)や発熱の期間が長いため、感染するとノロ以上に苦しい思いをする人が多いのだそう。ただし、予防ワクチンがあり、多くの人は5歳までに免疫をもっていることがほとんどだとか。
「今年流行すると言われている新型ノロウイルスも、これまでのノロウイルスやロタウイルスと同じく、『手洗い』が予防の基本です。また、これらのウイルスはいずれも次亜塩素酸系の漂白剤を薄めたもので死滅させることができます。家庭では、500ミリリットルのペットボトルにキャップ2杯分の漂白剤を入れ水で希釈したものを使用するといいでしょう。キッチンペーパーなどにつけ、玄関のドアノブなど気になるところを拭いたあと水拭きすればOKです」(久住先生)
また、盲点になりやすいのが、洗面所に備え付けてある「エアタオル」。下に水がたまるタイプの場合、水に付着したウイルスが使用するたびに舞い上がり、吸い込んでしまう危険性があるのだとか。
「石けんで手指をよく洗った後、できればエアタオルではなく、自分のハンカチかペーパータオルで拭きましょう。また、マスクを折り畳んでポケットにしまう習慣も要注意です。マスクはいわば空気清浄機のフィルターのようなもの。マスクの外側には、ウイルスをはじめとする“汚れ”がたくさんついています。外した後は持ち歩かず、すぐ処分しましょう」(久住先生)
まとめ
冬場に流行するウイルス性の食中毒を予防するには、手洗いをはじめとする、基本的な衛生習慣がポイントになります。
●冬場の食中毒を防ぐ方法
・食べる前に手を洗う
・マスクは“使い捨てタイプ”を使用する。
・使用済みマスクは外したらすぐ処分する
・次亜塩素酸系の漂白剤を薄めたものでウイルスを除去
これらの習慣はインフルエンザなどの予防にも効果があるので、積極的に取り入れていきましょう!
(取材協力:久住英二、文:齋藤純子+ガールズ健康ラボ)
※画像はイメージです
※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.12)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2016年02月02日に公開されたものです