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腰痛やぎっくり腰に効く漢方薬がある!? スポーツ選手も使う漢方薬とは

重い荷物を持ちあげようとしたときや、かがんで作業しようとしたとき、日常のよくある瞬間に“やってしまう”のが、そう、ぎっくり腰です。特に寒い季節は筋肉や筋が伸びづらいため、ぎくっといってしまうことが多いよう。実は、このぎっくり腰に処方する漢方薬があることをご存知でしょうか。霞が関ビル診療所の丸山綾先生に、お話を聞きました。

ぎっくり腰には芍薬甘草湯

「ぎっくり腰に処方することが多い漢方薬は芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)と言います。筋肉のけいれんやひきつりによる痛みをとる漢方薬です。構成生薬は、芍薬と甘草の2種類。芍薬は血(けつ)を補いけいれんを緩和させ、甘草は筋緊張を緩和させ痛みを和らげます」

即効性があり、足のつりやこむら返りにも効果が期待できるので、芍薬甘草湯を常備薬にしている登山家やスポーツ選手もいるのだそう。また、骨格筋(骨格を動かす筋肉)だけでなく、平滑筋(内臓筋)にも効果があるため、子宮収縮からくる月経痛にも用いられることがあります。

ただし、注意しなければいけないのは効き目が「シャープ」なこと。漢方薬は基本的に複数の生薬を配合していますが、構成生薬が少ないほど効き目がゆるやかではなくシャープな傾向があります。十数種類の構成生薬から成る漢方薬もあるなかで、芍薬甘草湯の構成生薬は2種類。それだけに、連用するとむくみや高血圧などの副作用が起こりやすいとも言えます。

「漢方薬は『副作用がない』と誤解されることが多いですが、まったくないわけではありません。特に構成生薬が少ない漢方薬については、体質や飲み方によっては副作用が起こる場合があります。医師から説明を受けるようにしてください」(丸山先生)

症状を感じたときに服用すれば即効性が高いというメリットがある一方、副作用の可能性もあります。基本的に頓服薬として服用するのが望ましい漢方薬です。

慢性的な女性の腰痛には五積散

突発的な症状であるぎっくり腰以外にも、慢性的な腰痛に悩まされている人もいます。このタイプの腰痛に処方することが多いのは、五積散(ごしゃくさん)という漢方薬です。

「五積散は寒さなどによって引き起こされる慢性で軽症の症状に用います。漢方では、体内には『気・血・水』が巡っていると考えますが、この3つのどれもがうっ積している状態を治す漢方薬です。ひどい症状が一つあるわけではなく、『体のいろんな部分がなんとなく調子が悪い』というような人に処方することが多く、女性の更年期障害に用いられることもあります」(丸山先生)

五積散は、芍薬甘草湯と対照的に、16種類もの生薬から構成されています。さまざまな病態に対応できますが、効き目はゆるやかで、継続して服用することが多い漢方薬です。

「慢性的な腰痛には、お風呂などで患部をしっかり温めてください。冷えは大敵ですので、なるべく冷やさないようにしましょう」と丸山先生。

急なぎっくり腰でも、炎症がおさまるまでは冷やし、そのあとは温めるのが効果的なよう。その上で、体と相談しながら、漢方薬も試してみてはいかがでしょうか。

(取材協力:丸山綾、文:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.12)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年01月12日に公開されたものです

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