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風邪に処方する漢方薬はタイミングに注意! 葛根湯を飲む時期は?

風邪に効く漢方薬は葛根湯だけじゃない!?

日に日に寒さが厳しくなるこの時期。乾燥の影響もあり、街ではマスク姿が目立ち始めます。一度風邪を引いて、こじらせてしまうと大変。師走の忙しい時期は、休みたくても休めないこともありますよね。眠くなる成分が入っていない漢方薬なら、ビジネスパーソンにとっても便利。中には常備薬として重宝する漢方薬もあります。風邪に処方する漢方薬について、霞が関ビル診療所の丸山綾先生に聞きました。

「体質以外に、風邪の引き始めか、中期か、こじらせてしまっている場合かによって処方する漢方薬は異なります。風邪の漢方薬として有名なのは葛根湯ですが、葛根湯は風邪のごく初期に服用する漢方薬で、初期に飲めばかなり効果が期待できます。ただし、その時期を過ぎてしまうとあまり効き目は感じられないと思います」と丸山先生。

そこで、風邪の初期、中期、後期に分けて、処方する漢方薬を聞きました。
※下記は一般的な処方目安です。実際の処方には個人差があります。

風邪の時期別おすすめ漢方薬

<風邪の初期(引き始め、1~2日目)>

桂枝湯(けいしとう):風邪の基本処方と言われる漢方薬。虚証タイプ(体力がないタイプ)や高齢者、自然に汗の出る体質の人の風邪初期に用いることが多い。

葛根湯(かっこんとう):桂枝湯に麻黄と葛根を加えた漢方薬。体を強く温めて、発汗させて熱を下げる。実証タイプ(比較的体力のあるタイプ)の風邪初期に用いる。服用時期の目安としては、悪寒を感じてから汗をかき始めるまでの間。すでに発汗がある場合は葛根湯の時期を過ぎている。

<風邪の中期(3~4日目)>

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう):桂枝湯に小柴胡湯の合わさった漢方薬。熱や食欲不振などの症状と、初期症状(悪寒、発汗、頭痛など)も残っている場合に用いる。風邪の中期症状のほか、胃腸炎に用いられることもある。

<風邪の後期(こじらせている状態、5~6日以上)>

小柴胡湯(しょうさいことう):風邪の後期に、吐き気があって食欲もなく、胃や胸の苦しさといった症状がある場合に用いる。風邪のほか、胃炎や疲労感がある場合に用いられることもある。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう):病後の衰弱に用いられる漢方薬。風邪後期の滋養強壮に用いられることも多い。

風邪の後期に用いる漢方薬もありますが、一番良いのは引き始めに手早く治してしまうこと。桂枝湯や葛根湯など、自分の体質に合ったものを常備薬として家に置き、「もしかして風邪かな?」と感じた時点で、すぐに服用すると良いでしょう。

「実証タイプの人なら、風邪の引き始めに葛根湯を飲み、身体を温めて、厚着をして寝てください。とにかく発汗させるのが目的です。汗をかいたら夜中に着替えを。翌朝にはすっきり治っていることも多いですよ」(丸山先生)

たかが風邪ですが、長引くと厄介。常備薬を用意して、来る冬に備えましょう!

※漢方薬は、医師、薬剤師または登録販売者に相談し、体質・症状に合ったものを服用しましょう。

(取材協力:丸山綾、構成:マイナビウーマン編集部)

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.12)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2015年12月07日に公開されたものです

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