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エセ「不思議ちゃん」の特徴【イラストコラム】

いつのころからか「不思議ちゃん」というジャンルが生まれました。キャラクターの突出っぷりに、常人の理解が及ばないような場合、総称して「不思議ちゃん」と呼ばれるような気がします。

「不思議ちゃん」は中立地帯のようなもので、なんとなく皆から一目おかれつつ、それでいて煩わしくも思われず、なんなら愛されもする、ちょっぴりお得なポジション。それゆえエセもいるとかいないとか……?

細分化していくと「霊感ある系」から「ファンシー系」まで、その特徴はさまざま。没個性ワールドに属しつつも、「個性的な自分」というものをうっすら求めてしまいがちなのが我々人間だと思うのですが、それが行き過ぎると「エセ不思議ちゃん」が生まれるのかな? なんて思います。

どこから養殖でどこから天然なのか、そもそもが「不思議ちゃん」なので、もうどっちだって同じような気もいたしますが、天然の「不思議ちゃん」は隠そうとしても隠しきれない光り輝く「ザ・個性」を持ち合わせているので無敵です。

わたしが知っている唯一無二の「不思議ちゃん」は、懸賞で当てたというCCレモンの缶そっくりのカセットプレイヤー(当時MD全盛期)で音楽を聴き、授業中にじゃがりこをこっそり(それでいて咀嚼音が鳴らないようにゆっくり湿らせながら)食べ、単語帳のリングそっくりのでっかいピアスをつけ、絶妙な長さの白いソックス(ルーズソックスor紺ハイソが主流の頃)を履き、常に我々の想像の三段くらい上を素知らぬ顔で歩いている感じのする少女でした。

それでいて人懐っこくもあり、わたしはそんな彼女から一度へんてこな映画を一緒に観に行こうと誘われたことがあるのですが、あのとき断ってしまったことを未だに悔やみます。

10年以上会っていませんし、もう二度と会うこともないと思いますが、忘れられません。

彼女ほどパンチある「不思議ちゃん」に出会ったことがないので、わたしからしてみれば彼女以外はもはやエセです。

文・イラスト MARI MARI MARCH(マリマリマーチ)/OFFICE-SANGA

※この記事は2015年10月08日に公開されたものです

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