「年の差恋愛」からの結婚には、意外に男女で価値観の相違が判明【後編】
働く女性にとって気になる話題やトレンドワードをピックアップ。男女心理の専門家である五百田達成氏が、ユーザーのリアルな声とともにひもときます!
◆恋愛と結婚は別?
前編では「10歳以上年が離れている相手」へのアンケートを通じて、「年上の彼氏・年下の彼女」について分析しました。女は包容力のある年上の男性を求め、男は若くて無垢な年下の女性を求める。これは恋愛においては、言うまでもない常識のように見えます。
ところが、これが結婚となるとどうでしょう。「包容力のある人って素敵」だけではすまない、リアルな視点が加わることになります。
◆老後、介護、健康
今回のアンケートで最も注目すべきは、
・「結婚したら老後が不安」(31歳/学校・教育関連/専門職)
・「親の介護のころに彼氏の介護をしないといけないのかと気になる」(33歳/運輸・倉庫/事務系専門職)
・「自分が50歳のときから年金生活になってしまうから」(30歳/商社・卸/事務系専門職)
・「友人は10歳以上年上の人と付き合っているときに彼氏の健康を心配したそうです」(31歳/その他/その他)
といったコメント。
つまり、「年上の男性のほうがなにかといいけれど、自分もオトナになって、相手が10歳以上離れているとなると、結婚は難しいのでは?」という冷静な判断が、女性の側にはあるということです。とくにこれらのコメントがすべて30代女性から寄せられているのは、じつに興味深いポイントです。
◆のんきな男性
いっぽうの男性からは、「老後に介護させると思うと悪いから、年が離れた彼女はちょっと……」といった慎ましやかな意見は聞かれません。せいぜい、
・「もし子どもを考えるなら……という面はある。女性側の出産適齢を考えるので」(35歳/金属・鉄鋼・化学/個人事業主)
という声が上がっているぐらいで、その他はむしろ、
・「若いにこしたことはないから」(28歳/情報・IT/技術職)
・「自慢できるから」(31歳/運輸・倉庫/技術職)
と、「だ、だいじょうぶ?」と心配になるぐらいの、あえて言うなら浅はかさが目立ちます。
◆本当の包容力とは?
もろ手を挙げて「年上がいい!」とは言えなくなっていく女性と、いつまでも「若いにこしたことはない」と言い放つ男性。その隔たりは、思ったよりも広くて深いのかもしれません。
そもそも、女性が年上の男性に求めることの多い「包容力」ですが、なんでも言うことを聞いてくれるとか、お店をよく知っていてスマートにリードしてくれるとか、そういう「表面的な包容力」は、正直、あとからどうとでもなることです。
そうではなく、「目の前の相手の将来のことまで考える」「自分本位ではなく、相手の気持ちに配慮した交際・結婚をする」ことこそが、「真の包容力」だとするならば、それは年齢には関係のないことなのかも。
10歳上とか、10歳下とか、そういうことではない、その人の人格によるところが大きいと言えるでしょう。
少なくとも「付き合うなら断然年上!!」という思い込みから自由になることが、オトナ女性への階段を登る第一歩であることは間違いないようです。
(作家・心理カウンセラー:五百田達成)
※画像は本文と関係ありません
※『マイナビウーマン』にて2015年3月にWebアンケート。有効回答数280件(22歳~34歳の働く女性)
※マイナビウーマン調べ(2015年3月にWebアンケート。有効回答数123件。22歳~39歳の社会人男性)
※この記事は2015年04月04日に公開されたものです