怖い病気が隠れているかも! 「生理痛」を和らげる方法3つ
「生理=ツライもの」と決めつけ、葛藤しながら毎月の生理の時期を乗り越えている人も多いはず。しかし、そんなことでは生理の悩みが解消されるわけもなく、あなたの体に潜む病気のシグナルを見落としかねません。そこで今回は、生理痛のメカニズムと生理がくる前にできる対策を、吉田医院院長の網野幸子先生に教えていただきました。
今回のお悩み
排卵痛から不正出血があるけど大丈夫か。生理痛が年々酷くなっている気がするけど、大丈夫なのか。(28歳/食品・飲料/技術職)
「生理痛」のメカニズムとは?
「生理(月経)」とは、「女性ホルモン」と呼ばれる「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という2つのホルモンの分泌が、大きく関係しています。エストロゲンの働きにより成熟した卵胞から、卵子が排出され、子宮へ向かいます。そして子宮内膜は排卵から10~14日にかけて妊娠の準備に入ります。しかし、妊娠しなかった場合、プロスタグランジンの働きで、子宮が収縮し、不要になった子宮内膜は血液とともに子宮口から排出されます。これが生理のメカニズムです。
「生理痛」が起こる原因には、プロスタグランジンの分泌量が影響しています。プロスタグランジンには痛みを促進させる働きがあるため、過剰に分泌されると子宮の収縮も強まり、痛みを増すことになるのです。その際、腸も収縮するので腹痛が起きる場合があります。そのほか、代表的な症状・腰痛の原因は、月経直前には子宮が妊娠のごく初期段階の症状になるため、やや子宮が大きくなります。そのため子宮周囲の血管が圧迫され、骨盤内の血行が悪くなり、腰が痛んだり、重くなったりするのです。
周期的な生理以外で出血することを「不正出血」と言います。必ずしも危険なものとは限りませんが、エストロゲンの分泌量が不十分なときに起こる「無排卵周期症」によるものや、子宮出口の「びらん」が原因の可能性もあります。びらんは、セックス時に子宮の入り口が擦れると出血しやすくなります。基本的には心配ありませんが、子宮頸管ポリープや、子宮体がんのサインの場合もあるので注意しましょう。
生理痛や出血がひどくて、日常生活に支障が出るほどの場合は「月経困難症」といい、原因となる病気がない場合にも治療の対象となります。次ページでチェックしてみてください。
(取材協力:網野幸子、文:須田瑞穂/ナナネール!)